5-13.衆議院総選挙に思う
(2000.06.27)
衆議院総選挙の結果は、みなさまも報道などで十分ご承知でしょうから、
重複は避けますが、結果をどう思うかは、人それぞれですが、ぼくの感じたことを
書かせてください。
一番問題なのは、民意が正確に反映されているかどうかです。死に票も多く、
問題もあります。
民主主義は、民意が正確に反映されることが、言うまでもなく基本です。
小選挙区制と死に票は相関があり、やむを得ない所もありますので、問題は
『小選挙区制』です。
ご存知の様に『小選挙区制』は、2大政党の拮抗により、柔軟な国政を可能に
しようとする考え方ですが、政権党は『小選挙区制』を導入する時点で、日本が
2大政党が拮抗していない事は十分承知していた筈ですが、にもかかわらず、導入を
強行したのは、何故でしょうか?
その理由は、徐々に政権党支持率が低下している現実を踏まえて、生き延びる為の
方策(策略?)でした。
本来なら、2大政党の拮抗が現実になった時点で、始めて『小選挙区制』を
導入するのが順序です。
それを、未だ強行採決できるうちに、作ってしまいました。
批判をかわす為と、自政党の敗者復活の為もあり、比例代表制を作りましたが、
2回目の今回、比例区の定数を自政党の必要程度に削減しました。
その際にも民意の「落ちた人が結果的に当選するのはおかしい」との、よく事情を
理解してない一部の方の言葉を、誇大に利用しました。
ですから、野党第一党以外の政党が当選者を増やせなかったり、衰退したのは、
筋書き通りの結果です。
斯様な状況を作った上でも、大幅に当選者を減らした政権第一党は、如何に
批判されたかがわかります。
比例代表区は日本が真に2大政党化する迄は、もっと必要なものなのです。
かえって増やすべきなのです。
野党第一党がいくら躍進しても、数合わせにしろ安定多数を獲得したのは
事実ですから民主主義の日本では現政権の勝利は否めません。勝てば官軍です。
問題の、もうひとつは、1票の格差問題です。
前回の総選挙でも、2.5倍以上の差がありました。
野党第一党の支持者が多い都市部と、政権党の支持者が多い、地方との格差が
2.5倍以上あります。
最高裁判所の判事の大多数は、違憲としませんでした。
今回の選挙は最高裁判事の信任投票もありましたが、皆さんは裁判官の判決と
名前を記憶して×を付けたでしょうか?
現与党3党の落込みは確実ですが、民意が政権に反映されるには与党の権謀術数も
あり時間がかかります。
その時間を極力、短くして、また正確な民意の反映を実現する為の、ぼくの提案を
申しあげます。
1.小選挙区制になってしまったのは現実ですから、野党は大きな目標を共有し団結
しなければと思います。
投票する際、政権党か他の一党か、だけです。
それ意外を選んでは、政権党の思う壺です。
現に政権与党3党の内実の乖離は甚だしいものです。それを考えれば野党間協力は
可能ですし必要です。
2.地方の保守王国と言われる地域の方々に、是非、現実を見つめて欲しいと思います。
政府は、旧・日債銀や長銀に何兆円もの資金投与を行いましたが、皆さんは日債銀や
長銀を、ご利用されたことがありますか?
我家のメイン・バンクは日債銀です、長銀です、という方がいるでしょうか?
全国民の中でそんな方は1%もいないでしょう。
それは日債銀や長銀は銀行の元受とも言うべき、銀行の銀行だからです。
利用できる単位金額も、庶民の使える金額では、ありません。
さらに大銀行を救済しますが、小さな地方・都市銀行、信用組合などは、
見捨てます。
さらには、なぜ銀行だけ救済するのでしょうか?、民間の中小の企業も、なぜ救済
しないのでしょうか?
大銀行や大企業を救済して、そこに働く労働者 = 一般庶民、は何故見殺し
なのでしょうか?
さらには、農家もそうです。出稼ぎや巨大な負債をしなければ運営できない、システムに
組み込まれて、生き地獄のような生活を強いられていますのに、そのような地方こそ
保守王国というのは、なぜでしょうか?
(国の援助金で銀行は赤字国債を買わされています。
だから庶民や中小企業に貸すお金がないのです。)
地方の庶民の皆さん、現実を仔細に見てください。
あなた方の地方に、地方交付税や、財政投融資が、少しばかり増えても、日本は
どうにもならないほどに沈みかけています。
一地方の観点でお考えにならず、大乗仏教の様に、日本全体で考えてみてください。
(小乗仏教 = 利己的)
仏教の教えの様に、結果的には、遍く衆生が救われます。
利己的に行動し幸福になれるのは独裁者だけです。
都市部の庶民は、目覚めました。実際にリストラにあったり、目の当たりにして
気付きました。
どうぞ、地方の皆さんも気付いてください。
政府は庶民のことを、考えてはいません。
日本の税収は、法人税よりも、庶民が納税している、所得税や消費税の方が多くなって
いますが、そのお金の使いみちは、どちらに向いているか(庶民か、法人か)
ご覧ください。
お上の言うことに従って居れば、きっと良くしてくださる、と思っていますか?
このままでは、大増税か、大インフレ等の徳政令か、さらには、選択肢は
「戦争」しかなくなるという現実に気付いてください。
「戦争」で悲惨な目に遭うのも庶民だけです。
マスコミもあまり信用できません。
信じられるのは証券欄の株価くらいでしょうか?しかし株価さえ浮動株が極端に少ない
ので、株主総会前に値を上げるのは周知の事実です。それほど株価操作は簡単です。
どの新聞社も放送局も同じ様な事を言っていますが、自由社会でそこまで見解が
一致するのは異常です。
どこかでコントロールされています。
日本の歴史を思い出してください。庶民が歴史に登場したのは、明治か、もっと
確実には第2大戦後です。
有史以来戦前までの日本は、実に民衆の生命を、粗末にした国です。
玉砕、インパール作戦、自国民さえ大切にしない国、それを良い方向に変えてくれたのは、
ある意味でGHQです。
現在の憲法も大部分はGHQが作りましたが、そのお陰で平和が続いています。
拡大解釈や、玉虫色解釈で、かなり骨抜きになってきているので、とても心配ですが。
憲法を変えるのは日本国民一人一人が、正しいと思うことを正しい、と、言えるように
なってからでなくては危険すぎます。
もっと国民一人一人が大人になる必要があります。
今はお上(政府)を親と慕う子供状態です。
大人になるには、17才も乗り越えて、現実を直視しなければなりません。
その為には、勇気が必要です。