月の行事といえば、ただ一つ






戦争が停戦になって、もう数年・・・・・。

キラは、プラントにあるアスランの家で暮らし、平穏な日々(?)を過ごしていた。

そんな2月のある日・・・・・・。

「キラーー!!」

「買Jガリ!!久しぶり!・・・っうわあ!」

出会い頭にキラに飛びつくカガリ。・・・・・そしてそのまま押し倒し(笑)。

「・・・・いたた・・・・;」

「狽!す・すまない!!」

「・・・まあ、久しぶりに会ったんだし、、いいけどさ。」

「ありがとな、キラ!くぅ〜〜・・・!やっぱりキラは、私の可愛い弟だ!!」

「僕がお兄さんなんだってば!」

「こーんな可愛い兄がいてたまるか(笑)!」

「むーー。。・・・それで、カガリは何しに来たのさー?(`□´)/」

「悪い悪いっ!今日はだな・・・・・・・」

「あれ・・・・・・・・カガリ?・・・・・キラと、・・・玄関先で何しているんだ?」


〜現在の状況:

カガリがキラの両手を握ってキラと向かい合っている。

アスラン・ザラ宅、玄関で!!


「!よ、久しぶりだな、アスラン!!」

「アスラン・・・(微笑)。」

にかっと笑いかけるカガリと、見てる方がホッとする微笑のキラ。

この二人が双子なのだから、びっくりだ(何が)。


「・・・で、だな、アスラン。久々に会ったことだし、

キラ貸してくれvv


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」」

見事にハモったアスランとキラ。さっすが両思・・・・


借りてくからな!

・・・・・・・・ついでに、キッチン一つ借りるからな!!!」

「え、お・おいっ!!」

あたふたしているアスランを放っておいて、キラを引きずって引き連れて、ザラ宅キッチンその1へとスタスタ歩いていくカガリ。
はっきり言って、カガリにアスランの許可を取る事など、毛頭に無い
取り残されたアスランは、とりあえずキラとカガリの後を追った。・・・・・が、追い返された(爆)。

キッチンの入り口のドアには、


アスラン立ち入り禁止!!!近寄るな!!!!


と、張り紙がしてある上に、


『ハロ、ハロ!』

『テヤンディッ!!』

『トリィ!・・・トリィ?』

『アスラン、アスラン!!!』

『トリィッ!!』

何故か居る、ブラックハロブラックトリィ(アスラン宅専用、セキュリティシステム。←・・・というのは建前で、本当はアスランとキラの至福の時・防衛システム)。

(・・・・・・・何で、ここに居るんだ;!?というか、ここ、俺のウチじゃなかったっけ・・・・;?)

嗚呼、哀れ(?)アスラン、キラから隔離されてしまった!(笑/いごとではない/※本人にとっては。)

(キラ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(;_;))

アスラン、再びキラと離れ離れの生活(いや、同じ家にはいるけど)である。





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一方、カガリとキラは・・・・・・・・・。



「さあ〜ってと!準備出来たぞー!!」

「?何する気なの、カガリ?」

「それはだな・・・・・・・あ!」

「???」

「すまない、キラ・・・・・・ちょっとここで待っててくれ!!!」

「え?え?え???」

(ワケがわからない)キラを置いて、キッチンの外へと飛び出すカガリ。・・・・一体、どこへ行く気なのか?



・・・・・・・・・・数分後。




「待たせたな、キラ!」

「もー。一体どうしたのさ、カガリ〜・・・・あれ?」

数分後にキッチンに入って来たカガリに、頬を膨らませて抗議するキラ。

が、カガリの後ろにまだ人が居ることに気付いた。

「こんにちわ、キラ。お久しぶりですわね(にこ)。」

『ハロハロ。ゲンキカ〜?』

ピンクの妖精、またはピンクの化身(何/言い過ぎ)のラクス・クライン嬢・・・とハロである。
いつもその顔には微笑みを絶やさない、腹黒い・・・・読めない少女である。

「こちらは、私の家のアリスさんですわ(ニコニコ)。」

「どうも。いつも、家のお姫様がお世話になってます。」

後ろには、何やら大きな籠を持ったメイドらしき人がいた。・・・クライン邸のメイドで、ラクス付きの人らしい。(スーツCD3参照)

