5-12.キャリアシステム(政府・企業)の問題
(2000.04.02)
日本がここまでダメになったのは、国や大企業の『キャリア・システム』が原因だと、
言ってもいいです。
正確には、他人事と思ったり、人の所為にする国民性を、考慮すれば、原因は、
それを許して来た国民ですが、結論から言えば「自浄作用が無い!」ということです。
問題は如何に自浄作用のある国にするかという事ですが、その際に問題になるのが
『キャリア・システム』なのです。
日本のキャリア・システムについては、いつか書かなければと思っていました。
言えることは、欧米では権力の新陳代謝が、活発に行われていることです。
アメリカでは大統領が変わるとワシントンの人口の半分が入れ替りますし、官僚の局長以上は
全部、首のすげ替えが行われます。
日本では入社時の条件、学歴、公務員試験にパスした、私立と公立と○○大学とでは、
極端な差があります。
たった一度で一生が決まってしまう、努力しなくてもエスカレータのように出世してゆく、
現場も知らずに実技も体験せずに(問題の本質を実体験せずに!)リーダーになってしまう、
これでは舵取りができるはずがありません。
激動の現代社会において、20代の一瞬に、大目に言っても20代前半迄の実体験の無い実績で
その人を国家のリーダー、企業のリーダーに決めてしまうのは、旧ソ連の破綻した計画経済と
同じ位、異常な事です。
旧日本軍を暴走させたのは、司令部の無知もありましたが、司令部の指令を無視して
戦線を勝手に拡大させた各軍の司令官・参謀達にも、責任があったということを、
何かの本で読みました。
各軍の司令官・参謀にしろ、司令部にしろ、現在で言えば、『キャリア』です。
このことを書いたのは、同じ歴史を繰り返してほしく無いし、繰り返しそうで、
心配だからです。
組織や社会の中で、陰でなく表立って、右を向けと言われた時に、信じる事を言い、
行動出来るかどうかです
私はキャリア・ウーマンとか大企業の学卒だからと思わないでくださいね、
これも別のページで書きたいと思ってますが男女雇用機会均等と言っても現実は、
そうでは無いという事をですが、ここで申しあげたいのは、さらに男性・女性に変わりなく
一般に言ってるキャリアとは桁違いの権力を掴んでしまった人たちのことを言って
いるのです。
それは大企業や公務員の学卒の中の、能力だけではなれない(コネですが)
極々一部の人種の事なのです。
日本は、戦後GHQが残してくれた素晴らしいものを、少しづつ骨抜きにしてきた結果が、
今の不況や全ての疲弊だと思います。
シャウプ税制や憲法までも改悪しようとしいてますが、自由意志で個人の意見を
言えない日本人は、つまり子供です。大人になっていないのです。
子供が法律や憲法まで変えたらどうなるでしょうか、恐ろしいですね。
憲法でもなんでも、改善は必要で大切です。
時代とともに、すべては変わって行きますから、固定的なのは良くありませんが、
まず最初に大切で必要なのは、誰もが正しい情報を得られて、自由に意見を言える社会の
確立です。
それすら出来ない状況で、国家の基本を変えていくのは危険なことです。
ディス・クロージャー( disclosure )情報の開示(特に国、地方自治体や、企業など)が
前提です。
( disclosure とは close を dis することです!、閉ざされたものを、否定することです。)
それ無くして国民ひとりひとりが正しい判断は出来ません。
一部の人間や組織に権力が集中していることは危険な状態です。
そして私たち国民は、自らの手で正しい情報を入手し、正しい判断を行政に反映
できるようにならなければ、いつになっても日本は、民主主義社会とは言えません。
主権在民なのですから。主権在キャリア・・・ではありません。