梁塵秘抄 巻第二 二句神歌

 
 こひ     きみこひ      ゆか       あ       み      み     み
 恋しとよ君恋しとよ床しとよ 逢はばや見ばや見ばや見えばや
 
(485)
 

大意……

恋しい、あなた恋しい、なつかしい。
逢いたい、見たい、見たい、見せたい。






 これも激しい恋愛感情の歌です。身を捩りながら相手に迫っていくような、そんなひたむきさを感じます。

 望んでいるのはあの人に逢うこと、見ることです。そしてあの人に私を見て貰いたい。

 多分、ただ逢って顔を見たいというだけではないでしょう。恋しくて逢いたくてどうしようもないあなたと、逢って見たい、見られたい、ひとつになりたいと渇望してる。

 同じことばをたたみ掛けるよう繰り返すことで、赤裸々な愛のどうしようもない切なさと狂おしさを端的に表した、すばらしい『詩』だと思います。



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