<自己紹介> 2002/09
こんにちは、初めまして。松尾です。
県立長崎シーボルト大学 看護栄養学部 栄養健康学科(管理栄養士養成課程)の4年生です。
参加動機は、以前、二ノ坂先生が書いていらしたのですが、チャリティーコンサートの席で、現地訪問のお話をお聞きし、参加しました。
それまでは、現地訪問は自分とは関係がないことと考えていたのですが、具体的な内容を聞いたら、私も参加できるのだと分かり、参加しました。
高校時代から、青年海外協力隊への参加を考えていたので、バングラデシュに行くことで学ぶことができると思ったという事も動機になりました。
初めての海外旅行がバングラデシュというのは、私のことでしょう。ね、二ノ坂先生。
初海外旅行の上に、小心者の私は、とっても海外に怯えていました。
今まで、海外に行ったら銃で撃たれて死んじゃうぐらいに思っていた私は(だったら、青年海外協力隊目指すなと思われそうですが・・・)、3日間ぐらいは、周囲に怪しい人物がいないか常に観察していました。
しかし、日が経つにつれ、自分の居る場所が海外ということを忘れるくらい馴染んでいました。
過度に警戒せず、どの程度の警戒が適度か見分ける能力もつけていかなきゃなーと感じました。
というわけで、長くなってしまいました。読んでいる方も大変と思いますので、自己紹介とミニ感想は終わります。ではでは、これからもどうぞよろしくお願いします。
<報告書>
<ムーニ>
ムーニは22歳。名前の由来は「星」。とてもおしゃれで美しい小柄な女性。上品なしぐさ。芯の強い性格がそのまま現れている瞳。はにかんだ笑顔。いつも私は見とれてしまいました。
住んでいる場所は病院内にある宿舎。彼女の職業はメディカルアシスタント(3年制大学出身、医者と看護婦の中間の立場)。
今年の6月から勤務しています。毎日、炎天下の中、村人の家を何十件も訪問し、検診をしています。
その他、今年からサテライトクリニックというものも始めました。
サテライトクリニックとは、カラムディ村の近隣の村で、2週間に1回民家を提供してもらい、妊婦・乳幼児の検診、その他簡単な診察も行うというものです。
ここで患者を発見したら、MCH(病院)に送り、十分な治療を行います。
ムーニは美声の持ち主。
村人の検診の帰り道で、美しいメロディーの歌を歌ってくれたので、「それって、恋の歌?」と篠崎さんが聞いたら「違うわよ」と言って、とても恥ずかしがっていました。
バングラデシュでは恋の歌を歌う事は照れくさいのかなー。
印象に残っているのは、ガンニ小学校での歓迎会での出来事。
1時間以上に渡って、生徒が学年ごとに歌を歌ってくれたのですが、ムーニはその間ずっと、生徒の歌に合わせて手拍子をしていました。
最後まで、一生懸命歌っている生徒を応援しているようなムーニの姿を見て、素晴らしいなーと感じました。
帰国する日は、朝5時30分という早朝にも関わらず、見送りにきてくれて、とても悲しそうに「また、来てね」と言われました。
本当に感情表現が豊かで、素直なムーニのことを私は大好きになりました。
ムーニのように人から信頼される女性が、病院に来てくれたことは幸運なことだと思います。
これから、エクラムル、ムーニを中心とした村人の検診などによって、病院の信用も高まってくるのではないかと感じました。
<エクラムル>
エクラムルは推定年齢40歳(本当は何歳か知っている方は教えて下さい。)の男性です。
がっしりした体格に、悪役顔。サングラスが似合う似合う。
そんな外見とは裏腹に、向上心があり、自分の考えをしっかり持ち、人の意見もしっかり聞き、行動力もある素晴らしい方でした。
人付き合いの良い(目立ちたがりや?)の彼は、お別れ会では、自分の出番以外でも、ガンニオンネシャスクールの先生方に混じって踊りを踊り、彼の正装用の白い服が汚れるかもしれないと言ったにも関わらず、快く手をつなぐ会の二人羽織の顔役を引き受け、大活躍してくれました。
エクラムルの職業はヘルスコーディネーター(健康づくりを広める人)で、病院外検診の責任者。
病気になる前に予防しようと村人に呼びかけています。彼はムーニと共に仕事をしています。(詳しい仕事内容は二ノ坂先生の報告書に書いてあります。)
彼の指導能力には、本当に感動しました。彼は村人の家を回る検診で、村人から意見を引き出すのが得意です。
村人に自分の健康について考えてもらうことで、予防しないと困るということに気づいてもらえるようにしているようです。
この能力はとても大切なものだと思います。一方的に指導するのでは、改善されないことが多いからです。
エクラムルの活動により村人に、自分の健康は自分で管理する能力がついていくのではないかと感じました。
私にも、村人の検診の際に「あなたは栄養について勉強しているのだろう。なにかアドバイスはないか?」と聞いてきてくれました。
