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燻製をはじめよう



はじめに

_ 皆さんは燻製についてどの様な印象をお持ちでしょうか?「硬い」「塩辛い」という イメージの強いのが燻製です。

_ 例えばベーコンやハムはどうでしょう?質の悪いそれらではロウ細工の様な ツヤと二つ折りするとペキっと折れてしまう硬さ、生ハムに至っては単体で 食べると美味しさよりも塩を強く感じてしまいます。

_ しかし、これは残念ながらある程度仕方のないことです。生産者と消費者の間に 流通という段階があるため、燻製の香りが落ちたり保存を前提としている事から 塩分をしっかりと利かせないといけなかったりと。

_ そこで!まず騙されたと思って燻製を自分で作ってみてください。

_ 以前にラーメン屋さん(後に説明する“一斗缶スモーカー"の材料である一斗缶を くれた方)で、お医者さんから塩分を控えるように言われている大将がいましたが、 その方から(私の作ったベーコンを)薄塩で美味しく食べられたとお褒めの言葉を頂き ました。

_ 茹でるタイミング(もしくは茹でない)で食感も全然違ってきます。熟成させていく中で 肉のツヤが変わり、「おっ!こりゃ市販品を越えたかな?」と自惚れる事も!?

_ もう一度くり返します!まず騙されたと思って燻製を自分で作ってみてください。

スモーカー

_ さて、燻製を始めるには道具が必要です。

_ 燻製を簡単にやりたければ「中華なべ」を使うやり方があります。ただし、残念ながら私は 中華なべを使った燻製をしたことがないので、このサイトでは説明しません。(ただし、 燻製の理屈が分かれば中華なべ・燻材(スモークウッドやスモークチップ)・網・アルミホイル で手軽に行えます)

_ さて、中華なべを使わずに燻製を作るにはスモーカーが必要です。スモーカーにはいろいろな 種類がありますが、大きさや形状など、自分の思いにあったスモーカーを選びましょう。

_ とりあえず楽天市場で スモーカー(じゃないものもあるけど) を紹介します。ある程度条件を絞って検索をかけてるんですが、あまり関係ないものまで 出てくるのはどうにかして欲しい…。用途と値段を考慮のうえ選んでください。 _ 燻製をはじめようと考えている方は、まずダンボールの簡易式の1000円未満で一式そろった セットを試してみると良いでしょう。(私もスタートはこれでした)そして燻製を本格的に はじめようと考え出したら、しっかりとしたスモーカーを購入しましょう。(お近くにキャンプ ショップやDIY、アウトドアグッズを売っているお店があれば覗いて見ましょう。それまでは 気が付かなかっただけで大きな店舗ならちゃんと燻製グッズを置いてますよ)

_ しかし!

_ 本格的に燻製をはじめだしたらスモーカーのサイズなどにもこだわりだす事は確実です。そこで オススメなのが「自作の一斗缶スモーカー」。材料費はタダみたいなものです。作成方法は「 のぼると愛子の燻製の部屋 」を参考にしてください。

_ ただ一つだけ付け加えるとすれば一斗缶の入手方法。やはり食べ物を作る為の道具ですから、 得体の知れない薬品や油が入っていた可能性のある一斗缶は少々不気味です。そこで、(知らない 人は意外に思うかもしれませんが)ラーメン屋さんや八百屋さんにお願いすれば“確実に”一斗缶が手に入ります。食品を入れていた缶ですので安心です。

_ ラーメン屋さんはラードや紅ショウガを、八百屋さんは漬物など一斗缶に入った形で仕入れて いるので、わりと簡単にもらえると思います。(同様の考えで行けば、その他の飲食店でも 入手は可能と思われます)

_ 一斗缶スモーカーですが、私は少々欲張って2段重ねに することにしました。その為、下段の一斗缶には上の 一斗缶とずれない様、ガイドを付けてみました。
_ もちろん、上に載せる一斗缶の底には煙が通るように 穴を開け、ブロックに下段の缶を載せ、その上に 上段の缶を載せることにしました。 (後に改良を加える事になる)
_ で、結局こんな形。(庭の芝生が壊滅状態なのは 昨年の福岡での水害の為です。目をつぶって下さい(笑))

