「だって、僕はコーディネイターだもの。」

――僕は、コーディネイター。それは、ずっと変わらない。
気持ちだって、…変わらない―――。




僕の進む道  





「だからって……お前は、俺達の……仲間、だろう?」

“ザフトに行く”…そう言ったら、
サイはちょっと困惑した顔をした。
…困らせてるのは、僕だけど。


「確かに、仲間だよ。」

ニッコリと笑ってサイに答える。
…皆は、サイ達は仲間。大事な、僕の大事な仲間。

「……でもさ、なのに何で僕は非難されるわけ?
何で“帰ってくるよな?”なんて訊かれるわけ?僕を…信じてくれてないの?」
「そんなことない!!俺達は…キラを信じてる!だって“友達”じゃないか!!」
「ふぅん?じゃあどうして?」
「そ、それはっ………。」

そのまま口篭もるサイ。
…ほら、やっぱりそうじゃないか。

「僕はザフトに行く。ここはオーブだろ?もう安心じゃないか。
……僕だってもう限界だよ。…色々、疲れた。」

「それじゃあ…キラは…………お前は、俺達の敵に、なるのか?」
「そーゆーこと。」
「………そん、な………。何で友達の俺達が戦わなきゃいけないんだ!?」

うん。それもそうだね。
…だけど。

「…それを僕に強要したのは、君達でしょ?」
「………!!」
「僕とアスラン……イージスのパイロットが友達同士だって事、知ってたんでしょ?」
「そんなの、最初は知らなかった!…第一、お前だけ戦わせるわけにはいかないから、俺達だって軍人に…!!」

――そんなの、ただのキレイごとじゃナイカ。――

サイの真剣な叫びを、僕は鼻で笑った。

「はっ!…そんなの、言い訳でしかないよ。ただの、き・れ・い・ご・と!
僕だけを戦わせるわけにはいかなかった?だったら、もともと戦わせなかったらいいじゃない。それか、MS乗るの代わってくれたっていいじゃないか。」
「っ乗れるわけ無いだろ!?お前がカスタマイズしまくってんだぞ?…戦えるのは、お前だけだったんだ。アレに乗って…戦えるのは。」
「……結局、僕しか乗れないんだろ?僕しか、ストライクを動かせられない。
僕しか、艦を守れない。…君達を守る為だけに戦ってきた。アスランとだって戦った。僕は僕なりに、必死で艦を守ろうとした。
もう、自由になったっていいじゃないか。皆、もう大丈夫なんだから、僕が居なくったっていいじゃないか。
僕はもう疲れた。だから………楽になったっていいでしょ?
…………なのに、何で僕が責められるの?何で僕に拒否権がないの?ねえ、どうして?」
「……………それは、フレイの…事か?」
「う〜ん…それもあるね。…ふふっ……馬鹿だね、フレイは。僕は……ほんの遊び、…だったのにね。」
「ッお前!!!」

がっ!!

サイが胸倉をつかんでくる。
僕はただ顔を伏せていた。

「僕はずっとフレイに憧れてた。…好き、だった。明るくて皆に愛されてる彼女の事が。
そんな彼女が…華奢な女の子なのに…MSに乗って戦うなんて…そんなの、駄目だ。彼女にそんな辛い目に遭って欲しくない。…それなら、僕が乗る。
……皆降りると思ってたのに…。皆を戦わせて僕だけ降りると思った?僕だけ、皆をほっといて安全な場所に逃げられるわけないじゃないか!!
…友達だったら、そんな事くらい判ってよ…。そんな事がわからない程、僕らの友情は浅くなかった筈だよ。そしたら……だんだん、“皆を守る”事が重荷になってきた。
精神的にも大分参ってた頃にフレイは……ズタボロで、傷ついた僕を…“守る”って言ったんだ。慈愛に満ちたやさしい微笑みで僕を包んでくれて…何もかも、僕に捧げてくれた。なのに!
それが……全ては、僕を苦しめて苦しめて、殺す為だったなんて!!!!」