「あ、こ、こんにちわ!」

慌てて頭を下げるキラ。・・・・・に、思わず笑みが零れる女3人。

「さて、人も揃ったことだし!」

「始めますか。」

顔を見合わせて何やら思わせぶりな発言をするカガリとラクスに、キラは首をかしげながらも、あえてツッコミを入れることは無かった・・・。




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「これでいいの??」

「・・・・・そうですわ、そうやってゆっくりかき混ぜて・・・・・・・」

「ラクス、これはこうでいいのか?」

「はい!カガリさんは・・・・そうですわね、コレを使ったらどうですか?」

「・・・・(クスッ。)いいかもしれない。ありがとな、ラクス!」

「どういたしまして、ですわ(ニッコリ)。」

エプロン姿での、微笑ましい姿と会話。
キラは、一心不乱に打ち込んでいて、二人の会話を聞いちゃいないが。

「・・・・・・・・・出来た!!」
「・・・・・・・・・出来たぞ!!」

「あらあら、二人同時ですか?(笑)」

「え、カガリも!?」
「同時かよ!?」

「仲がよろしいことですわね。・・・・じゃあ、型に入れて冷やしましょうね(ニッコリ)。」

ニコニコと微笑みながら、上手く取りまとめるラクス。
キラとカガリは、それに笑顔で答える。

「うん!」
「ああ!」

・・・・もちろん、二人同時だったりする(お約束)。


さて、エプロン姿のラクスとカガリは、作ったモノが完成するまで、キラに一言、レクチャーする気でした。
・・・・・一体、この後の出来事を、誰が予測できたでしょう?
大体お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが。


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「はぁ〜〜・・・・。キラ・・・・・・(涙)。」

まだ泣き言を言ってるアスラン。
あれから(トボトボと部屋に帰ってから)、急にラクスが訪ねてきて・・・・・


〜〜回想〜〜

『は?会う約束なんてなかったぞ?』

『でも、来ていらっしゃるんですけど・・・どうします?お通ししますか?』

『・・・・・・・・でも・・・・彼女が来たら、また何が起こるか・・・・・・・』

『あら?“彼女”って、どなたの事ですの?』

『ら、ラクス!?』

アスランがメイドと階段で話していたら、階下からラクス嬢、登場。

『こんにちわ、アスラン。久しぶりですわね(ニッコリ)。』

『きょっ今日はっっ・・・・何か御用ですか?』

これまで邪魔されてきた数々の出来事+彼女に排除されてきた過去もあって、
かなりラクスを危険視しているアスラン。・・・・に対して、ラクスは微笑みを崩さず、

『あらあら、私はいつも、貴方に用はありませんわ(ニコv)

さり気に酷い。いや、ここはアスランの家なのだから、アスランに用がないのなら・・・・エモノ(!?)はキラか。
そこに駆け込むカガリ。

『・・・・狽!!もう来てたのか!』

『こんにちわ、カガリさん。』

カガリとラクスは、勝手知ったる風に、

『じゃ、またなアスラン!』
『またですわ、アスラン。』

と言ってキッチンに去っていった。(回想終了)



「まったく、カガリもラクスも・・・・・・・一体、何だっていうんだ?急に押しかけてきてキラを拉致して・・・・・」

ブツクサ言いながら、手は動かしてるアスラン。さすが元最高評議会議長の息子!アカデミーの主席!である(関係ねぇ)。

『・・・・アスラーン!』

(ラクス・・・・?何の用だろう?・・・・・・・・いや、きっと大した事じゃないに違いない!!)

無視を決め込むアスラン。

『おい、アスラン!!!』

(今度はカガリか?・・・・・・何の用だろう?・・・・・・・・でもラクスがいるし・・・。いや、むしろ彼女の罠か?)

考え込んで、全く返事を返してないアスラン。(※少しは返す気があったと思われる。)
これまた先程と同じ状態なので、


『アスラン!ちょっと降りてきて・・・くれない?』

バン!!!!!(注:(自動)ドアを開けた音)

「キラーーーーーーーーー!!」

一目散に階下へと走り出すアスラン。
さすがへタレ!(誉めてない・・・)

階段の下、大きなホールの真ん中で、キラは円筒型の箱を持って、ニッコリとアスランに笑いかけている!

