☆(現代型)コミュニケーションデバイスの使用技能
 (2004 Oct.)(2005 Apr.小改造)

  かつてはせいぜい手紙や電信ぐらいが恋愛に供することのできるコミュニケーション
 媒体だったが、現在では携帯電話、インターネットといった多機能で便利な媒体が
 多数存在しており、恋愛や男女交際のデバイスとしても活躍している。これらの媒体を
 用いたコミュニケーションにおいては、通常の会話とは異なった条件下でコミュニ
 ケーションを行うこととなるので、面と向かって対象異性と話すのとは異なった
 アプローチが有効になり得る。例えばメールを用いたコミュニケーションでは、文章を
 中核に、絵文字や静止画像、或いは非常に狭い動画などが併用されることになり、
 この条件下では声音の問題は忖度されなくなる。逆に電話をしているときは、言語的
 内容と声音だけが問題とされ、視覚的情報は遮断される。このため、これらの情報
 デバイスを用いたコミュニケーションは、使いようや得手不得手によって、損にも得にも
 なり得るだろう。例えば、目を使ったコミュニケーションが飛びぬけて得意な人は電話
 は苦手だろうし、逆に文章技能や絵などの使い方にアイデアのある人は、メールや
 チャット等の長所を大いに利用できるかもしれない。

  これらの、限定された条件下における対異性コミュニケーションは、その情報
 デバイスが持つ性質によって『ルールに縛りのあるコミュニケーション』となるため、
 自分にとって最も有利なルールとなる情報デバイスでコミュニケーションを展開すれば
 対象異性とのコミュニケーションがやりやすくなる可能性がある。例えば声音や目の
 動き・身振りなどはメールやチャットには現れないため、これらのスキルが苦手な人に
 とってメールやチャットは有利な『戦場』といえるだろう。逆に、声音や目や身振りで
 コミュニケーションをとるのが得意な人の場合、メールやチャットを用いたコミュニ
 ケーションは自分の持ち味を出しにくく、バーバルなスキルに頼らざるを得なくなる。

  携帯電話やインターネットなどを媒介としたコミュニケーションは、このような特徴を
 持っているため、自分の苦手なコミュニケーションの形態を避ける手段ともなり得るし、
 苦手なコミュニケーションの形態を強要される条件ともなり得る。個々の恋愛や交際に
 限ると、少なくとも、自分が最も苦手なコミュニケーション媒体を主力として対象と
 コミュニケーションを行うことは避けたい。対象異性の擬態は見抜きにくくなるし、
 こちらの伝えたいことも上手に伝えられなくなる。これでは苦戦を避けられない。
 むしろ、自分の得意なコミュニケーションデバイスを利用できるように考えなければ
 ならないだろう。

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