叫ぶ時、僕は顔をあげた。
…自然と、涙が流れていた。

「え…?」

サイは、驚いて僕をつかんでいた手を離す。
楽になった僕は、未だに来ている地球軍の軍服をキレイに正す。
そしてまた、静かに言葉を紡ぐ。


「僕を苦しめて、同朋を沢山殺させて、…最後に僕をフるつもりだったんだろーね。それで僕を“壊す”つもりだったみたい。
…でも、お生憎様。僕は気づいたよ。途中から…だけどね。サイには悪いと思ったけど…演技でも、彼女を騙す為には必要だったんだ。」

「……砂漠での、事か?」

「うん。…ごめんね、突き飛ばしちゃったりして。」

「…………いや、俺こそ…ごめん。」

「?どの事??」

「…今までの事、全部。…フレイとか……止められなくてゴメン。」

「それはサイが謝る事じゃないよ。僕の方こそ…ごめん。…………フレイ、これから荒れるだろうけど、“君”が支えてあげてね。
僕が、一時的に…とはいえ彼女に助けられてきた…せめてもの償い。サイがフレイを慰めてあげて。彼女を……また、元のように笑えるようにしてあげて。
…………サイが、彼女を幸せにしてあげるんだ。」

「……わかった。」

「じゃあ、僕はもう行くよ。これ以上アスランを苦しめたくは無いからね。」
「……行く、のか…。」
「アスランは僕を待ってる。きっと、僕以上に苦しんでいる筈だよ。
彼の方が…ずっと、ずっと優しいから。変なところで不器用で、人付き合いは悪いし、あんまり友達もいなさそうだしね(笑)。」
「…キラ、昨日…ご両親には…会ったのか?俺達の所には…居なかったけど。」
「ん?会ったよ。…ウズミ・ナラ・アスハ氏の部屋でね。」
「ウズミ……ってオーブ代表の?」
「前代表、だけどね。…そうだよ。」
「何で?」
「………これで最後だから教えてあげる。……その人が、僕の本当の父さんだからね。」
「ええ!!?」
「…僕も知らなかったけど、…以前、オーブ前代表が母さんと不倫してたらしいんだ。」
「不倫!?」
「うん。…あ、ちょっと違うかな。それで生まれてきたのが僕とカガリ。」
「カガリって…レジスタンスの……?」
「そうだよ。ウズミ夫妻には子供がなかった。…奥さんが子供を産めない体質だったらしい。
僕の母さんを“代理母”にするつもりだったらしいけど、何か不都合があって、僕の母さんとウズミ氏の子供…になっちゃったらしいんだ。
それで、子供が双子だと知ると僕の父さんが……“もう一人を引き取りたい”と言い出したんだ。
双子の二人を引き離すのは可哀相だって周りは反対したよ。けれど、ウズミ氏は許してくれた。まぁ…後継ぎでモメたら嫌だからじゃないかな?母さんは、コーディネイターの子が欲しかったらしいから、その子をコーディネイターにした。
…それで生まれたのが、僕。」
「……………ふ、複雑……(汗)。」
「だよね。僕も昨日は混乱したよ。そーゆー事で、僕とカガリ、双子なんだ。自分でも結構似てると思うんだけど…。似てない?」
「!?…確かに、言われてみれば顔は似てるけど……性格違いすぎ(苦笑)。」
「あはは。確かに違うね〜(笑)。
昨日、ウズミ氏の部屋で話してる母さん達の話を聞いたから僕は知ってるんだけど。カガリはまだ知らないから…。
……複雑すぎるし、カガリには話してない。カガリが僕の姉…だって事、イキナリ知らせても、ね。
…あ、トリィ!!!」

トリィがイキナリどこかに飛んでいく。……彼が、呼んでるのだ。
誰の元へ行ったのか…僕にはもうわかってる。

(アスランの元へ、飛んで行ったんだ……。僕も、行かなくちゃ。)

「ごめん、サイ。そろそろ………。」
「キラ………。」
「そんな悲しそうな顔しないでよ、サイ。辛気臭いの、僕嫌なんだけど(苦笑)。」
「………………それでも、嫌なんだよ!!!お前が敵になるのだけは!!」
「…コーディネイターだから?」
「違う!!友達だからだ!!!」
「…………サイ、それ…偽善にしか聞こえない。」
「ッ!!」

