彼方から
車のフロントガラスから
空の欠片が見える
行き来する雲に
過去が乗っている
昔 宇宙の創造主は
自分に似せて人を造った
似せられし者は神を真似
地上を司ろうとした
空を見るたび
懐かしくなる
彼方に誰か待っているような
全てを赦して肯いているような
神になり損ねたにせ物は
充たせぬ心を持て余す
地上を壊し
他の命を犠牲にしても
欲して欲してまだ欲する
こんなはずはない
いつか神になれるはずだと
この星に人を授けられた神は
我々をどこへ導こうとしたのか?
ふっと雲が途切れた
戻る