第12弾お絵描きワークショップ
「えのぐで遊ぶ・色で遊ぶ2〜海の色の貝殻〜」

 
 


2008年8月31日(日)
場所 山科身体障害者福祉会館
参加者 見えない人・見えにくい人 : 5名
見える人(サポーター) : 6名
講師 : 鈴木ともこ

── 鈴木ともこ報告 ──

昨年夏もえのぐを使うことをテーマにしたワークショップを行いました。
その時のいろいろな反省点を踏まえ、再チャレンジ!です。
前回はえのぐを使うことに気を取られ、何を描くかという内容を疎かにしていました。
そこで、”海”という漠然としていながらも、誰もが自分なりのイメージや思い出を 持っているであろうものをテーマ内容に。
また、本気で「えのぐで遊ぶ」ことをして欲しい!
体を使って遊んでいると、自然に心も解放されるものです。
全身えのぐまみれとまではいかなくても、手と足くらいはえのぐまみれになって、 「大人になってこんなこと、するとは思わなかった!」ぐらいの感想を言ってもらえれば…!

制作前に 今回は大きな紙をみんなで取り囲むように座り、絵を描く前に「海」の色のイメージを ひとりずつ聞いていきました。 使う色をあらかじめ決めておくことで心構えにもなりますし、サポートする方にも伝わりやすい。 そしてその時間を利用して、水を汲んだバケツの中に足を入れ、ぬれることへの抵抗感を 少しでも無くしてもらうことにしました。

いざ、えのぐ!で躊躇される方がいるかと思いましたが、みなさん、どんどんと 足でえのぐを広げていきます。
その勢いに私の方が押され気味。けれど、笑い声や「もっと、こっちも」と 進んでいかれる姿は嬉しい限りです。
海の色を描いた後は、「海にあるもの」を連想して、更にえのぐで描いてもらいました。
灯台や海藻や水の泡などなど…すでに海をイメージしているのでどんどんと描き進んでいきました。
海の絵制作風景1 制作風景2
制作風景3 制作風景4
海の絵完成
貝を触る この大きな「海の絵」は次はバラバラに解体し、色の紙として活躍してもらいました。
「貝殻」を触って、そこから感じるものを切り絵にしようという試みです。
貝殻そのものを切り絵にしてもいいですし、何か連想するイメージを作ってもいい。
参加者の方々の絵は様々でした。
平面的に貼るとばかり考えていましたが、立体的に画面から渦巻きが立ち表れ…と。
こんな風に自分の期待を裏切られる事は実に楽しい!だからこそのワークショップです。
作品1
グルグルうず巻貝
作品2
引き潮
作品3
貝底
作品鑑賞
互いの作品を鑑賞
作品4
サウスビーチ
作品5
海のバリエーション

今回のワークショップで何より嬉しかったのは、参加者の方が作品を作っているとき、 笑顔だったことです。
ワークショップをする側が伝え方を上手くしないと作り手は迷い、作品作りに没頭できません。
せっかくの「えのぐ」と触れ合う機会をこちらが無にしてしまってはいけないのだなと あらためて感じました。
また次のワークショップをする時もこの実感を大切に、楽しんでもらうことを第一に、 考えてやっていきたいと思います。
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