空の高さ 空が低いから 今日は気が楽だ 淀んだ風は 強く僕を押さないから 公園のベンチに座ると 立ち上がるのが億劫になる まとわりつく想いを振り切るように目を閉じる 今日も一日視線を「仕事」に向けて終わった 誰もかれも忙しげに生き急いで見える 何故 みな同じ顔なのだ? 否 識別しないのは僕の方か 色を失した町 疲労と倦怠の日々 僕のものだった言葉はどこへ行ったのだろう 友よ 遠いところにいる友よ 僕をここからひっぱり上げてくれ あの頃と同じように 鮮やかな笑顔で僕を見てくれ すべてが生き生きと色を成し ささやかなことにも 震えるように感動したあの時を 蘇らせてくれ 重い空から雨粒がひとつ 音もなく落ちてきた 戻る |