※「チャリ」歴
私は,小学校に入っても自転車に乗れなかった鈍いやつだった。
で,20インチの自転車を買ってもらい泣きながら練習してやっと乗れるようになった。
この自転車は再生品らしく,パーツによって違うメーカーの名前が付いていた。今ならむしろ面白がるのだが,当時は子どもながらに変な自転車だと思っていた。その後,体が大きくなるのに合わせて24インチのれっきとしたブリヂストン製を買ってもらう。このころからいわゆる少年用の「スポーツ車」が流行し,ウインカーを光らせて走る友達をうらやましく思ったものである。
やがて,5年生の頃だったか,ついにスポーツ車を買ってもらえることになった。ブリヂストンの「ヤングウェイ5」忘れもしない\30,800!(これを思うと今の自転車はなんて安いのだろう。)低いグレードだったので,ウインカー・ストップランプや,ディスクブレーキはなかったけれど,2ライト+テールランプ。(なぜかヘッドライトより,テールの点灯に感激した。)疲れにくいという「オーバルギア」のチェーンホイール。5段で15段の威力という超ワイドレシオの「オーテルマックス」リアスプロケット(ディレイラーはシマノ製だったと思うのだが《思い出した。シマノの「スカイラーク」だ》あの超ワイドはどうなったのだろうか?今でも需要はあると思うんだけれど。《「メガレンジ」に形を変えましたね。今の自転車に付けました。》)などのメカニズム。艶消し黒の低床フレームに先のとがった三角形のチェーンカバー。今はどこでも見ないセミドロップハンドルと,とにかくかっこよかったのである。(しかし,我ながら良く覚えているものだ。)
乗る機会は少なくなったが,結局大人になるまでこれに乗っていた。実家を離れたときに置いていったので,いつしか処分されてしまった。
働くようになると,自動車通勤をするようになったので自転車に乗ることも少なくなった。しかし,わが家の場合駐車場まで800mほどあり,(車庫法改正前は特例扱いだった。)歩いていくのがおっくうである。雨の日など路上駐車をしてしまったこともあるが,いつからか取り締まりがやたらと厳しくなったので,ちゃんと駐車場に止めて自転車で通うことにした。
このとき買ったのがMTBスタイルの,オフロードは走るな(^_^;という注意書き付きの自転車。ママチャリでも良かったのだが,3x6段変速,フロントサスペンション付きで1万円そこそこと言う値段。ママチャリだってハブギア3段変速のやつはもっと高い!というわけで完全に値段で決めたようなもので,スタイルは気に入ってはいなかった。そもそもMTBは,中途半端にスロープしたフレームや,やたら太くてごっついタイア,妙になで肩のフロントフォーク(これはMTBだけではないが)など,あまり好きではなかったのだ。
MTBファンの人,ごめんなさい。
さて,そもそもこんな気持ちで乗っていたためか,この自転車は悲惨な目に遭う。駐車場の隅にゴミ(毛布とか,サーフボードもあった)を捨てていた馬鹿者がいて,いたずら(なのだと思う)してそれに火をつけた大馬鹿者がいたのだ。我が自転車はそのとばっちりを受けて半焼。フロントタイヤは燃えてしまい,あちこち焼けこげだらけとなった。
それでもタイヤを取り替えて乗っていたのだが,こんなボロは誰も持っていくまいと鍵もかけずに置いておいたら,物好きな奴がいたとみえて消えてしまったのだ。(考えてみたら,これなら持っていっても平気だと思われたのかもしれない。)
この事件より2・3年ほど前,実家の父が自転車に凝っていることが判明。何と2台の自転車を乗り分けているとか,ヘルメットまで買ったとかサイクルコンピュータなるものまでつけているという,このときはまだあまり関心が無く,還暦を迎える人がよくやるわいと思っていた。それでも少し刺激され,運動不足がちであったこともあって,ちょっと真面目に乗ってみようかな,と思いだし,通勤路(15〜6km)を走ってみたりもしていた。
そして1998年の夏,例年仲間が集まる信州のキャンプ場に,自転車を持ち込んだ奴らがいた。それらを借り出して軽く山を(舗装路だけ)走ってみたのだが,いやはやまったく体力のないことを再確認。これはいかん,もう少し走らねば,ということになる。
