第17弾創作ワークショップ
「食べて、触って、色を感じる」感想
 


参加者の感想
── 高橋初枝 ──

 以前からぜひ参加したかった創作ワークショップ。やっと都合が合い、ワク ワクしながら参加しました。テーマは「食べて、触って、色を感じる」。
 最初の自己紹介で、言葉や形、音、香りに色を伴って感じる人と、そうでは ない人がいるのが分かりました。私自身は、色を感じるというか、色が見えま す。視覚障害者1人と晴眼者2人の3人1組のグループに分かれて、いよいよ ワークショップの始まりです。

 先ずはアイマスクをして、配られた何かを食べる(飲む)ことでした。私たちの グループはヨーグルトドリンクでしたが、アイマスクをしているせいで、いつもより 嗅覚・味覚が敏感になったようでした。
それぞれ感じた事を言葉にするのですが、味を色に例えるのは他の方々はなかなか 難しいようでした。私は、とろみのあるのど越しと甘酸っぱい味が、半透明の白を ベースにした若苗色と浅葱色の墨流しのように思いました。

 次は、袋に入った何やら怪しげな?物を3つ触ります。大きさの割に重量を 感じさせるハーモニーボールは音も鳴るので、藍染めのような濃紺が薄くなったり 暗くなったり赤みが加わったりと次々に変化していきます。ビーズのがま口の ひんやりした感触で、私は少し緑みのあるナイルブルーを思い浮かべましたが、 触っているうちにひんやり感がなくなり、続いて触った方はビーズの生暖かい 感触にまた違ったイメージを持たれたようです。
赤唐辛子の少し凹凸のあるツルリとした表面は、熟し切れていないトマトの へた周りの色と思いましたが、他の方は全然違う色をイメージされ、面白いったら ありません。感覚ってやはり主観的なものなので十人十色すね。

 いよいよカッティングシートやラインテープを用いての創作開始です。 イメージが一番具体化した私に主な構図と配色を任せていただき、大まかに決定。
3人でシートを切ったり貼ったりするのですが、切る形を言葉で伝えるのが、 これまた難問でした。緩やかなカーブと言ってもその度合いが各々違います。 それでも、順調に仕上がっていき、なんとか時間内に完成! ケント紙の上から こぼれ出る和音が、皆さんは聞こえましたでしょうか?  各グループの作品は、どれもユニークなものばかり。へぇ〜と感心したり、 笑いが起こったりの鑑賞タイムも面白かったです。

 アートには言葉も理屈もいりませんし、上手も下手もありません(たぶん・・・)。 感じたままを創作するって本当に楽しいですね♪
 光島氏初め、ビューの皆様、ありがとうございました!!

── 井尻貴子 ──

とろっ、さくっ、ぱちっ
ざわざわ、ふわふわ、がさがさ
みなさんは、こんな感覚から、どんな色を感じますか?

今回の創作ワークショップ。食べて色を感じる?触って色を感じる? それって、どんなことがわからない、という参加者も多数。 でも、興味があるから参加した、というだけあって、はじまってみると・・・
「やわらかくてあたたかいから、薄い橙色かなあ。暖色系だよね。」
「つるつるしていて、冷たい。銀色が思い浮かぶ。」
「かたい。かたさは、白か黒を連想させるな。」
などと、どんどんでてきます。

おなじグループの人同士、頷きあったり、違う、と首を振りあったり。
続く創作でも、皆さん、どんどん手を動かしていきます。
また、今回は見える人も、見えない人も、一参加者。見える方が 「サポーター」という位置づけではなかったこともあってか、 いつもの創作WSよりも、遠慮なく(笑)グループ内でイメージをぶつけあい、 ひとつの画面にまとめあげていかれていたように思いました。

私たちは、日常生活においては、自分の得意とする感覚が優位に なってしまっています。
そして、多くの方にとって、それは視覚であると感じられているようです。
五感を刺激する、というのは月並みな表現ですが、普段使っていない 感覚に集中して、感じることは、世界の新たな見方を発見することにつながります。

感じる、ということ、それを伝えあう、表す、ということの おもしろさを改めて実感したWSでした。

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