■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■    タワーリング・インフェルノ The Towering Inferno ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
1974年 アメリカ映画
製作:アーウィン・アレン 監督:ジョン・ギラーミン 
脚本:スターリング・シリファント 音楽:ジョン・ウイィリアムズ 
【キャスト】
スティーヴ・マックイーン(マイケル・オハラハン/消防隊長)
ポール・ニューマン(ダグ・ロバーツ/設計士) 
ウイリアム・ホールデン(ジェームズ・ダンカン/ビルオーナー・建築会社社長)
フェイ・ダナウェイ(スーザン・フランクリン/プランナー・ダグの妻)
フレッド・アステア(ハーリー・クレイボーン/株券詐欺師)
スーザン・ブレークリー(パティ・シモンズ/ダンカンの実娘、ロジャーの妻)
リチャード・チェンバレン(ロジャー・シモンズ/ダンカンの部下、娘婿)
ジェニファー・ジョーンズ(リゾレット・ミューラー/ビルの住人、金持ち未亡人)
O・J・シンプソン(ジャーニガン/保安部長)
ロバート・ボーン(ゲイリー・パーカー上院議員 )
ロバート・ワグナー(ダン・ビグロー/ダンカンの会社の広報部長)

喜劇王チャップリン最後のサイレント作品。世間のトーキー化に対し頑固なまでにパントマイムによるサイレント作品を作り続けたが、この作品を最期に次回作の「モダンタイムス」のラストで歌われる「ティティナ」でとうとう自らの歌声をスクリーンで披露し、以降トーキーでの製作に踏みきることになる。

STORY

グラス・タワー設計士のダグ・ロバーツが休暇先から所属会社のヘリで帰る先は自ら設計した138階建ての超高層ビル”グラス・タワー”の中のオフィスである。帰るやいなやダグが指定した規格以下の配線コードが用いられている事実が発覚する。ダグが所属する建築会社のダンカン社長の娘婿ロジャー・シモンズがコストダウンさせたのが要因のものである。各界の有名著名人が訪れた落成パーティーのその日に不安は的中。81階の倉庫部屋の配電盤のショートが原因で火が発生。瞬く間に炎は燃え広がりダグ達スタッフだけでは手に負えない状況に陥って行く。火災発生で出動した消防隊を指揮するのは勇猛果敢な隊長のマイケル・オハラハンである。オハラハン達は部屋に閉じこめられた女子供達を最上階まで救出したり、隣のビルへロープづたいで救出したりと尽力するが炎が最上階のパーティールームに及ぶのも時間の問題となっていく。
全員を救出するには時間がないと判断した上層部が決定した手段は屋上直下の階に収められている巨大な水タンクを爆破し、最上階からビル全体を洪水に消化しようと言うハイリスクな手段だった。意を決してヘリにぶら下がりグラス・タワー屋上に降り立ったオハラハンを待っていたのはダグと合流し爆弾をセットし終えると、彼らは残った人達と共に爆破の瞬間を固唾をのんで待つ・・・・

ひとこと

ポール・ニューマン(右)とスティーヴ・マックイン(左)1970年代にパニック災害物の映画がやたらと流行った頃があった。そのほとんどがオールスターキャストが売りのポイントだったのだが、この映画はそんな中の決定打的な作品だったと思う。ジョン・ギラーミンの演出はこれと言って特徴があるとは思えないし、特殊効果もCG全盛の今となっては大仕掛けながら目を引く物でもない。しかしつい見てしまう映画でもある。とりあえず驚くべきはお見事としか言いようのないキャストだろう。よくもこれだけ出演させたものである。破格の仕掛けとこれだけのスターへのギャラを考えると、メジャーとは言え一社のみでは叶わず20世紀FOXとワーナーと言うライバル会社同志が組んで製作したのもうなづけるものである。そもそもスティーヴ・マックインとポール・ニューマンと言う当代きってのスーパースターが共演していることだけでも夢のような作品だと思う。(今で言えばトム・クルーズとレオナルド・ディカプリオが組むようなものか)
こんな事から考えるとこの映画って超高層ビル火災という大舞台に次から次の大スターが登場するエンターテイメント的作品なのかなぁなんて思ってしまう。そう考えるとこの映画をつい見てしまう理由が納得いくものになってしまうのである。決して名作だ等とは思わないが、好きか嫌いかと問われると好きと言わざるを得ない。不思議な映画だと思う。

音楽についてもひとこと

お馴染みジョン・ウイリアムズは1975年の「JAWS」でブレークするのだが、これはその直前の仕事である。この頃には「ポセイドン・アドヴェンチャー」「11人のカウボーイ」「大地震」「ファミリープロット」「続・激突、カージャック」等々と着実にキャリアを積んでいた頃だが、そんな当時の裁量の力作がこの映画だと思う。冒頭の山中からサン・フランシスコの市街地までダグが乗るヘリを追っていくバックに流れるメインテーマは、これから起こる物事での不安感を醸し出しながらもスピーディーかつ力感も感じさせる素晴らしいオープニングナンバーとなっている。また、クライマックスのシークエンスに付けた音楽は10数分にも及ぶシンフォニックな力作で、その後の傑作「スター・ウォーズ」のクライマックスのBGMと並べ賞賛されるべき傑作だと思う。この年アカデミー作曲賞にノミネートされているのは至極当然のことだろう。
ところでこのサントラ盤は昔LPで発売されて以来長らくCD化されることが叶わなかった。理由としては2つの映画会社の合作だけに、権利関係が複雑で許諾を得ることが大変に困難な状況にあった為らしい。ところがつい最近突如としてCD化されたのである。これはウイリアムズのファンには朗報中の朗報だろう。
◆サントラ盤の老舗「すみや」で入手可能です。但し(2001年6月現在)3000枚限定となっていた
◆入手が叶わなかった方は発売元も「FSM」のサイト(英語)でオンライン購入が可能です。
  

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