しかし,もう無理ができる年でもないし,何か良い方法は・・・と考え,折り畳み自転車に注目。自転車で出かけて,疲れたり天気が悪くなったら畳んで電車で帰ってくればいい,という軟弱な選択ではあるが,無理をして続かなくなってはしょうがないもの。
ところが,スポーツ的に乗れる,少なくとも変速機付きの折り畳み自転車の情報がよくわからなかった。それで,WEB上でもいろいろと探したりして,「おのひろきおんらいん」や,「FOLDING BIKE FUN」(現在このページはなくなってしまいました)などを参考に,ドイツ製(実際の生産は台湾)のBD-1(日本仕様の名前,本来はBirdyという)か,イギリス製(同じく台湾生産)のブロンプトンのどちらかを候補とし,雰囲気としてはブロンプトンが好きだが,機能面から判断して1998年9月にBD-1を購入。今はずいぶんメジャーな存在になったが、「ブーム」に少しだけ先んじたタイミングであった。
本気で「走る」人とは比べ物にならないが、東京まで走ったり(私は千葉市在住),佐倉でマラソンに出る同僚の応援にでかけ,偶然にもマラソンの距離と同じ位走ったりした。他にも
九十九里浜や養老渓谷に行ったりもして、2002年現在で通算5000km程は走った。一回に走った距離としては97kmが最高。平均速度18km/h位で、思っていたより速かった。80kmを過ぎたあたりで妙にスピードに乗ることができたのが不思議。(「ランナーズ・ハイ」ってやつと似てる?のかな)
※BD-1
カタログによれば15秒で畳めるということだ。店頭で畳んである姿を見ても,どうやったら元に戻るのかさっぱりわからなかった。フレーム自体を折らない畳み方が特徴
アルミフレームで,重量10.5kg 18インチのタイヤをはき,シマノの7段ディレイラーをグリップシフトで操作する。前後にサスペンションを持ち,ブレーキは今やMTB標準のVブレーキ(ただし元祖シマノではなく,テクトロ製)で,はっきりいって私には効きすぎる。(すぐにロックしてしまい,怖かった。)
※なんて言っていたのにリヤブレーキをシマノLXに交換。これはブレーキシューが平行移動するもので,フレームの設計上ブレーキに角度が付いているBD-1でもきちんとリムにゴムが当たる。(つまり元々のはきちんとあたらないのだ。)
現在は変速段数は8速・9速がラインアップされ、2003年モデルではシマノの小径車専用コンポを採用してフロントのチェーンリングが小さくなったものもある。他にベルトドライブのBD-2というモデル(現在は生産中止)や,外装8段+内装3段の21段変速というBD-3。フロント2速・リア8速のBD-W。チタンフレームにディスクブレーキ(アルミより重いのが不思議)のBD-tiなどもある。また,OEMでプジョーブランドのものもあり,しゃれた外観の割に,流通ルートの違いからか本家より値段が安い。私が買った時には品切れしていたのだが,もしあったら多分こっちを買っていたんじゃないかと思う。
※ブロンプトン
BD-1も参考にしたらしい,究極の折り畳み方。嘘のように小さくなってしまう。
ドイツとイギリスの持つイメージさながらに,理屈っぽいBD-1に対して優雅さを感じる。16インチタイヤ,後ろのみサスペンション付き(といってもゴムを挟んでいるだけのような物。この点はBD-1のリアサスも見た目は同じようなもの。)本国では5段変速もあるのだが,日本に入っているのは3段のみ。(いずれも内装式)変速が3段ということと,フレームを折る(だからこそ小さくなるのだが。)点から,こちらは選ばなかった。もし5段変速モデルがあったら,もっともっと悩んだことであろう。
※2000年モデルから,5段変速も導入。(従来と同じ台湾製)さらに英国本国製も
輸入が始まった。(台湾製よりかなり高いです・・・ってモールトン自転車程ではないが。)
※ミズタニ自転車:BD-1やブロンプトンの輸入元。同社では他にもよりマニアック?なBike Fridayシリーズなども扱っています。