--アスラン・ザラの決意-- |
イケてる。かなりイケてる。 アスラン・ザラは今日もご満悦だった。 眉目秀麗。才色兼備。そういった言葉は自分のためにあるのではないかと本気で思う。 美しい容姿。明晰な頭脳。他人が羨む全ての要素を兼ね備えた彼は、くすっと笑みをこぼした。 無愛想ではあるが、それ故にダンディなおじ様≠ニ若い娘はモチロン、おば様方からもウケがいい父。 優しく美しい、女神のような母は、男女問わずに人気があり、かなりいい線いってると思う。 言うまでもないが、二人ともべらぼうに頭がいい。 さ・ら・に・! 親友であり、恋人でもあるキラ・ヤマトは、可愛らしさ、性格、頭脳、運動能力、とにかく全てにおいてパーフェクト。 その上、それを鼻にかけたりしないから、友達も多い。 あぁ。完璧な僕の周りを囲む人々はやはり完璧でなくてはね。 そんなことを考えながら歩いていると、電信柱に激突した。 慌てて、周りを見回すが幸い誰も見ていなかったようだ。よかった。 もしこんな間抜けなところを誰かに見られでもしたら、僕は生きていけないよ。 そんな僕だけど、唯一問題があるとすれば、それはキラと僕の関係。 彼は僕を親友とは思っているけれど、どうも恋人として見てくれてはいないようだ。今は。 けれど、彼だってそのうち嫌でも気付くだろう。というか、気付かせてやる。僕の魅力に。 だから構わないのだ。今は親友のままで。 覚悟してろよ、キラ・ヤマト! いつか絶対落としてやる!! |