_ もっとも、私は現段階でこれで満足していますが、いずれは もっと大きなスモーカーを入手したいと計画しています。

燻製の種類

_ 本来なら一番最初に書くべきなのでしょうが、ずぼらな私は温度管理に それ程神経を使っていない(って、まじめに燻製作りをしている人が 聞いたら怒られそう)ので、大まかな説明になります。

_ 燻煙時の温度で90℃以上で燻煙するのが「熱燻」、60〜80℃が「温燻」、 15〜30℃が「冷燻」となりますが、詳しい記述はリンク先のまじめな サイトをご覧ください(笑)。

_ ただ、私の「2段式一斗缶スモーカー」は下段で「温燻」、上段で「冷燻」 が出来るという優れもの(?)です。今日、デジタル式の温度計で計測しながら 燻製を作ってみたところ、下段の上部で「温燻」に最適な温度、上段で「冷燻」 にはやや高い33℃程度でした。

_ しかし! 温度が数度違ったから「冷燻」じゃなくなるとしても、 食べ物じゃないものが出来上がるわけではないのであまり気にしない ことにしています。まずは四角四面の定義にとらわれず、チャレンジ することをオススメします。(まだまだ修行の身ですので、この考えが 正しいとは思っていませんが、燻製作りの諸先輩方、お許しを!)

チップ&ウッド

_ さてさて、スモーカーは中華なべでも段ボール箱を自分で加工しても、 一斗缶で作っても構いませんが、こればっかりはショップで購入するしか ありません。(家の近くに小学校がありますし、大きな公園も。そういえば サクラの木があったなぁ・・・って、ウソですよ!)

_ 燻製を作る際、煙を出す為に燃やす材料を「燻材」と言いますが、この言葉、 辞書に載っていませんでした(笑)。と、言うことは燻材と言うキーワードで 検索をかければ間違いなく燻製に関するサイトが見つかるはずです。

_ この燻材ですが前述のスモーカーと同様なショップで手に入ります。

_ 大まかに燻材の種類を挙げるとスモークチップとスモークウッドがあります。
もちろん、「木」そのもの(いわゆる薪やロックとは呼ぶものもあるようです)を 使う方法もあるようですが、入手は困難なので無視します(笑)。

_ スモークチップ は木を粉砕して2〜3mm角で厚み0.5mm程度の(まさに)チップです。 チップ自体に火をつけて使うのかな?と最初思いましたが、実際はチップ用の受け皿に チップをのせ、熱源で常に熱を加えることにより煙を出す必要があります。(もちろん、 ある程度炭状になればこれ自身にも火が付きますが)

_ チップの量にもよりますが、一度に大量の煙が発生しますのでご注意を。最初はご近所 迷惑かとビビッてしまいましたが(笑)。利点は安く、煙の量をたっぷり出せることですが、 最大の欠点はコンスタントに継ぎ足す必要があります。これが結構面倒な作業になります。

_ 市販の高級なスモーカーなら「燻材」を継ぎ足す為の窓も付いているものもありますし、 自作でも少々凝れば窓ぐらい作れますが、窓無しのスモーカーなら燻製の材料を一度取り出し、 チップを足してまた材料を戻す。いま、この面倒を解消する秘策を実験中です(笑)。

_ あと、もう一つの欠点は熱源が無くては煙が出ないと言う点です。温度管理との兼ね合いで 温度が上がりすぎたときに煙を出したいけど温度は下げたいって時に面倒です。

_ スモークウッド は根っからの貧乏性の私にはなかなか利用できません(笑)。

_ スモークウッド はチップと違い熱源を必要とせず、それ自身に火をつければ 煙を出すことが出来ますし、一定の量の煙をコンスタントに出す事が出来る為、 発煙時間の調節も簡単に出来ます。

_ 熱源を必要としないので、冷燻にはとても便利ですし、チップみたいに継ぎ足す 必要がありません。はっきり言って良い事ずくめですが、値段が・・・。

_ 私はのこぎり等で2〜4等分して使用しています。特に生ハムやスモークサーモン など、複数日に渡って燻煙しないといけない時、会社から帰ってすぐに切り分けた ウッドに火をつけスモーカーに放り込みます。そして食材をセットし食事・入浴後。 就寝前に取り出した食材をまた干すという工程をくりかえす場合に便利です。