このように、人の意見をしっかりと聞くということを常に行う彼は、予防医学を広めていくことに大きく貢献してくれると思います。
1つ気になったのは、病院内の他のスタッフに予防医学を行う際の動機付けをどのように行っていくかということです。
日本では、予防は保健所、治療は病院と役割を分担しています。
保健所で予防医学を行うことにより、病気になる人の数が減り、国の医療費を削減できるので国にとっては経済的利益があります。
バングラデシュの国が予防医学にどう関わっているのか詳しく知らないのですが、もし、国から予防に対する援助が得られない場合には、病院は予防を行うことで経済的利益は得られません。
この際に、予防医学の経済的利益以外(村人の健康増進のため)と経済的利益(今は何があるのか思いつきません。何かいい考えがあったら教えて下さい)の両方の観点から、どうしたら病院スタッフを納得させることができるか考え、予防医学に対する動機付けを行う必要があると感じました。
<アクタール>
アクタールは、ガンニオンネシャスクールの先生です。
ほとんど、話していないのですが、印象に強く残りました。皆さんにぜひぜひ彼を知ってもらいたいので、ちょこっと書きます。
踊りと絵の才能が抜群で、生徒を楽しませることが得意な人物でした。
彼の踊っている姿が今でも頭から離れません。本当に、アクタールといると誰でも楽しい気分になってしまうのだと思います。
会議の際には同僚の先生方をまとめ、鋭い意見を言うなど教師としての能力も高い人でした。
この先生を見て、本当に自分に自信のある人は生徒に対しても威張らないのだなーと感じました。
このような先生の授業を、他の小学校の先生にも観てもらい、参考にしてもらえたら、生徒の先生に対する信頼、授業に対する感心も高まるのではないかと感じました。
<小学校の本について>
バングラデシュの子供の記憶力は抜群だが、1教えたら1しか覚えない、日本の子供は1教えたらそれを10にすると聞きました。
また、会議で自分の意見を言わない大人も多かったです。これは読書量の違いが原因だとと思います。
自分の意見というのは、人との話、読んだ本の中から、それぞれが、自分の考えと同じだと思う部分を集めたり、それを材料に自分なりに考えたりして形成するのだと思います。
したがって、人と話せば話すほど、本を読めば読むほど考える幅が広がり、自分の意見がはっきりと形成されてくるのではないでしょうか。
また、本を読めば、自分の経験したことがないことも考えることができます。想像力も広がります。
そのため、もし良い授業に巡り合えなかったとしても、自分で自分の人生を開拓していくことができるのだと思います。
オンネシャスクールには図書室がありましたが、30冊程度で、数冊にカビが生えていました。
湿気が多い地域なので、まずは図書室の除湿を行ったほうが良いと思いました。
そして、子供の教育にとって、本の冊数を増やすということは最も重要なことなので、本を少しずつでも増やしていく必要があると感じました。
(会長 河内 英一) 1999/10
”バングラデシュの母子保健センター”の運営が危機に瀕していることを,同級生の二ノ坂君から聞いたとき,それこそバングラデシュに関して知っている事といえば,インドの隣と言うぐらいのことでした。
まして,カラムディ村については「その何とか村は,何処にあっとね?」と,運営委員でさえも最近まで口にしていたぐらいです。
それから一年でここまでこれたのは,皆様のご協力のおかげです。
趣意書もできていない段階で,同窓会に呼びかけたり,そのたびに二ノ坂君に長崎までご足労願ったり,私のおっちょこちょいのなせる業で,いろいろと迷走した一年間でしたが,一年たって,やっとノーマルなペースになったと思います。
それについてきてくれた同級生はじめ友人,知人,支援してくださった方々には心から感謝しています。
”バングラデシュの母子保健センターを支援する会”も2年目に入り,運営委員に同級生以外からも加わり,また会員会費の振込み状況も順調に推移しています。
この会を長続きさせるためにも,今後は徐々に参加型のNGO活同をめざしたらどうかと思います。
毎年交替で会員が現地に出向き,カラムディ村の人たちと交流し,彼らの幸せのために,
私達にできる事は何かを考えていけたらと思います。
「バングラデシュと手をつなぐ会」と連携し,”バングラデシュの母子保健センター”が自立できる日まで,皆様の叡智を集め,毎年チャリティコンサートを楽しみましょう。
今回のチャリティコンサートの成功に,さまざまにご協力をくださいました皆様,ありがとうございました。
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