冷たい風の中を歩く
何かから逃げるように
うつむいたまま早足で
時に地を深く見つめて

足元のアスファルトが
小さく膨らみひび割れ
なにかが芽吹くようだ
頭の隅を不安もよぎる
こんな場所で命を受け
明日は怖くないのかと
今は陽も土に届かない
仲間もいない
そんな境遇が
怖くはないのかと

冷たい風のなかを
いっそううつむいて歩く
すれ違う人が怖い
追い越す車が怖い
つなぐ言葉もなく
だが黙々と歩く
足を動かせば
不安も薄れる
息を一つすれば
前に進んでいる
たくさんの仲間の
内に生きているのだ
生まれたからには
歩くしかない
植物にしろ人にしろ
向かい風でも吹雪でも

雑念を振り切って
いつしか無心で歩く
ここで明日を迎える
覚悟を刻みながら

投稿作品はこんなもん

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