_ そして、スモークチップ&ウッドとはどんなものか?いくらぐらいのものかの参考に、 楽天市場で売られている「 スモークウッド&スモークチップ 」をご覧下さい。いろんなものがありますし、値段もまちまちです。購入に関しては ご自身で吟味してみてください。(もちろん、お近くのお店で入手可能なら送料が かからない分安いかも) _ あっ、それから燻材の種類として「サクラ」だとか「クルミ」だとかのそれぞれの特徴に 関しては(これまたスミマセンが)他のまじめなサイトを参考にしてください。(まだ 経験が浅く、読んだだけの知識を転載しても意味がないのでお許しください)

その他の道具

_ 「チップ&ウッド」でさらっと“熱源”と書きましたが、具体的には何を使うのかという 疑問があるでしょう。多くの人は電熱線のヒーターを使っているようです。屋外用のコンロを 使っている人もいますが、私はステンレス製の七輪と炭を使っています。理由は・・・安上がり だから(笑)。

_ それから重要なのが網。自作一斗缶スモーカーを例に取ると、このスモーカーに入るサイズの 網が案外見つからないものです。結局、100円ショップに1辺23cm程度の真四角の網があり、 大量に購入しました。

_ 続いて食材を縛るタコ糸ですが、DIYの店などに行くと思いっきり太いタコ糸があります。 (直径3mmぐらいのものとか)力任せにベーコンやハムを縛って形を整えるのに、細い糸だと 肉に食い込むだけで、ヘタすると切れたりもします。使いやすさと相談しながら太目の糸を 選ぶと良いでしょう。

_ その他にも燻材を入れる皿やS字フックなど、すべて100円ショップで購入。同じ程度の品物でも 100円ショップで買えるもの、キャンプ用品店では無茶苦茶割高なもの、逆に専門店で見てはじめて 知るものもあるでしょうから、一度その手のショップを覗いてみてください。
(ちなみに私はマジックも趣味にしていますが、文房具店・釣具店・キャンピング用品店・手芸店・ 台所用品売り場など、それぞれのジャンルの専門用品でも他に使えるものがないか考えながら ウィンドショッピングするとなかなか面白いですよ)

何を燻す?

_ 燻製と言えば「スモークサーモン」「ベーコン」「ハム」そして「ソーセージ」でしょうが、 知らないとは恐ろしいことです。私は一番最初の燻製作りで(今考えるととてつもなく無謀な 事ですが)1000円未満のダンボール製の簡易燻製セットでスモークサーモンを作ろうとしました(笑)。

_ 準備に数日かかるもの、燻煙時間が長いもの、完成まで熟成させる時間が必要なもの、合わせて 完成までの間に気候まで影響があるもの、いろいろあります。まずは簡単なものから練習しましょう。
(ちなみに完成まで数時間の燻煙と数日の熟成が必要なスモークサーモンですが、最初の挑戦は ものの見事に失敗。しかし、失敗作のサケをフライパンでバラバラにしながら炒ってサーモンフレーク にしました。塩っ辛いこのフレーク、お粥に適量加えるだけで良い味が出てなかなかの好評。 まぁ、燻製は常識的な食材であれば失敗しても食べられないものにはならない良い例です)

_ 私と同様、ダンボール製の簡易燻製セットでスタート、もしくは2000円程度の小型スモーカーなど を前提としてオススメ食材をまとめます。

塩鮭 燻製の実力に驚いてしまった一品です。ワインにも合いますし、ご飯にも合う不思議な味です。
シシャモ こちらもそのままで完成品を更に燻煙にかけることによりワンランク上の味に変わります。
チーズ これは定番。ただし、熱に弱いので網の上に乗せておくと跡が付くのは確実ですし、吊るすと落ちる可能性があるので注意
チキン(手羽先) 塩漬けと塩抜き、下茹での段階で90%勝負が決まりますが、(経験上)簡単で美味しいスモークチキンが完成します

_ あと、ベーコンも(自己採点では)既製品を越えた(?)と感じられるものが意外と簡単に できます。お酒の友、イカクン(イカの燻製)も自家製なら格別です!

_ そして! 私の最近のお気に入りがチーズを鶏肉で巻き、燻製にした「チーズの鶏肉巻き」は 姪っ子の大のお気に入りです。やっぱり自分の作ったものを嬉しそうに食べてもらえると これほど嬉しいことはありません(笑)。

_ ただし、充填機などが必要な上、「腸」自体が入手困難、更には充填のスキルが必要な ソーセージはまだまだ手が出ないでしょうが・・・。



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