僕等の逢瀬








「や、アスランv」

「久し振りだな、キラv」


……………最初に一つ言っておくことにしよう。































ここは戦場である!!































「…………キラくん?ここ、どこだかわかってる?」

完全にフリーズ状態だった宙域に、アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスの擦れた声が流れる。
さすが艦長!…とエールを送ったアークエンジェルクルーはきっと少なくはないだろう。

「ええ、わかってますよ?」

ニッコリと微笑みながらそれに応答するキラ・ヤマト(16)。
この笑顔に、隠された(?)意味があるという事は、誰の目にも明らか…

「わかるかぁーーーー!!!」

「Σうわっ!イザーク、落ち着け!!(ってゆーか誰に言ってんだι?)」

「これが落ち着けるか!!何でストライクのパイロットとアスランが親しげに話をしてるんだ!?
ここは戦場だぞ!!!

………はい、もっともな事です。
イザークの叫びもさる事ながら、それを許さないのがこの二人、


「オイ、五月蝿いぞイザーク。」

「あーー!!!あの時のしつっっこい(注:しつこい)ストーカーさんだね!
もしかして…………妬いてるの?(クスッ。)」

しつこいようだが、上から、アスラン・ザラ(16)と、先ほど紹介したキラ・ヤマト(16)である。
冷静なアスラン……というより、(いつもより数段)冷たいアスランと、にこにこ笑っているキラの両方に言われた事に、普通、怯える所だろう。
…キラは、最後に黒く勝者の笑みを浮かべているが。


「っそれがムカつくんだあーーーーーーー!!!!」

特にオマエだ!!…と、ストライクを指差すデュエル…もといイザーク(ちなみに本人も機体の中で指差している)。

「…フゥ〜〜……やだねー、みっともないジェラシーは。」

これまた自分の愛機(ストライク)で大きくヤレヤレ…といったポーズをとる。
オイお前ら。…だから、戦闘はどうした

「あれをジェラシーと呼ぶとはストライクのパイロットさんって……」

「?何だ、ニコル。(さっきまで黙ってたけど…ま、臆病者だしな。口出し出来なかったんだな。きっと。)」

「いやぁ〜…随分と気の合いそうな人だなって思いまして♪♪」

「Σ!!(やべー!!やっぱコイツ、黒かったのか!!)」

「あはは〜♪何言うんですかディアッカ。聞こえてますよ?(ニッコリv)」

僕も混ぜて下さいv…と、今にも言い出しそうなこの少年、黙っていればただの可愛い美少年。ピアノの鍵盤を操っている所は正に空から舞い降りた天使のように可愛らしく輝いているのだが………。。
どうやら本性は黒かった天使ではなかったようだ…。。――――ニコル・アマルフィ(15)の笑顔に恐怖を覚えたディアッカ・エルスマン(17)の告白日記より抜粋。




「キラ、じゃあそろそろこっちに来てくれるよね?(ニーーーッコリv)」

「それは出来ないよ。こっちには……仲間が……友達がいるんだ!!!」


さっきまでの黒さは何のその…不穏な空気は何処へ行ったのか。
たちまちラブコメめいた雰囲気に一変して変わる。辺りにハートが飛んでいるように見えるのは幻覚?幻覚なのか!?


「来るんだ、キラ!」
「いやだ!」
「なら無理やりにでも…!!」
「止めて、放してアスランっ!!!」

これが、全回線オープンでやっているのだからドキドキものである(何がだ)。
…………しかし、これで双方共(AAとZAFT)事情が呑み込めたらしい。

「キラv」

「なあに、ミリアリア。」

「その人、連れて帰ってきちゃいなよv」

「え、でも………」

しぶるキラ。さっきの威勢はどうした?

「俺が許すわけないだろう?キラ……、いい加減こっちに来いって散々言っただろう?
さっさと腹を決めてこっちに来い(ニッコリvv)。」

ストライクとAAの回線に割り込んできたアスランは、素晴らしいくらい輝いてる笑顔で一気にしゃべった。
…誰か、ツッコミ入れろよ…。。。(無理だけど。)

「……ってことらしいんだよね〜。」

「むしろ、足つきがZAFTに来ればいいんじゃないか?」

「ああ!それいいね!!」

………………よくはない。いや、絶対よくない。素晴らしくマズイ事である。
っていうかありえないだろう。

「でも、皆に危害を加えるなら………僕、何するかわかんないよ?