(嗚呼・・・・やっと俺の元へ帰ってくる気になったんだね、キラ!!)

「キラ・・・++」

「アスラン・・・・・・・・出てってーーーーーー!!(>▽<)」

ビシッ!!!!バシ!

「痛っ!イテテ・・・・!・・・・・・き、キラ・・・・?;;」

「アスラン、家から出ていって!!!・・・・・・・出てって(>▽<)vv」

「いや、それワケわかんないから!!!(汗)」

ぶつけられたモノを見るアスラン。

(・・・・・これ、ハロ・・・・・?いや、でも・・・・チョコ、だよな?ι)

真っ黒いチョコレート。しかも、よく見るとハロの顔がある。・・・・・・が、小さい。

(そして石のように硬い!!何だ?これは一体何だって言うんだ!?)

笑顔で『出てってv』なんて、今までどんなに怒ったってキラはそんなことを言わない。
・・・・・・・・アスラン、お前一体何をしたんだ?

「俺が一体、何をしたっていうんだ!!?」

・・・・・・・・そして、結局外に出ている(↑)。
やはりキラ馬鹿なアスラン。

「え〜、色々ヤッてるだろ?なぁ、ラクス♪?」

「はい、その通りですわ♪」

玄関から顔を出すカガリとラクス。
・・・・・・いつの間に・・・・・・。

「(狽、っ;)・・・・・・・そ、それとこれと、どう関係あるんだ?」

「(くすっ)認めましたわね。」

「認めたな。」

認めた!?っていうかアスラン、お前本当に何してるんだ!!!!
というか、意味深な笑みを零すこの二人・・・・実は黒か!!?(最初からだって)







チッ。うるさいな・・・・。だから何なんだ!!?



















「節分だよ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

「2月14日は、『節分』っていう日なんだって。」

ひょっこり現れたキラは、やっぱり満面の笑顔で、情けない・・・というか間の抜けた顔をしてしまったアスラン。
ってかキラ・・・・・・それは違うだろう・・・・ι
2月14日は・・・・・



『2月14日って・・・・・・・バレンタイン、だろう?だから、『血のバレンタイン』って名前がついたんだし。』


と思うアスランだったが、



「でねー♪」

と、(キラに)笑顔で言われると、言えなくなってしまった。

「その日は・・・・・・・・・・・・・・・・その・・・・・好きな人に、チョコレートをぶつける日なんだって・・・・・聞いたカラ・・・・////」

チョコレート、までは合ってたのに。
※バレンタインはそんなイベントではない。

(こ、こんなことキラに吹き込むのは・・・・・)

ギギィ・・・と音がしそうな程スローで、アスランは彼女を見た。

「あら?(ウソ)教えちゃ駄目でしたの?(にっこり)」

「(・・・・・・やっぱり、このヒトか・・・・・;)」

「え?え??駄目だったの???だって、アスランのこと好きなら、思いっきり投げつけろ・・・・・って。」

「・・・・・・・キラ〜〜〜〜〜。。」

どうやらキラは、親しい人なら何でも信じ込むクセがあるらしい・・・・。
ガクッと落ち込むアスラン。いや、そこじゃなくて別のところに気付こうよ・・・・。


「あとは、『鬼を払う』日なんだって。」

「お前、鬼(鬼畜)だろ?」

「違う!!!(怒)」

「だぁってキラ(とラクス)から聞く限りじゃ十分鬼畜だったぞ?」

「なっ・・・・・/////」

赤くなって固まるアスラン。一体アスランに何が起こったのか!?