サイが悲しそうな顔をして僕に留まるように言ってくる。…けれど。
僕が、いったん決めた事に対して意思が堅くなるって事……知ってるでしょ?止めたって無駄だって判ってるんでしょ?
ちょっとムカついたから、僕の言葉も自然と冷たくなる。

「サイ………この手、離してくれる?」
「…………………離したら、キラ……行っちゃうだろ?」
「当然。僕はザフトに行く。さっきも言っただろ?物覚え悪いなぁ…。アスランも待ってるし。だから、さ。…この手さっさと離してよ。」

睨んでみたが、サイはちっとも離してくれる気はないらしい。
振り払ってもいいんだけど……それでもすぐにまたつかまれるだろうな。(サイしつこそうだし)
……それなら。

カチャ……。

「離して。じゃないと…撃つよ?」

護身の為に……って誰かさんに貰った拳銃をサイに突きつける。
…利き腕じゃないから、上手く撃てるかどうかわかんないけど。
というか、撃った事無いけど。

「…撃てよ。撃てるもんなら……」

最後までは、しゃべらせなかった。


ドゥンッ!!!!

………ドサッ。


































「……撃てない、とでも思ったの?…………馬鹿なサイ。
今の僕は…もう昔の僕じゃない。君を殺す事くらい……何でもないんだよ?」


くすくす…と、笑みが零れる。



















「………イテテ…。まさか本当に撃つとはな……。ホント、止めたって無駄…なんだな。………変なところで頑固だよな、キラって。」

苦しそうに上体を起こすサイ。

「あ。生きてた。」

「…お前が手加減してくれたおかげで、な。」

「……う〜ん…?手元がくるったかな??利き手じゃないし。」

“もっかい撃とうか?”

と、尋ねると…

「いや、いい(苦笑)。」

即答された。……チッ。
…弾の無駄遣いか。さすがにそれは怒られるよね。





「…それじゃ、今度こそ本当にさよなら、サイ。」
「………………さよなら、キラ。…いつか、平和な時にまた会えるといいな…。」


サイに向かって笑顔で手を振ってトリィを追いかける。
かろうじて、外に出る扉に向かって飛ぶトリィが見て取れた。

……向かう先は大事な大事な親友の元――――。


(やっと、君と一緒になれるよ。また…子供の時みたいに、ずっとずっと、君と一緒……)



―――――――――――――――――――――――――




「トリィ?…おーいトリィ〜。…どこに行ったんだよ……。」

外に出て、きょろきょろと辺りを捜す。
……外に飛んでくとは思ったけど、サイに別れを言ってる内に見失った。

(ちっ。…あんなに長く話してるんじゃなかったよ(怒)。やっぱり殺してくればよかったな…(黒)。)

「トリィ〜〜〜?…あ。」

捜していると、…大事な大事な彼の姿が、柵の向こう側に見えた。

「…………。」

彼は手の甲にトリィを乗せて、ゆっくりと近づいてきた。
僕も、それにならってゆっくり柵に近づいていく。
二人とも、心なしか表情は堅い。

「……………君…の?」


「……アスラン。そんな他人行儀は辞めてくれない?」

「………クス…。ふふふ…それじゃあ、上手くいったらしいね。オメデトウ、キラ。」

「……はぁ……。相変わらず色っぽく笑うよね…アスランは。」

「何それ。ワケわかんないよキラ。」

くすくすくす…。

アスランは笑う。幼い頃の笑みとは違い、大人っぽくなって、かなり艶のある笑みだ。
…………どうしてこうも僕とは違うかな。
しかも、絶対わかってて笑ってるんだよね、コレ。……アスラン、暫くみない内にまた性格悪くなってきてるな…。


「……キラーーーー!!!」
「「!!」」

遠くから、カガリの呼ぶ声がする。

「……やば。アスラン、そこどいて!!邪魔!!!!」

僕の声の通り、アスランはちょっと脇に逸れた。
それを確認してから、僕は金網の柵に足を掛け、一気に柵を飛び越えた。

ヒュンッ!

