身に覚えのないプレゼント♪      
 



ドンドンドンドン!!!!

アスランはドアをたたく破壊音に驚いて、作りかけのハロを落としてしまった。

誰だろう。
今日は一日中休養のはず。
もしかして緊急の戦闘か?

そう思ってあわててアスランは部屋のドアを開けた。

が。
予想に反してそこにいたのはイザークただ一人。
予期していなかった来客に、アスランは心底驚いた。

イザークが来るということは、どうせろくでもない用に違いない。

「何のようだ」
アスランはわざと突き放すように冷たくたずねてみた。

すると。

「ふん。一応お返しだ」
そういって差し出されたものは、可愛くラッピングされた、イザークには似つかわしくない箱。

アスランは頭に?を三つ並べた。

何なんだ、コレは。
もしかして爆弾・・・・・・とか?
いや、相手はイザークだ。もっと陰湿なものに違いない。

アスランがなかなか受け取らないのに焦れたのか、イザークは箱を押し付けると
「俺もお前と同じ気持ちだ!!!!」
と捨てゼリフを残して去って行ってしまった。

・・・・・・・一体・・・・・・・?

訳のわからなさに呆然としつつも、もらった箱をじっと見つめる。

・・・・・・一応開けてみるか・・・・・・

アスランはビクビクしながらその箱を開いてみた。

すると、そこには山のように白いマシュマロが。

・・・・・そうか、毒殺か・・・・・・

納得したアスランはその飴をゴミ箱に捨てると、気を取り直してハロ作りに没頭した。


コンコンコンコン☆

かわいくドアをノックする音で、アスランはハロの世界から帰ってきた。

今度は誰だ?
ノック音からしてイザークではないな、と思ったアスランは安心してドアを開けた。

そこにはニコルが、いつもの天使の微笑を浮かべて立っていた。

「はい、アスラン」

そういって差し出す手には、今さっきイザークにもらったのと同じような箱が。

もしかしてニコルも俺を毒殺!?
そんな!!!ニコルだけは信じてたのに!!!!!!

しかし、次の言葉を聞いた瞬間。
アスランは固まった。

「バレンタインは本当にありがとうございました。これ、ホワイトデーです。この日はマシュマロを返す日なんだって聞いて、手作りしてみましたvvがんばったんですよ〜」

バレンタイン?
ホワイトデー?

「ニコル・・・・・一つたずねてもいいか・・・・?」
アスランは震える声でニコルに問いかける。
「バレンタイン・・・・・・俺、何かした・・・・?」

するとニコルは満面の笑みで、その問いに答えてきた。
「はいvvあの日ほど生きててよかったと思う日はありませんでした。よもやアスランからチョコを貰えるとは思ってもいなかったのでvvこれで僕の長年の想いも報われるというものです」

チョコ・・・・何の話だ?
身に覚えのないことを言われて、アスランは必死でチョコにまつわる体験を思い出す。

そして、ピンッときた。
きたのはきたけれど・・・・・・。

アスランは血の気が引くのを感じた。

そういえば、確か一ヶ月前。
なぜか知らない女性からチョコを貰って困っていた時、たまたま通りすがったイザークとニコルにあげたんだっけ・・・・・・・。

あの日、バレンタインだったのか。

それ以後、ザフトではアスランに迫るイザークとニコルの姿が日常茶飯事になったとか。

ちなみに捨てたイザークの箱は、あまりにもかわいそうだったので後で拾ったということです。
(食べたかはまた別・・・)


 
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