「あーあ。・・・・何も言わなくなっちまったな。キラ、本当のイベントの内容教えてやるよ。」

「狽ヲえ!?今までのウソだったの!??」

「そう言うなって・・・・・ちょっとは合ってたんだぞ?・・・・・・で、だな・・・・」







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「ア・ス・ランv」

「!!・・・・・・キラ・・・・」

「あのさ、・・・・・・これ、バレンタインのプレゼント。」

「え!?・・・・・あ・ありがとう・・・・・・。」

「今日さ、色々あったけど・・・・・・・楽しかったよね。」

「・・・・・・・・・。」

「ラクス達、さ・・・・・・。僕とアスランが悲しくならないように、って今日来たんだよ?
戦争の、始まりの日の、今日・・・・・・・・・・・。」

血のバレンタイン。あの出来事がなければ、戦争は起こらなかったかもしれない。
キラもアスランも、辛い思いをして、互いに敵同士になったり・・・・共闘することもなかったかもしれない。

「悲しい日を、楽しくしようとしてたんだよ。・・・・・・・・・・アスラン、まだ・・・・怒ってる?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・怒ってる。」

そっぽを向くアスラン。
大人気ない・・・・・・・・・。いや、キラの方が年上か・・・(数ヶ月の差だけど)。

「・・・・・・チョコぶつけちゃったのは悪かったよ;!一番好きな人に投げつけろって言われたんだもん!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「ねえアスラン!!!機嫌直してよっ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・キラ、俺は、ほんとに嫌われたかと思ったんだぞ?」

「・・・・・そんなこと、絶対ありえないのに。」

「絶対?どうしてだ?」

「それは・・・・・・っ!」

「・・・・・・・・・・・・それは?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかんない・・・・。でも、僕はずっとアスランが好き!愛してるのはアスラン・ザラ、君だけだよ!!!!」

「・・・・・・・・ありがとな、キラ。・・・・俺は、宇宙全てのヤツを敵に回したって、キラしか愛さないよ。」

フッ・・・・と優しく微笑むアスラン。
そして、キラの方に向き直り、キラを壊れやすいモノのように大事に大事に、抱きしめた。


「・・・・・・・・・・・・・つい、本音言っちゃっただけだもん///////」

「あはは、何ソレ。・・・・・・・・・・でも、本音は本音だろ?」

「・・・・・・・・・・・・もうっ/////・・・・・アスランには、敵わないよ、ホントに(苦笑)。」

「俺だって、キラには敵わないぞ?俺の弱点は『キラ』なんだからな。」

「僕だってアスランが僕の弱点なんだよ?」


どちらが最初かわからない。
二人、顔を見詰め合って、そのまま笑い出した。


「「あははははははははは!!!」」





   ―――僕達は生きてる。
   でも、悲しむために生きてるんじゃない。
   楽しいことばっかりじゃないけれど、
   悲しみを背負い、苦しみの傷を負って、
   それでも生きてる。
   だから、楽しいことから始めよう?
   悲しみの日を、楽しい日へと変えて・・・・・―――。





2月14日。それは、全ての始まりの日であった・・・・・・・・・・・・・・・。










END...?





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




あとがき。




ごめんなさい・・・・。気付けば、もう2月も末・・・・(涙);
バレンタインじゃないじゃんっ!!!
と言われても仕方ないです;;
戦争終わっても、やっぱりバカップルで居て欲しいんです、暦は。。(勝手だな、オイ。)

設定としては、キラはアスランの家に住んでいて、同棲してます。・・・・アスランが手放したくなかったんですよ。地球とプラントじゃ、やっぱりちょっと離れてますしね。
どうせしょっちゅう行き来するんだから・・・・ということでこうなったんでしょう☆
(キラが両親のもとへ、すぐには帰りたくなかったからかもしれませんが。)
カガリは、地球です。でも、親善大使なので、結構プラントに来ます。オーブをこれから引っ張ってくのは彼女ですから。
ラクスは・・・・・・お仕事復帰です。また、以前のように歌手をやっています。戦争についてを語りながら、諸国を周ったりもします。
そして、アスラン。とりあえず、機械工学系の企業を創って働いてる模様。政治については口出ししません。イザーク達に完全に任せたようです。
このあと、アスランはキラお手製のチョコを食べますが、カガリ作のチョコも食べるんです(キラの泣き落としで食べることになるんです/爆)。多分・・・・・病院送りでしょうね++(ぇ/何故;)
一体、彼女は何をチョコに入れたんでしょうか?ご想像におまかせしますvv(オイ・・・)


ではではこの辺で。
読んで下さって、ありがとうございました。
これからも、スローペースですが、書き続けていくので、どうか見捨てないで下さい(泣)。


―――2004.2.21