眠り

いつからだろう
体が怠い 心が燃えない
地面にぺたりと腰を下ろし
空を見上げることだけが嬉しい
日長一日雲を眺め
色を変える山際の美しさ
夜を覆う星のきらめき
頬杖ついて見ていたい

寒さも空腹も
前ほど感じなくなった
駆り立てられるような
征服欲も

もうそろそろいい頃だろう
儂は大きくなりすぎた
儂の体の下で壊れて行く
無数の
虫や木や土や水を
自分で救うこともできゃしない

儂の命の繋ぐため
滅んで行くものを見送ること
儂を育んだ大地の
生命力を奪うこと・・
それだけが残された道なら
もう生き続ける意味もない

今までいろいろありがとう
母なるこの星の為に
儂は今
深い眠りにつこうと思う





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