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1956年 アメリカ映画(パラマウント) 製作&監督:セシル・ブラウント・デミル 原作:旧約聖書〜出エジプト記 音楽:エルマー・バーンステイン 【キャスト】チャールトン・ヘストン(モーゼ=預言者) ユル・ブリンナー(ラメシス2世=エジプトの王) アン・バクスター(ネフレテリ=皇女、ラメシスの妻となる) サー・セドリック・ハードウィック(セティ=ラメシスの父王) エドワード・G・ロビンスン(デイサン=ラメシスの腹黒い配下) ジョン・デレク(ジョシュア=モーゼの義弟、モーゼを慕い後継者となる) マーサ・スコット(ヨシャベル=モーゼの実母) |
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STORY![]() ヘブライ人を虐げるエジプト王ラメシス1世は神のお告げによりヘブライ人の男の幼児を殺す命令を下す。これを逃れるためにある男の子がナイル川に流されるが、行き着いた所で発見し拾い上げたのはエジプトの皇太后だった。水を意する”モーゼ”と名付けられたその男の子は先に生まれていたラメシス2世と兄弟として逞しく成人する。しかし、弟ながら人望厚いモーゼが王になりそうな気配を恐れたラメシスの部下デーサンの企みで奴隷ヘブライ人の子供であることが発覚しエジプトを追放されてしまう。放浪の末たどり着いたところで遊牧民族に助けられ族長の長女と結ばれる事になる。ある日見上げる山に導かれるように登った頂で、モーゼは神よりその加護の元にエジプトのヘブライの民を解放せよとのお告げを受ける。義弟ジョシュア等と共にエジプトに戻ったモーゼはヘブライ人の解放を王となったラメシス2世に迫るが、炎の雹(ひょう)や血に染まるナイル川の神の奇跡を見せられても一向に応じようとしない。しかし、町中の長子が死んでいく様の中、己の長子も失ったラメシスは遂にモーゼの要求に屈することになる。だが一度は解放に応じたものの妻となったネフレテリにそそのかされ意を決したラメシスはモーゼ等一行を群を率いて追撃にかかる。紅海の際に一行は追いつめられるがモーゼがその杖をかざすと目前の紅海は真っ二つに割れ彼らに道を作る。その後追う軍が水に襲われ全滅していく神の力を見せつけられたラメシスは遂に追跡をあきらめる。 たどり着いたシナイ山の麓に民を残しモーゼは神の元に登っていくが、忍び込んでいたデーサンが待ちくたびれた民衆をたぶらかし偶像を作らせ意のままにしているところへ、神との契約たる十戒を刻んだ石版を抱えたモーゼが戻ってくる。それを見て怒るモーゼが石版を投げつけると地面が割れ不届きな者達は呑み込まれてしまう。罰として長い年月の放浪を強いられたモーゼ一行だが、たどり着いた山の麓で義弟ジョシュアに後継の命を授け妻を残しモーゼは神の元に向かうべく山に去っていく。 |
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ひとこと![]() 現代の優れた映像技術と比較するとかなり画質が粗い点に気が付く。しかし、そもそも映画と言うものは”非現実”が前提であるのだから、むしろ僕はこの様な古めかしい色合いの画面に魅力を持って接することが出来るのである。 それにしてもおびただしいエキストラが群衆シーンでその迫力を醸し出す映画である。「ベン・ハー」でもここまではなかった。例えばエジプト脱出シーンの最後のカットは凄い。群衆を率いるモーゼのアップからカメラはぐんぐんと退いていき、ついには何万という群衆の先頭に点の様に写るのである。群衆の数そのものが見る者を圧倒するカットである。 主役も見事でチャールトン・ヘストンは4年前の1952年の「地上最大のショウ」でデミルに見出され大役を演じた若手。ユル・ブリンナーは同年公開の「王様と私」でオスカーを得たこれまた若手のホープ。いずれもこれから上りつめようとするエネルギー満タンの若手男優だったわけで、そのエネルギーはこの映画でも存分に発散されているのが実に面白い。とりわけユル・ブリンナーの貫禄はベテラン男優顔負けの見事なものだった。ストーリーそのものは旧約聖書に可能な限り忠実に従っているので観る方も筋は解っているが、しかしこれほどに豪華絢爛たるスケールの映像を見せつけられると実に4時間はかかる長時間映画ながら見通してしまうのだから、作られて約50年も経っていながらさすがの一策だと思う。 |
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最近判明したことなので・・・ところでこの種の映画で必ず見られる君主と奴隷の関係についてだが事実はどうも異なっているらしいことが解ってきた。この何年かでエジプトの遺跡発掘で判明した事実では、当時のエジプトでは奴隷制度そのものが存在しなかったらしい。例えばあのピラミッドの建設についても長らく10万人以上の奴隷をかり出して作ったと言うのが定説になっていたのだが、その周辺で奴隷の収容施設とは程遠い生活住居の後が見つかり、そこには女子供の骨も見つかり家族で暮らしていたものと思われている。判明してきているのは奴隷として働かされたのではなく、民衆が進んで王の為に建設労働に従事したのが真説なんだそうだ。そうは言っても映画の中のことはそれはそれで目くじらを立てず観ることにした方が良いのだろうけれど・・・ |
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