☆身だしなみ、身なり(2004 Oct.)(2005.Apr.小改造)


  当サイトの昔からのhtml(オタク関連)では、コミュニケーションスキルの補助的方法
 としてファッションや身だしなみオタクさんに奨めているが、恋愛や男女交際に際しては
 身だしなみや身なり・ファッションなどがより大きな影響を与えると思われる。男性であれ
 女性であれ、不潔で臭い対象に対してよりは、もっと清潔でいい匂いの対象を交際の
 相手として選択したくなるのは当然だし、どうせならきちんとした服装で、姿勢が良く、
 エチケットを守る異性を選びたくなるのが人情だろう。もちろん、見た目やエチケット
 だけで全てが決まるわけではないし、全てにおいて完璧な異性は滅多にいないが、
 ルックス以外がほぼ同条件の異性が二人いたとき、あなたはおそらくルックスをも
 考慮に入れる筈だ※1

  歴史的には、或いは進化生物学的には、男性のほうが女性よりもルックスを気に
 して対象異性を選択しがちなためか、少なくとも一昔までは男性よりも女性のほうが
 身だしなみやエチケットやファッションを気にする傾向がみられていた。だが、近年
 では女性も男性側のルックスをかなり気にするようになっており、この影響はもちろん
 男性ファッションの隆盛とも密接に関連している。それゆえ、現在では性別を問わず、
 身なりや身だしなみは男女交際の可否や判断に影響を与えるファクターとなっている。
 対象異性の視覚的情報を判断材料にするのが男性の専売特許の時代は、遙か昔に
 過ぎ去ってしまっている。

  少なくとも、身だしなみや身なりが極端に周囲同性に劣っている場合、恋愛を遂行
 するうえでディスアドバンテージとなることだけは間違いない。例えば不潔で猫背で
 臭くてマナーもエチケットも心得ない異性を積極的に選びたがる人間がいるだろうか?
 明らかにそれらのファクターはネガティブなものであり、より清潔で、背筋が伸びて、
 臭いがせず、マナーやエチケットを理解した人物に比べて“嫌がられやすい”特徴
 である。恋愛および男女交際においては、異性を獲得する為の同性間の競争的側面
 もあるわけで、対象異性獲得にあたってライバルとなり得る同性達に比べて極端に
 劣った身だしなみや見てくれでは、苦戦は避けられない(勿論、見た目以外の面でも
 同性間の競争的要素は存在する事を私は否定しない)。殊に、「身だしなみも出来ない
 人」「周りの視線を気にしない奴」という情報を体から常に発散している有様では、
 対象異性に好印象を与える確率は極端に低下する。顔かたちやファッションの好みは
 人それぞれだが、特にエチケットや身だしなみに関しての態度は比較的一律で、不潔
 でだらしない格好を好む異性がいない事だけは忘れてはならない

  逆に、対象異性を観察する視点から考えると、身だしなみや身なりは情報の宝庫と
 捉えることも出来る。その人の生活のだらしなさや文化水準、価値観、好きなもの、
 金遣い、育ちなどを知るうえで、いつも身に着けている服装や身だしなみは参考になる
 仮に、それが演出したものだという事を差し引いても、である――特にだらしなさなど
 の減点対象は、かなり重要な情報となるし、デートの時の格好など、あなたに対する
 対象異性の気持ちを測るうえで格好のバロメータともなり得るわけだから。例えば
 デートの回数が重なるにつれてだらしない格好になって来ているようなら、気をつけた
 ほうが良さそうだ。特にそれが露骨な場合は。

  また、何らかのファッションの形跡を対象異性に見出せる場合、他異性のファッション
 との比較や自分のファッションとの比較を通じて有利な分析が可能かもしれない。
 『こんな私を演出したいんです』という情報の獲得を通して、対象異性の潜在的願望や
 価値観を類推するという手法は捨てがたく、そんな願望や価値観と実際の本人とを
 比較検討するという方法も捨てがたい。ファッションが意識的に放たれる視覚的
 バイアスとしての側面を持つ限り、ファッションは対象から放たれる有意味なメッセージ
 として捉える事が可能だろうし、可能なだけでなく有効だと私は考えている。

  服飾や身だしなみという技術は、このように無視できない程度の影響を恋愛や
 男女交際のコミュニケーションに与えると考えられる。衣服や身だしなみは、生理的
 機能がどうといったレベルだけでなく、それ自体がコミュニケーションのツールであり、
 情報媒体であることを考慮すれば、身だしなみや身なりを整えないことがディス
 アドバンテージを生み出すのも当然と理解される。また、ファッションや身なりを通して
 手に入る情報もあれば、対象異性に伝わってしまう情報もあるということも十分理解
 可能じゃないかと思う。だとすれば、ろくでもない情報をファッションや身なりから発散
 するのではなく、対象異性にとって好ましいような情報を発散するように努めたほうが
 いいに決まっているというわけである。この領域は時間やお金や手間さえかければ
 幾らでも整えることができるため、恋愛技術の中では比較的整備しやすいスキルだと
 考えられる。恋愛に決定的な影響を与えるスキルではないかもしれないが、さりとて
 無いと滅茶苦茶損をしやすいので最低限の整備が必要な分野と考えられる。


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 【※1ルックスをも考慮に入れる筈だ。】
  ルックスという単語は本来、身だしなみだけではなく表情や振る舞いなども含めた
 総合的な『見た目』だろうから、身だしなみや身なりだけでなく非言語コミュニケーション
 スキルや先天的な顔かたち、身長や体格なども含んだものと考えるべきなのだろう。
 だから“ルックス良ければそれで良し”なわけだけど、そのルックスのなかで人為的に
 変更をきかせやすいのが身だしなみ・身なり・ファッションなのだと考える。ルックス
 だけでは駄目だし、そのルックスのなかの一要素であるファッションだけでは全然駄目
 だけど、男女交際にあたっては最低限の気配りは志向したいものである。