トリィの初恋
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キラが拾った謎の物体。そこには、美しい女の子(と謎の球体)がのっていた。 「ラクス・クラインと申します。」 少女が笑いかけると、キラは真っ赤になった。 その少女は、ザフトの評議会を構成する1人、シーゲル・クラインの娘で、アークエンジェルに軟禁させられる事になった。 ある日、トリィはキラが出て行くときに部屋を抜け出し、何気なくラクスの部屋の方に向かって行った。 その頃、ラクスの部屋の中でハロが扉の鍵を開けていた。 トリィがラクスの部屋を通りかかった、ちょうどその時。 「ゲンキカ〜?」 ハロが飛び出してきた。 「トリィ〜!?」 ・・・・・・なんてお美しい方なのだろう・・・・。 なんと、ロボットが人間に叶わぬ恋を・・・・・? ????????? 違うようだ。トリィの瞳に映っているのはラクスではなくハロだった。 お美しい・・・・? 多少の疑問はあるが続けよう。 トリィはその日からハロの虜になった。 何度も部屋を抜け出してはハロに会いに行った。 ハロもトリィに会うために何度も鍵を開けた。 「トリトリトリィ〜!」 「ハロ、ハロ、」 ・・・・・なんと会話してるのかはよくわからないが。 とにかく2人は愛し合っていた。 しかし、ある時。 「まぁ、どうなさいましたのキラ様?」 「あなたをザフトにかえします。早く!」 「アカンデ〜ッ」 ハロは焦った。そうなったらトリィと自分の仲はどうなるのか。 ハロの主張が聞こえる訳もなく、計画は早々と実行された。 「ハロ〜!」 ハロは悲しさのあまり、大声で泣いた。 「ハロ、静かにして下さいね。」 ハロの思いはラクスに届くことは無かった。 「トリトリィ〜!!!」 異変を察知したトリィが飛んできた。 「ハロ、ハロ!」 2人は抱き合った。 「さぁ、早く!」 キラに誘導されて4人(2人と2体?)はストライクに乗り、イージスの方へと向かった。 そしてアスランにラクス、そしてハロをひき渡した。 「トリィ〜!」 トリィは愛するハロを想って切ない声をあげた。 ハロはそれを悲しそうに見つめている。 「キラ、おまえも来い!」 そしてトリィも! ハロは心の中でそうつぶやいた。 「だめだよ・・・。僕はいけない・・・・。」 キラの心の中にも、トリィの心の中にも、「あんなに一緒だったのに」が流れていた。 キラとアスランという親友、トリィとハロという恋人。 戦争というおろかな壁が間を引き裂く。 「トリィ〜!」 ストライクは、アークエンジェルへと引き返していった。 同じ人間同士で憎しみ合う、おろかな戦争が終結したならば、 もし平和が訪れたなら、真っ先に会いに行こう。あの人のもとへ・・・・。 |