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●概要 この除算では、ネイティブな除算命令は使用できなく、引き算とシフトで行う。バイナリーではないので、本来のシフト命令ではなく、10進の乗除算で行う。被除数から除数を何回引けるかを演算することになるので、時間が掛かる。部分商は10進1桁となる。 ●基本原理 原理は簡単である。A を被除数、B を除数、Q を部分商とすれば、概念は、
となる。これは、10進1桁の部分商を割切れるまで求め続けるものとなっている。実際には、精度桁を設定し、それに達しても終了するようにする。A、B を仮数部配列とすれば、配列除算となる。 ●仮商方式 ○原理 何回引けるかの演算が時間の掛かる処理となる。今、A と B 配列の先頭要素の整数商を、 Qp = A(0) \ B(0) とすれば、Qp は、真値に近い予測値となる。これを、 Qp * B ≦ A ? と検算し、Qp > 0 でかつ上式が成立すれば、Qp は、真値となる。Qp * B の演算は、配列*Integer で速い。不成立なら、Q = Qp - 1 となる。例えば、下図では、 Qp = 23456789 \ 12345678 = 1 となり、条件は成立する。下図は、不成立の例である。 Qp = 50000000 \ 10000000 = 5 であるが、Qp * B = 50000000 00000000 00000015 となり、A より大きくなる。この場合は、Q = 5 - 1 = 4 とすれば良い。 Qp のとり得る範囲は、0 〜 10 となる。10 になる場合は、先頭が等しく、後ろは、B が大きい場合に起こる。下図のような例である。始めのQpは 1 となるが、直ぐに 0 に補正される。次の商では、Aが10倍されているので、Qp = 5|00000000 \ 50000000 = 10 となる。しかし、この10は、9に補正される。 ○仮商アルゴリズム
○高速化アルゴリズム Q * B の乗算は、Q = 1 〜 10 までで、また、B はその除算中不変であるから、Q * B は、変数ではなく、その除算中は定数と言える。 高々10個なので、除算開始時に予め算出し、テーブル化しておけば、QB(Q) = Q * B と参照できる。除算中に圧倒的に多い、Q * B 乗算がなくなるので、高速化が期待できる。 QB() は、予め生成された Q * B のテーブル
・QB() テーブルの生成 以下のようにすれば良い。累算により、乗算をなくしている。
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