山村暮鳥
「風は草木にささやいた」



  
 都会の詩


 
煤烟はうつくしい
 
その煤烟で一ばいになつた世界だ
 
その中にある此の大都会
 
働く者のかほをみろ
 
その手足をみろ
         けだか
何といふ崇高いことだ
 
ああ媒烟
 
その中でうめく労働者の群
 
ふしぎなこともあればあるものだ
 
これが新鮮で
 
而も立派にみえるのだ
 
なにもかも惨酷のすることだ
 
ああたまらない
 
ひきつけられる