── 鈴木ともこ報告 ──
昨年夏もえのぐを使うことをテーマにしたワークショップを行いました。
その時のいろいろな反省点を踏まえ、再チャレンジ!です。
前回はえのぐを使うことに気を取られ、何を描くかという内容を疎かにしていました。
そこで、”海”という漠然としていながらも、誰もが自分なりのイメージや思い出を
持っているであろうものをテーマ内容に。
また、本気で「えのぐで遊ぶ」ことをして欲しい!
体を使って遊んでいると、自然に心も解放されるものです。
全身えのぐまみれとまではいかなくても、手と足くらいはえのぐまみれになって、
「大人になってこんなこと、するとは思わなかった!」ぐらいの感想を言ってもらえれば…!
今回は大きな紙をみんなで取り囲むように座り、絵を描く前に「海」の色のイメージを
ひとりずつ聞いていきました。
使う色をあらかじめ決めておくことで心構えにもなりますし、サポートする方にも伝わりやすい。
そしてその時間を利用して、水を汲んだバケツの中に足を入れ、ぬれることへの抵抗感を
少しでも無くしてもらうことにしました。
いざ、えのぐ!で躊躇される方がいるかと思いましたが、みなさん、どんどんと
足でえのぐを広げていきます。
その勢いに私の方が押され気味。けれど、笑い声や「もっと、こっちも」と
進んでいかれる姿は嬉しい限りです。
海の色を描いた後は、「海にあるもの」を連想して、更にえのぐで描いてもらいました。
灯台や海藻や水の泡などなど…すでに海をイメージしているのでどんどんと描き進んでいきました。
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この大きな「海の絵」は次はバラバラに解体し、色の紙として活躍してもらいました。
「貝殻」を触って、そこから感じるものを切り絵にしようという試みです。
貝殻そのものを切り絵にしてもいいですし、何か連想するイメージを作ってもいい。
参加者の方々の絵は様々でした。
平面的に貼るとばかり考えていましたが、立体的に画面から渦巻きが立ち表れ…と。
こんな風に自分の期待を裏切られる事は実に楽しい!だからこそのワークショップです。 |
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グルグルうず巻貝 |
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引き潮 |
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貝底 |
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互いの作品を鑑賞 |
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サウスビーチ |
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海のバリエーション |
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今回のワークショップで何より嬉しかったのは、参加者の方が作品を作っているとき、
笑顔だったことです。
ワークショップをする側が伝え方を上手くしないと作り手は迷い、作品作りに没頭できません。
せっかくの「えのぐ」と触れ合う機会をこちらが無にしてしまってはいけないのだなと
あらためて感じました。
また次のワークショップをする時もこの実感を大切に、楽しんでもらうことを第一に、
考えてやっていきたいと思います。
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