「あはは〜、さすがキラだな。もちろん…………身の安全を保証するさ。ね、隊長(ニッコリv)?」

思いっきり冷気漂いまくってるし!……しかもアスラン目が笑ってませんって!!!(汗;)
これで“ノー”と言える者がいるだろうか?誰か刃向う事が出来る者は…ッ!!

「……わ、わかった…。。本国に、そう取り合ってみるとしよう。。。」

結局クルーゼ隊長も、一人の人間だったらしい。オイ、いつもの偉そう(※失礼)な態度はどうした?



「……………と、いうわけだ。」

「やった、アスラン大好き♪」

「それじゃあ、足つきサン、こちらにお越し下さい(ニッコリ)。」

「あはは、アスラン棒読みだよ〜。もっと嬉しそうに言えないのー?」

「はははっ、そんなの無理に決まってるだろう?俺の愛しのキラを、無理やり戦わせていたんだからな。
本来なら、キラを救出後に潰すつもりだったんだし。」

「もう、アスランったら……公衆の面前でそんな事言うなんて恥ずかしいじゃないかっ///」

恥ずかしい。…そんな問題ではないだろう。
とんでもないセリフを言ったアスランを野ざらしにしてていいのか!
AAの通信画面に全面にパイロットスーツ姿でニッコリ微笑みかけているアスランに、AAメンバーは恐怖を覚えたらしい。
何でこんな少年に………とは思いつつも、自分の体は言う事を聞かず、恐怖を訴えてくる体を押さえ込むのに精一杯だったという。





「…………………………で。行きますよね、ラミアス艦長?」

ニッコリvvv


その笑顔の裏に隠されているというか見え見え言葉は、
“行かないんなら沈めますよv”……で、ある。(友達はどうした。)

「で、でも……軍に歯向かうのは………」

一応正論を述べてみるマリュー・ラミアス(26)。

(よく言った!!!!)

と、皆(AAとZAFT)が心の中でエールを贈った、というのは、言わずと知れた事実である。






「あれ、言い訳ですか?

「キラ……お前、また一段と黒くなっただろ。」

「アスラン程じゃないとおもうんだけど?」


あははv


と、キラは笑う。笑っている。……その後ろに黒いモヤ何か見えるのは目の錯覚か?



「わ、わかったわ……『ZAFT』へ…行きます。」

彼の剣幕にやられたのか、はたまた、辺りに蠢く不穏な空気に居たくない為か…マリュー・ラミアスは、決断を下した。




「……だってさ、アスランv」

「よかったね、キラvv」

周囲が、やっと平和(?)になったと一安心した。
……………のに、その平和を壊す者が一人。


「おい、待てそこの腹黒カップル。」


くるぅり……。。。

ゆっくりと振り返るストライクとイージスキラとアスランに、何やら妖気なるものがにじみ出ていた。
だが、それに気づいていない者が、一人。

「何かな、ストーカーさんv

「大方、俺とキラの逢瀬を妬いているんだろう。寂しい奴だから。」




そうじゃないだろーーーー!!!!





イザークの叫びに、辺りはしばしの沈黙を得る。

(よく言った!!!)
(ああ、俺達の言いたい事を代弁してくれたのはいいけど…どうなるんだよ!!)
(お前バカだろ?!っつーかわかってないっっ!!!
(なんってこと言うんだお前ーーー!!!苦労するのは俺らなんだぞーーーーー!?!!!)


もっとも、人々の叫びは、上のようなものであるが。



「……何で?(ニッコリ。)」

「ここは戦場で、遊び場ではない!!!」

……もっともな事である。
二人には通じはしないが。


「そうだよ?だって、ここは今、僕達のデート場所だもんvv」
「当たり前じゃないか。俺とキラのデートスポッドなんだから。」


………違う。何かが違う。
というか間違ってる


「それも違ーーーーーう!!!!」


「じゃあ、何なのさ。」

ぷくっ。とキラが頬を膨らませる。
……それだけ見ていると、愛らしい限りなのだが。

「キラ、膨れちゃダメだって。折角の可愛い顔が台無しだぞ?」

「え〜…だって〜〜。アスラン、このヒトヤっちゃっていい?」

ヤるだって?」

「あ、間違っちゃった〜vvヤる殺るの♪」

「ははは、キラは相変わらずおっちょこちょいだな☆」

「えへへ〜、つい間違えちゃったよvほら、アスランがよく言ってたじゃない?」


『あはは、こいつぅ〜〜♪』

と、言わんばかりの会話であるが、実際は、黒いモノがこの二人の機体からにじみ出ている。
……そして、MSで小突き合ってる(じゃれあってるらしい。)
いや、、MSでイチャイチャされても……。。。


