さて、そろそろ京都市内へのケーブルカーの終電時刻を気にしないといけない時間なので、ケーブル駅に向かって急ぐことにする。観光客と見られる人は、俺の前に女性が一人だけ。しかも山慣れしているらしく、早足で視界から消えてしまった。途中、「比叡山人工スキー場」なるものがあったが、既に倒産している。200メートルしかないようなリフト2基では、いくら大都市に近くても見向きもされなかったのだろう。
|
|
比叡山スキー場の残骸(ゲレンデハウス) |
比叡山スキー場の残骸(ゲレンデ) |
ケーブルの終電は記憶では6時半だったが、6時20分に現地に着くと、既に駅舎は戸締りがされており、無人の状態でケーブルの音だけがしていた。終電は6時15分だったのだ。間一髪アウト。しかも、この地点には、ケーブルカー以外の交通手段がない。駅の脇には「下山コース5キロ。約2時間」と書かれている。冗談じゃない。懐中電灯も持ってきていないのに、これから暗くなってしまう山道を2時間歩くなんて自殺行為に近いと思い、ケーブルカーのケーブルの動きが止まるのを待って、ケーブル脇の作業用の階段を歩いて降りることにする。50分後、無事山麓駅に到着。携帯の電池が切れて、下山中の貴重な画像がないのが惜しい。下りなのに、意外に体を使い、長袖のTシャツが汗で濡れたので、下山後着替えた。
|
|
ケーブル駅付近のつつじ |
ケーブル終電直後の、京都市街の眺め |
ほぼ真っ暗になった、ケーブル比叡山口駅と叡山電鉄比叡山口駅間の、昼間は風情があるであろう、公園の中の連絡通路を歩く。ケーブルと違って叡山電鉄は駅舎に灯がともっていて、営業中であることをうかがわせる。(といっても午後7時なので、当然といえば当然だが。)駅に近付いたとき、ちょうど発車ベルが鳴り響いて、俺の目の前で1両編成のチンチン電車が発車してしまった。幸い次の発車は15分後だった。
このチンチン電車、整理券方式ワンマン運転の、文字通りチンチン電車で、多分鉄道ファンにはたまらないだろう。残念ながら写真はない。20分程揺られて終点となり、そこから事実上地下鉄となっている京阪電鉄線で二駅。三条で下車。前々から一度行ってみようと思っていたほこらに行ってみる。白川という川(恐らくは人工の水路)の東側にあるということと、市営地下鉄東山駅(三条からも至近)から徒歩3分ということは知識として準備してきたのだが、正確な位置まではネット上の地図には載っていなかったので、現地の案内板任せで探してみた。このあたりの地形はゆるい坂となっており、白川は勢い良く流れている割には、若干ドブの臭いがする。なかなか見つからず、川沿いを2往復したところで、たまたま自転車で通りかかった、近所の住民と思われるおばさんが、「何をお探しですか?」と声をかけてきた。もう少しで自力で見つけられるところだったので、正直なところ、出来れば声をかけて欲しくはなかったが、「でかい荷物を持ってさっきから辺りをうろつきまわっている、普段で見かけない男」という俺の立場を考えれば答えないわけにはいかないだろう。
ということで、その後1分もしないで見つかった。で、折角来たんだからやはり写真を撮っておきたいという思いが募り、先程見かけたマクドナルドにて、夕食を兼ねて携帯の充電をすることを思いついた。
レジの後ろに掲げられたポスターに、「4月30日まで限定。只今バリューセットを頼むと、もれなくマックフルーリーがついてきます。」とのことだったので、試しに頼んでみた。「マックフルーリー」は飲み物の代わりについてくるのかと思ったが、飲み物の他にタダでついてくるとのこと。ポスターの写真で見た感じは、シェイクかもしくはシャーベットのようなものだろうという印象を受けたが、実際は、「紙コップに入ったソフトクリーム」そのもの。しかも、味付けの基準がアメリカ人の舌を基準にしたのか、やたらと甘く、逆に喉が渇いた。セットの飲み物(ジンジャエールを選択)を、無糖のお茶にしなかったことを後悔した。