春よこい

日が延び始めた公園で
薄闇の中の木々を

見つめている
葉芽は膨らみ始めたか
黙して春を待っている

その佇まいの
美しさはどうだろう
何を諫めもしない
羨みもしない
枯れた枝の潔さ

昨日の木枯らしは
裸の木々には
辛かったろう
私の暮らしにも
行き違いがあった
人の心を
ひたむきに求めた
若い時ほど
傷つかないにしても

春よこい
早くこい
凍えた枝に
柔らかな日差しが注ぐ
温かな季節よ早くこい

誰もどこか欠けている
そんな人同士でも
赦しあえるような
光よ満ちれ

もうすぐここも
緑に溢れることだろう
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