まず、そもそもオタクとはどういう状態にあるのか。オタクという言葉は、一般には尊敬の念を込めて使われる事の少ない言葉であり、むしろ侮蔑や蔑みを込めて用いられる事が多い。※1

 世間で言うオタクという言葉が指し示す人物とはどのようなものか。また、オタクという言葉の定義はいかようなものなのか。この問いに対して厳密に答える自信など私には無く、人それぞれで定義は大幅に異なる事が予測される。ただし、オタクと呼ばれる事のあまりない人達がオタクという言葉に持っているイメージの、最大公約数的な傾向を示すならば、


1アニメや漫画、アイドルなどの特定の幾つかの趣味に傾倒している人に対して使われる。一般に社会・異性から許容される確率に乏しい趣味であるほど、また多くの人から許容される範囲を逸脱するほどオタクと呼ばれやすい※2
2コミュニケーションスキル/スペックに乏しい人間ほど、同じジャンルの趣味を持っていてもオタクとして蔑視されやすい。たとえオタク趣味に関する知識が異常なまでに豊富であっても、身なりに気をつけ人当たり良く話術の才のある、汎用性が高い人間は、オタクと叩かれる事はあまりない(殊に侮蔑の念を込めてオタクと呼ばれる事は少ない)。しかし、コミュニケーションスキルに乏しい人間は、たとえオタク趣味への傾倒度や知識集積が乏しくともオタクと呼ばれる事が多い!(時に侮蔑や差別の念を込めて)。※3


 以上二点が、オタク趣味とはあまり縁がない人々に、軽蔑の念を込めてオタクと呼ばれるような人々の特徴ではないだろうか。インターネットで言われているオタクの特徴・定義(この場合は、私が意図した場合に比べて侮蔑の念が少なかったり、自分自身や仲間に対して使われる事すらある)と比較して、生理的な嫌悪感を含んだものになりがちな定義である点に注意して頂きたい。

 このサイト『汎用適応技術研究』では、
 1打ち込んでいるものの特異性
 2コミュニケーション能力の乏しさや偏り

 この二点が、オタクはオタクでも、生ゴミのように蔑まれるオタクの特徴なのではないかと私は考え、この視点を重視して論を進めていく。

 この視点を一時的でも許容できない方(例えばオタクという言葉は人間の内面のみに着目したものとする見方や、反対に、ファッションや髪型など外見のみに着目したものであるとする見方)は、このサイトのdiscussionを読んでも、あまり面白くはないだろう。※4

 私はこう考えている‥‥この二つの特徴は結びつきがないように見えるが、一点において共通している‥‥即ち「周囲の同年代の多くの人から見て理解しがたく、許容するのも難しい」という点では共通している、と。ネット上の幾つかのサイト・スレッドにおいては、外面と内面のいずれかに中心を置いた議論が為されているが、どちらに注目している場合にも、オタクという言葉に対して「受け入れがたいやつらだ」というニュアンスを込めている点では共通している。
 
以上の視点を踏まえた上で、オタクという言葉の指し示すもの・オタクと呼ばれる人達・脱オタクはどうすれば良いのか 等について考察を試みる。



【さて、ここまで読んでどう思いましたか?】

  このページではこんな風に少々めんどっちくやっちゃってるところもあるので、もっと分かりやすくて秀逸なページも紹介したほうがいいだろう。

 →考察に際して参考にしたページ群←

 これらのページのオタクの定義・視点(切り口)は千差万別であり、オタクに対する姿勢、オタクと呼ぶ側の立場も様々である。これら幾つかの刺激的なサイトを見て、「絶対違う!」と言う人もいる(特にコミュニケーションスキルに乏しい凡百のオタクと、ほんの一部の怖いほどわかりすぎている人)かもしれないが、私はこういう様々な視点があっていいと思っている。