一瞬、体が浮く……と、同時に落ちる。……急に飛び出てきたアスランに向かって……。

「はぁ!?ちょ、アスランどいてよっ!!?」

……が、ニッコリ笑ったアスランに、完璧に無視された。




―――結果。

「………アスラン?(怒)」
「何かな、キラ。」
「降ろして。」
「やだ(即答)。」
「……僕、子供じゃないし女の子でもないんだけど?」
「並みの女の子より可愛い顔してるクセに。」
「………本気で怒るよ、アスラン。」

ガチャ…。

アスランのこめかみに向かって銃をつきつける。
…さっきサイを撃った所為か、ソレはまだ白煙を吐いて、熱を持っていた。


「怖っ。それじゃあ、撃たれない内に降ろすよ(ニッコリv)。
大体、誰がそんな危ない物キラに持たせたんだろうね。危ないったらありゃしない。」

それでやっと、僕は地面に降り立った(全然怖くなんか無いくせに…)。
第一、コレ(拳銃)くれたのアスランでしょ?何、もう忘れ(ボケ)たの?ったくエースパイロットの名が聞いて呆れるよ。
(まったくもう(怒)!!)

今まで僕はアスランに横抱き…世に言う、“お姫様抱っこ”なるものをされていた。
あれ、結構しんどいんだよね。やる方もやられる方も。
それで肩をコキコキ鳴らしてほぐしてみてから、…周りの状態に気がついた。

「…お前…ら……。」
「……あ、カガリ…。………しまった、忘れてた。」
「!!お前……。」
「何アスラン。カガリの事知ってるの?」
「「…………………。」」

カガリとアスランがお互い顔を逸らして黙る。しかも、顔が真剣だ。あっやし〜〜(怪しい)。
僕にはワケわかんないけど、なんかあるんだね。駄目じゃないかアスラン。ラクスっていう婚約者がいるんでしょ?カガリに手を出したら(僕と)彼女に殺されちゃうよ?
……本当は(二人の関係を)暴きたいんだけど。時間がないから…。

「アスラン、そろそろ行かないと。バレて捕まるの嫌だよ。
……僕も逃げてきた訳だし。」
「…ああ、そうだね。」
「!?……ま、待て!!」

「「??」」

「…私も連れてけ!!!」

「……でも…足手纏いじゃないか?…なぁ、キラ。」
「うん、すっごく邪魔v(即答)。……それよりも、カガリ…オーブのお姫様でしょ?駄目じゃん。そんな事言っちゃ。」
「その呼び名は止めろ!!!…いいんだ。お前が…心配なんだ。なんか…不安なんだよ。」
「…………どうする、キラ?」

さっと髪をかきあげて、少し困った(←建前だよ。本当はこの状況楽しんでるよアスランは。)顔をするアスラン。
……実は全部知ってるんじゃ?…何か、いっつもアスランに見透かされてるようで…悔しい。
………わかって聞いてくるんだよねアスランって。僕が断わる訳ないことばっかり。


「(…断われるわけないじゃないか。。)…………カガリが行きたいんなら…一緒に来る?」

「!……行く!!お前が行く所なら…ついて行く!!
お前危なっかしいからな。…私が守ってやる。」

「「……ふふ、あははははっ!!」」

急にパッと表情を変えて飛びついてくるような様はまるで犬みたいで、
その様子が可笑しくて、僕とアスランは顔を見合わせて笑ってしまった。

「な、何が可笑しい!?///」

「……何でもない。…ね、キラ。」
「……っくく…何でもないよ。…それより。カガリ、この柵登れる?」

アスランは(カガリの事を)笑ってないけど、…にっこり微笑んでる。…こーゆー時、アスランは心の中で笑ってるんだぞ。見かけに騙されてるよカガリ!!
……何で僕だけ怒られるんだよ。アスラン……後で覚えてろよ(怒)。

「ああ、登れる。」

「…それじゃ、はやく登ってこっちに…」
「カガリ様ーーー?」

…女の人の声がした。
……確か、アストレイの開発関係の人だった…筈。

「げ。こっち向かってくる。カガリ、急いで!!」

「急いでいる!!(焦)」

ガショ…ガショ……!!

