竹久夢二「夢のふるさと」


 
  清怨


        うばら
 もしや薔薇がきみならば
               そよかぜ
 しづかにゆるゝ微風に
 つゆ
 露とくだけておつるとも
 
 この身その葉にならうもの。
 

        をごと
 もしや小琴がきみならば
             セレナアド
 青い五月の小夜曲
  よ
 夜は夜もすがらうたひつゝ
          いと
 この身は絃にならうもの。