耳たぶ
運転するあなたを見た
目の前に耳たぶがあった
思わずつまむと
「危ないから、よしなさい」
怒られた
あなたはもう怒らない
私を悲しそうに見るだけだ
私から言い出した
別れの意味が分からずに
,
遠くで交わす視線の中
すれ違いざまの言葉一つに
愛を感じて時が過ぎた
確かめたくて
触れあいたくて
夜を重ねた
,
でも
あなたを想うことで
壊れて行くプライド
私だけのものではないあなたを
こんなに愛してはいけない
あなたの言う
「気づかれないことが良心」
ならば
いつかきっと
「気づかせたくなる」
私は極悪非道ね
裏切りと知って重ねる罪なら
それはもう「愛」ではない
何か言いたげなあなたの視線を
もう私は受け止めない
気持ちのままに流されること
自分自身が許さない
二度と逢わない
キスしない
その耳たぶも囓らない
あなたから目を反らし
私は一人で泣くほど強いの