焦って登ってはいるが、カガリはまだ、やっと柵の頂上に着いた所だ。


「カガリ、そっから飛び降りて!」
「は!?」
「僕とアスランで受け止めるから!早く!!!」
「…〜〜〜〜!!!」

何かを言おうとしたみたいだが、迫り来る追っ手を顧みて、さっと飛んだ。




……………ドサッ。


「……アスラン、ナイスキャッチ☆」
「………キラ。何で俺だけに任す?」
「……アスラン、そーゆーの得意…ていうか好きでしょ?」
「…………好きとかそーゆーわけじゃ……」

「…いいかげんに降ろせ!!!!/////

……現在の状況:

アスランがカガリを受け止め、(またもやお得意のお姫様抱っこで)カガリを抱いたまま走っている。
…で、僕はその横を走ってる。※話しながら。


「忘れてた。…アスラン、降ろしてあげて。」

「あぁ。…よっと。」

「………ふぅ…。肩こったな…。」

と、カガリは走りながら肩をコキコキ鳴らしてほぐしている。
…僕とおんなじ行動してる。

「…お前達、何でそんなに似てるんだろうな…(笑)。」
「…………そりゃ双子だからね。」
「「え!?」」
「……あ。言っちゃった。……ま、いいや。
ところでアスラン、車ないの?く・る・ま!僕らは走ってもいいんだけど、カガリもいるじゃない?逃げ足遅くなるじゃん。カガリはナチュラルなんだよ?」
「え…っと……(混乱中)。………車はある。ちょっと待ってくれ。さっきの所にほって来た。
……もしもしニコルか?…ああ。確認はした。…さっきの所から北に1kmだ。すぐに来てくれ。…ああ。了解した。
……………その辺に隠れとけってさ。すぐに来る。」
「ん。わかった。」

路地に隠れて、その途端、ズイッ。とカガリが僕らの間に割り込んでくる。

「………で?キラ。さっきの事…説明してもらおうか。」
「……え〜っと……実は…(中略)………で、僕とカガリは双子なんだよ。カガリが姉。」

“わかった?”とカガリに訊く。…けど、カガリは眉をひそめて困惑した顔をしていた。

「……………ややこしい……(困)。」
「ま、そりゃそうだけど…。」
「キラの姉?…どっちかって言うとキラの方が上に見えるけど……。」
「…貴ッ様ぁ〜…!それはどーゆー意味だ!?(怒)」
「………あ、車来た。」
話を逸らすなーーー!!!!!(激怒)
「はいはいはい。喧嘩はまた後でいくらでも出来るから。…アスラン。さっさと逃げよう。」

まだまだ叫び足りないらしいカガリを何とか黙らせて(だってみつかったらヤバイし)、アスランに話し掛ける。

「…あぁ。ほら、向こうだ。」
「あ、何か沢山人が乗ってる。」
「……ニコル…しくじったな…。あいつらは捨てて来いと言ったのに……」
「!?捨ててってお前っ……仲間じゃないのか!?」
「…ん?俺何か変な事言ったか?」
「ううん。全然。」

邪魔なものは捨ててこいって(ケータイ中に)小声で言ってたの、僕は聞こえたけど…カガリには聞こえなかったらしい。
…あれを聞き取る僕も僕かと思うケドね。

「……お前ら……(呆)。」

がっくりと肩を落とすカガリ。
何なんだよ、一体。
邪魔なものを邪魔って言って何が悪いのさ。


「アスラーーン!…捜しましたよ〜。急にどっか走って行っちゃうんですから……。」
「すまない。」
「…しっかりして下さいよ〜隊長(笑)?」
「また“隊長探し”が任務かと思ったぞ。あっはっはっはっは!!」

心配してる…といった顔をしている亜麻色の髪の可愛らしい少年。
嘲笑の意味を込めて笑う銀髪の人と褐色の肌の人。
……アスランを苛めてるの?っていうか笑いものにしてる?…………そんなの、許さない

「ちょっと…そこの野蛮人さんとオカッパさん。…何アスランにムカつく事ほざいてんの?(にっこりv)」
「「!!?」」
「そんな奴ら、キラが構う事無いよ。あぁ、それよりも席どうする、キラ?俺は運転するとして……」
「席?僕…後ろがいいなvv」
「「!!」」

