ニューボーグ(NV)について
■ニューボーグとは■
ニューボーグダンスとはオーストラリアとニュージーランドのみで踊られているシークエンスダンスであり、元来イギリスで踊られているシークエンスダンスが進化したものです。
オーストラリア、ニュージーランドでは競技会やメダルテストの正式種目になっています。
シークエンスダンスとは、20小節ほどのルーティンを繰り返し踊るダンスです。全員が同じルーティンなので、アームスの付け方やスウェイの方向、顔の向きなどでカップルの個性を出します。
こちらのコンペダンサーは10ダンスだけでなく、スタンダード・ラテン・NVの3種類全てを踊る競技ダンサーも多く、『10ダンサー』ではなく『3スタイルダンサー』と呼びます。
■競技会で踊られる主なNV■
ワルツ4種 ー スィング・ワルツ。ルシール・ワルツ。トワイライト・ワルツ。トレーシー・リー・ワルツ。
スローフォックストロット5種 ― メローロン。カルーセル。エクセルシア。バークレー・ブルース。シャーメイン。
タンゴ 3種 ― タンゴエット。ラ・ボンバ。タンゴ・テリフィック。
マーチ 2種 ― ジプシー・タップ。イブニング・スリー・ステップ。
競技会では、持ち級にあわせて、この中からオープンクラスで5種類(ワルツ1、FT2、マーチ1、タンゴ1)、E級で2種、D級で3種。それぞれの種目から選ばれます。
3スタイルダンサーは10ダンスのルーティン以外にNVのルーティーンも覚えなくてはいけません。そしてコンペにおいても全てのダンスに出場するとなると相当な体力と気力が必要です。みな平気で1日に50〜60曲以上は踊っているでしょうね。(^^;)
■曲について■
マーチを除いて、スタンダートと同じ曲を使用しますが、ワルツだけはビエニーズ・ワルツより少し遅めのテンポのものを使用します。
■ホールドについて■
ホールドもNV独特なものがあります。
シャドーポジション・・・主にFTのシャーメイン、エクセルシアのときに使われます。両腕を上に上げた状態で踊ります。
セミシャドーポジション・・・シャドーポジションの女性右手を自由に使います。男性の右手は女性の腰骨の位置。ほとんどのものがこのホールドです。
スタンダードポジション・・・スタンダードと同じホールドです。
他にも、両手を繋いだものや片手だけのものもあります。
■NVの特徴■
ホールド自体もとても独特ですが、ステップも独特のものがあり”エリエル”(軽いキック)写真参照。前方向や横方向へのエリエルがあります。
チェックなどもスタンダードと違う形です。下の写真は”カルーセルでのチェック”左側の写真は後ろへのチェック。右側の写真は前へのチェック。
NVのルーティンは、年齢関係なく同じなので、ジュビナイルやジュニアも同じものを踊ります。上の黄色のドレスの子はジュビナイルのカップルです。
■ドレスについて■
ドレスはスタンダートと同じでもよいのですが、腕の振りがおおきかったり、スタンダードポジションからシャドーポジションに変わるときに回転をするため、フロートがあると絡まって邪魔になります。なので袖の飾りは最小限にしています。
そしてアームスのラインを美しく大きく見せるために、フローとのかわりにひらひらの袖のあるものが好まれたりします。
スタンダードをNVではドレスを変えるダンサーがほとんどです。たまに取り外しの出来る大きなフロートとNV用の小さいフロートの付いたものでドレスの雰囲気を変えている人もいます。
なんとなくNVについて知っていただけたでしょうか?スタンダードと違ってカップルの個性やルーティンが全員同じな分、優劣がはっきりとわかるのでコンペを見ていても楽しいものです。
また機会があればぜひ見てくださいね。スタンダートとは一味違っていいですよ。