「え?俺、そんな事言ったかな?」

「言ったよ。…アスラン、まさか浮気してないよね?」

「キラ、それは俺のセリフだぞ。」

何言ってんの?トリィに細工して盗撮・盗聴してたくせに。」

「う〜ん…トリィでも、目の行き届かない事があるからね。」

“確認だよv”と言ってニッコリ笑うアスラン。
キラは、盗撮・盗聴されて怒ってる…という訳ではないが、不満そうな顔をしていた。(寧ろ怒れよ!)


しかも、浮気も何も無いだろう。。
というか、盗撮・盗聴されてそのままにすんなよ


「僕?僕はねぇ〜……♪」

ちら、とアークエンジェルの方を見るキラ。
その中でぎくりとする男が約1名。(もしかすると、もっと…)


「大丈夫v返り討ちにしてやったから♪♪」

返り討ち……。。
その言葉を聞いて、アークエンジェルクルーの冷ややかな(もしくは哀れむような)視線は、ある男に集まる。


「ち、違うって!張り倒されて脅されただけだって!!!」

あわてて弁解するムウ・ラ・フ○ガ、(28)。
たった齢16歳の若造(コーディネイターだけど)に脅されるとは、哀れ極まりない。


「………ってこと。でアスランは?」

…結局、最初に戻る。
そこでアスランは、少し詰まる。やましい事でもあるのだろうか?


「……………………。」

「どうしたのさ、アスラン。その哀愁漂う顔もそそるいいんだけど、質問に答えて欲しいなvv

「……………………。」

急に何も言わなくなったアスラン。
おいおい、さっきの勢いはどうした。

「フン、答えられないだろう。」

急にイザークの声が乱入してきて、キラの機嫌は一気に下がった。

?」

「そいつはな……俺がヤッた。」

一瞬、シンとなる。


「……何だって?」

「アイツは、自分で求めてきたぞ?」

嬉しそうに…というか、優越感に浸りまくりながら堂々と言うイザーク。だが、今の言葉は嘘である。本当は……

(無理やり組み敷いて、ヤッた。)―Byイザーク。

それに対してキラは、段々俯いてゆく。
……やはり、怒っているのか……それとも、悲しいのか。

アスラン……後で覚悟しておいてね。」

「ぅう゛……すまない、キラ…。。俺は、弱かったようだ…。。。(これなら赦してくれるだろう?)」

でも赦さないからね。(そんなんで騙されるほど僕は甘くないよ?)」

チッ。。
「聞こえてるからね?(ニッコリv)」

アスランの舌打ちにすぐさま返事をかえすキラ。
あれは悪魔の微笑みだ、と誰かが呟いた。(が、見えない何かに一蹴された。)


「でもさ…お礼はしなくちゃいけないよね〜?」

キラの笑顔が、ニヤリ、としたモノに変わる。
さながら、ディアッカのように狡猾な笑みだ。

「アスラン、僕、やっちゃってもいいよね?」

「ああ。………一応、殺すなよ。あんなんでも仲間?なんだし。キラも、これから仲間になるんだから。」

イザークに対するせめてもの感謝か、アスランがそう付け加える。
仲間?…と、疑問系なのはやはりアスランらしいが。

「了解♪」

ニコッv

可愛らしく微笑んだ後キラは、イザークへの攻撃を開始した。

「アスランをキズモノにした罪は重いからね☆」

と、悪魔の笑みを残して。







その後のイザークは……


「痛い、痛い痛い痛いぃーーーーッ!!!」

と、ヒビの入ったヘルメットを押さえて、その端正な顔を歪めていたそうだ。
そして、アニメ本編のような傷跡が残る事となる。

所変わって、現在地はヴェサリウス。
マリュー・ラミアス、ナタル・バジルール、ムウ・ラ・フラガとキラ・ヤマトは、足つき代表、という事でこちらに来ていた。
対してZAFT側は、ラウ・ル・クルーゼ、アデス、イザークを除くクルーゼ隊メンバー。
そして、一通り挨拶と自己紹介をした(マメだなぁ…)後。。



「アスラン、仇は討ったからね!」

「ありがとう、キラ。」

「さーて、これで堂々とZAFTに行けるね♪」

「そうだな。」

いや、『堂々と』って無理だろう…。。
しかもアスラン頷いてるし!!頷くなよ、そこで!!!