明らかに動揺している二人。
コレくらいで動揺するなんて…バッカじゃないの?アンタ達それでもコーディネイター?それでエリート?はっ。笑っちゃうね(極悪)。
てか、そんな弱い奴らが何でアスランをバカにするかなぁ……。アスランが本気になったら何するか…知らないんだね。
…というか、アスラン面倒臭くって相手にしてなかっただけだったんだねv(笑)なぁんだ〜てっきり弱くなったのかと思ったよ。


「……カガリは……助手席。さすがにそこの奴らは信用置けないし。」
「僕はアスランでも信用置けないよ。手ぇ出したら殺すからね?」
「あはは、そんなことあるかもねvvキラは怖いな〜♪」
「オイ……(汗)。。。」
「……で、僕はどうするんですかアスラン?」
「…この二人のどちらか、トランクに放り込んだら?」
「「俺達が!?」」
「他に誰がいるんだよ。僕は…お客だもん♪」
「そうですよ〜。お客さんには席を譲るもんですv」
「……なら、お前が譲ればいいじゃん?一番小さいしさ。」
「……………イイんですね?後でどうなるか……知りませんよ?(黒笑み)」

…その時、あの二人の表情が凍った事は、言うまでも無い。

(この子とは気が合いそうvv後で名前訊かないとね♪え〜っと…ニコル、だっけ?)


――――結局。

ニコルがトランク、僕は後部座席で、あの二人の間に座った。
……当然、港につくまでの間、僕が(精神的に)散々なぶってやったけどね★
…これでカガリに手を出そうとしたら…ぶっ殺す。





……………僕(達)の行き着く道は、とてもつもなく楽しそうですv




―――――――――――――――――――――――――――――――



あとがき。。。


暦:フレイ、サイ、イザーク、ディアッカ好きさんにごめんなさい!!!
しかもキラが何気に黒いです……。カガリが勝手に付いて来ちゃいました。←予想外。
勝手にキラ達の出生の秘密?を書いています…が、これは暦の偏見です。…お気になさらずに。てかツッコま無いで下さい(願)。。
そしてこの話、まだ続きます。。。。
アスランも黒い筈なんですが………白い?
うわゴメンナサイ!!!キラがおかしい!!アスランも!?
いつものキラじゃない〜〜〜(泣)。
アス:そう?いつものキラだけど??
暦:うわぁあ!?ど、どっから出てくるんですか、貴方は!!(汗)
しかもアレで『いつも』って……。。
カガ:AAに居る時は情けない奴だったんだけどな……(首かしげ)。
暦:ってアンタもかーーー!!一体どこからやってくるの!?どうしてぇ〜〜!?!
キラ:穴、開いてたし。
暦:穴??……きゃあーー家の壁がーー!壊れてる〜〜!!
アス:…ああ、それ?俺が壊した。
暦:……それで皆勝手に入って来る訳ね…って何で!!?
アス:う〜ん…俺の性格、違ってたし……鉄建制裁?って言うんだっけ?
ニコ:合ってますよvでも漢字間違ってますよ隊長。正しくは鉄拳制裁です☆
暦:………もう嫌です…(泣)。
キラ:そんな事言わないでさ、……続き、書いてv
暦:や・だvv
キラ:殺すよ?(ニッコリv)
アス:次はちゃんと書いてくれるよね?(超笑顔)
ニコ:僕もちゃんと出して下さいよ?トランクになんか入れられて……(黒怒)。
カガ:私もあまり出ていないしな。もっとしゃべらせろ(脅し)。
暦:…わ、わかりましたよ!!……つ、つかぬ事をお伺いしますが…イザ様(=イザーク)とディアお兄さん(=ディアッカ)は…いずこに?(滝汗)
カガ:私は知らないな。…キラ、知ってるか?←マジで知らない。
キラ:さぁあ?僕、知らな〜い。(←本当は知ってる。)
アス:口にしたくは無いな(無表情)。
暦:(怯えた目でニコルを伺い仰ぐ)
ニコ:……やだなあ〜暦さんv何もしてないですよ?ただ勝手に海に落ちただけですからvvv
暦:……………(青ざめ)
ニコ:今ごろサメに追いかけられてるんではないでしょうか?(黒笑み)
暦:(いや、助けようよ。。。)………え〜それでは。またお会い出来る日まで……。。。



強制終了。。

2003.05.19



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