 (自らの議論をどこまでも拡大する事もそうだが)許容しうる視点を自ら狭めていく事は、大変な愚者と天才にのみ許される事であり、私などには出来ないし、私と同じ程度に凡庸な人々にはお勧め出来ない。議論を狭くするのはともかく、視点を自ら狭くする事は、我々若年者には悪影響こそあれ、好影響は少ないと私は考える。

 失礼、少し話がそれかけた。

 このページは、こんな色々の侮蔑されうるオタク達について色々と考えてみるところである。その目的は、オタクを差別し軽蔑し踏みにじり、それで溜飲を下げる事にあるのではなく、「侮蔑されるオタクという“慢性の適応状況”」をもっと楽なものにしていく方法を考え、実行例を検証していく事にある。このページを眺める人というのは非常に限られた人間のような気もするが、もし眺めた人のなかで、良い知恵を貸してくれる人がいたら、あなたの情報を分けて頂けると嬉しい。というか‥‥もしオタクと過去に呼ばれていたのに社会復帰できた方、オタクと言われる事にコンプレックスを抱いていたのにそれを克服できた方、もしいらっしゃったら体験談など教えてください。※5






【※1用いられる事が多い】

 時に人は自分自身をオタクと名乗る事もあるが、自称のオタクはここでは取り扱わない。文章の続きにも書くが、オタク同士の間で呼び合うときや自称する時の事は、私はあまり問題視していない。(自分をオタクと呼ぶ事自体に悩んでいるオタクはあまり数はいないだろう。むしろ、世間から虫を見るような目で見られる事にこそ、オタク達は悩む事が多い)。




【※2許容される範囲を逸脱するほど使われやすい】

 わざわざ許容、と書いた点に注意。べつに趣味内容が理解できなくても、許容されうるものであれば侮蔑の対象となりにくい、傾向があるようだ。

例えば:

世間に理解されやすい世間に理解されにくい
侮蔑されやすい
(許容されにくい)
各種風俗???
ギャンブルの一部
アイドルオタク等
美少女ゲームオタク
侮蔑されにくい
(許容されやすい)
温泉マニア
ファッション好き
クラブやジャズのマニア
カーマニアなど


 頭がメタルスライムのように硬い人に伝えるが、これは傾向であって絶対のものとは考えていない。そもそもが、絶対・唯一などというものを個人が開催しているページのコンテンツに求めるようでは(色々な意味で、そして微妙なニュアンスにおいて)かなり終わってるような気がする。なお、一部フェティシズムもこの項目をみたすが、この時は「オタク」ではなく「変態」扱いされる事が多い事も断っておく。




【※3オタクと呼ばれる事がある(時に侮蔑や差別の念を込めて)】

 敢えてわざわざ注釈をつけておくが、人は大人になるにつれて“直に相手を軽蔑し差別する事が円滑な人間関係を維持する上で得策でない”という状況に気づきがちである。ある程度の年齢を過ぎると、差別が必要な場合も水面下で行われるのが常であり、そうでない場合は、なるべく距離を取るなどして“とにかくあいつとは関わらない”とするか、そうでなければ被差別者を除く全員で一斉に差別を行うとか、とにかく損益を被らないように工夫して(つまり卑怯に卑劣に)差別を遂行する。

 コミュニケーションスキル(対人交流技術)があまりに低劣なオタクの場合、侮蔑されている事自体に気づかずに、異臭と嫌悪感をまき散らしながら世間を闊歩している事もしばしばみられる。自分は差別されていないと主張するオタクの一部に、鼻つまみ者になっているが全く気づいていない(か気づかぬふりをしている)人達がいるので注意すること。なお、これの亜型に権利を主張するのが好きなタイプのオタクもいるようである。その場合は、自分のコミュニケーションの技量や論理的思考力に問題がある事に全く気づかない上、他者が問題を指摘しても非論理的否定を続ける事が多く、しばしば他罰的な人もいる。

 果たして、何故筆者はこんなくどい注釈をつけたのだろうか?



【※4面白くないだろう】

 「議論とは、妥協したい気分である」 太宰治。




【※5体験談など教えてください】

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