「アスラン、その件だが…………」

何か?クルーゼ隊長。」

「いや、、足つきは、これから君と、キラ君…だったかな?」

「はい、僕はキラ・ヤマトです。初めましてvこれからお世話になります♪」

「足つきは、君とアスランに任せる、との事だ。。」

「はっ。ありがとうございます。」

敬礼するアスラン。
………全部知ってただろ、お前。

「私たちはどうなるんだ。」

「キラ・ヤマト君に従ってもらうほか仕方あるまい。嫌なら艦を降りるか、プラントにでも住む場所を提供しよう。」

ナタルの言葉に随分と優しい言葉をかけるクルーゼ。
……それを見てクルーゼ隊メンバー、アデス、フラガは驚きの表情を見せた。


「…………部下に恵まれないのは私も一緒だ。」
「!…………よく存じております。。。貴方も御心労が絶えないようで…。」
「ああ。。おかげですっかり胃を壊してしまってね。」
「私もです。。。」
「よければ後でよく効く胃薬を差し上げよう。」
「…お心遣い、痛み入ります。。」


と、上記の会話がこっそり交わされていた事に、アスランとキラは気づいていたが黙っておいた。
…指揮官同士を仲良くさせる為に。


「皆が無事なら、私はそれでも構いません。」

「ま・それでもいいんじゃない?」

いたって気にしない(元?)地球軍大尉二人は置いといて。。





「Σああ!!…キラ、これは何だい?

「え?どれどれ??」

「…………………ニコル、鏡を見せてやってくれ。」

「いいですよ。……はい♪」

ニコルが、どこからか両手の大きさ位の長方形ミラーを出して、キラに渡した。


「ありがとう♪………え。。な、なな何で!!!?」

制服の襟元からほんの少し覗いていた紅い痕。(制服の襟をめくるとまださらにあった。)
それの意味するものは、ただ一つ。

「何で、キスマークなんてつけてるのキラ?」

ニッコリvv

(何も知らない人から見たら)素晴らしいくらいに美しい笑顔も、キラには恐怖である。
いや、AAクルーと(ニコルを覗く)ZAFT諸君も怖がっていたが。

「え、ええと……ι」

どうして答えられないの?

「た、多分大尉辺りにやられ……Σうわっ!!」

もじもじ…とアスランを窺い見るようにしながら言ったキラを、問答無用で横抱きにするアスラン。
……かなり怒っているらしい。自分の事は棚に上げて。

「今日は、お仕置きだから。」

「ええ!?や〜〜だ〜〜っ!!」

じたばたと暴れるキラをアスランはもろともせず、アスランは飄々としている。

「そーゆー事ですので、俺達は先に下がらせてもらいます。」

ニッコリvと微笑んでそのまま部屋を出て行くアスラン(とキラ)。
後に残された者は、これからの事を真剣に話し合ったと言う。。








―――オマケ。


「ムウさんっ!!俺のキラにちょっかい出さないで下さい!!」(アスラン)

「ちょっとイザーク!!僕のアスランに手を出さないでよね!?」(キラ)

「キラさん、アスラン♪お茶にしませんか?」(ニコル)

「イザーク!!私の相手もしなさいよね!」(フレイ)

「クルーゼ隊長、、私は、やはりもうダメです…(胃がι)。。」(ナタル)

………と、いうような会話(それぞれ一部抜粋)がAAやらヴェサリウスやらガモフで見られたとか。
どうでもいいけど、戦争はどうした




END









あとがき。

はい、大分遅れました。。。
同じ管理人の遊ちゃんのリク、「アスキラアス」です。
ごめんなさい、、ちゃんとなってないかもしれません;;
アスキラよりかも。。
何か、書いてるうちに楽しくなって、最初に考えたものと随分違う……ι
大分壊れてます。激しくギャグです……;;;

えっと、場面を書き忘れたので、ここに書いておきますね。
キラ達がアルテミスに向かった後、ガモフがAAを追った辺りです。(アルテミス未到着)
ちなみに、アスランが居るのは、アスランがクルーゼ隊長を脅して説得して無理やりAAを追ってきたんです(笑)。

嗚呼……お花畑が見えます++(逝っとけ。)
テスト前に何やってんでしょうかね。。(遠い目)

キリリク、ありがとうございましたv
遊ちゃんも頑張って下さいな♪(色々大変そうだけど)
テストがあけたら、一気に書きますね。
それでは、また……………。。。

2003.11.30