Word of magic that brings luck
「運命・盛謝・ありがとう」
不思議な話ですよね。妻にこの話をしましたら
「え〜、そんなことがあったの〜」と言って泣き出しましてね。そりや驚きますよね。だけど、考えれぱ考えるほど、このおぱあさんは何者なのだろうと思ってしま
います。やはり魔女? まさかね。
おばあさんの家に泊めていただいた最初の晩、おぱあさんと二人きりで話をしていたとき、一方的にいろいろな話を伺ったのですが、いくつか強く印象に残っていることがあるんですね。例えば、
おぱあさん---五日市さん、運命というのはね、あるのよ。私達の人生はね。最初からほとんど決まっていたのよ。
僕は、その類の話にはあまり関心がないので「まあ、
あるかもね」と相づちを打ちました。続いて、
おぱあさん---私、ユダヤ教徒の人間だけど、『生まれ変わり』を信じているの。過去世や来世というのはあると思うわ。
このことについても、あまり関心がなかったので、「う
ん、あるかもね」すると、おぱあさんは、
おぱあさん---ツイてる、ツイてない、という『ツキ』
というものもあるのよ。
と言うので「そりゃあ、あるんだろうね」と応えまし
たら、
おぱあさん---そのツキというのはね。簡単に手に入る
ものなのよ。
「えっ?・・・どうしたら手に入るんですか?」
おぱあさん---ツキを呼び込む魔法の言葉があるのよ。
これさえ唱えていれぱ、誰でもツキっ放しになるわよ。
「本当?どんな言葉かな。難しい言葉?」と聞くと、
おばあさん---すご〜く簡単で、単純な言葉よ。
「何、なに? 教えて下さいよ」
おぱあさん---いいわよ。誰でもよく使う言葉なんだけ
ど、二つあってね。一つは『ありがとう』、もう一つは『感謝します』ねっ、簡単でしょ。
「・・・月並みな言葉なんですね。どう使い分けするんですか?」
おぱあさん---もちろん、どんな時でも自由に使っていい言葉なんだけど。そうねえ・・・、ある状況の時に、これらの言葉を使い分けたら効果的かもね。「ありがと
う」という言葉は、そうね、何か嫌なことがあった時に使ったらどうかな。例えぱ、朝寝坊しちやって、「わ
ぁ〜、学校に遅刻する!」とか、「会杜に遅れる!」
なんて時、イライラするでしょ。そんな時、「イライ
ラさせて頂き、ありがとう」と言うの。車を運転中、
事故っちゃった、そんな時も「ありがとう」。
五日市さん、あなたの親が亡くなっても、歯を食いしばって
「ありがとう」と言うのよ。どうしてかというとね。
イヤな事が起こるとイヤな事を考えるでしょう。そうするとね、またイヤな事が起こるの。不幸は重なるというけれど、それは、間違いなくこの世の法則なのよ。
だけど、そこで「ありがとう」と言うとね、その不幸の鎖が断ち切れちゃうのよ。それだけではなく、逆に
良い事が起こっちゃうの。「災い転じて福となす」という言葉があるでしょう。どんな不幸と思われる現象
も、幸せと感じる状況に変えてくれる。
絶対にね。だから、「ありがとう」という言葉はね、魔法の言葉なの・・・・・・。
僕があるとき、自分の部屋でボ〜ッとしながら、おぱあさんな言ったことを思い出していると、たまたま目の前にペンと紙があったんですね。何気なく、おぱ
あさんが言ったこの「ありがとう」という言葉を漢字
で書いてみましたら、な、なんと、『有り難う』。ド
キッとしましたね。
「ああ、そうか。難が有るときに、『有り難う』か!」
偶然の一致にしては、スゴイですよね。おばあさんは
漢字を知らないはずなのに。
それから、もう一つの「感謝します」という言葉については、おぱあさんは次のように言いました。
おぱあさん---そうねえ、何か良いことがあったら、「感
謝します」と言ってみてはどうかな。例えぱ、明日、待ちに待った運動会。晴れてほしいなぁ〜と思っていて、実際に晴れたら「感謝します」。
そうそう、この言葉はとても便利でね。たとえまだ起こっていない未来のことでも、「明日、晴れました! 晴れさせて頂き、感謝します」とか、「一週間後、○○に合格させて頂き、感謝します」とイメージしな
がら言い切っちゃうと、本当にそうなってしまうのよ。
何の疑いも不安も心配もなく、力まずに白然とそう思い込めれぱね。
ちょっとつまらない例を一つ。僕はこのように太っていまして、運動不足気味なので月に一回くらい、地
元のオジさん、オバさんたちと卓球をやって汗を流しているんですね。ある日、若くてとっても卓球の強い、
市の大会のチャンピオンと呼ばれる人がやって来て、
練習試合をさせてもらいました。もちろん勝てっこな
いと思ったのですが、まあ〜いいやと思って、試合を行いました。
まず、レシーブ。「相手のサーブをうまく返させて
いただき、感謝します」と相手がサーブのたびに一球一球思ったんですね。そしたらですね、どんどんリー
ドしちゃって、結局ストレートで勝ってしまったんで
すよ。な〜んと。僕よりも実力が上の人に。スゴイでしょう。そりゃ〜相手は怒りますよね。「あんなデブになんで俺が負けるんだ!」という顔をして、『もう一度試合をやりましょう』と言われ、結局三回やりましたけどね。三回とも勝ってしまったんですよ。僕はこのとき、この言葉は使える! と思いましたね。
そういえぱ、イスラエルのおばあさんは、かなり大事なことを言っていました。絶対、言ってはいけない言葉があるらしいのですね。これだけは言っては駄目! という言葉。
おぱあさん---五日市さん、言ってはいけない言葉があるのよ。言っちゃうと、ツキが吹っ飛んじゃうの。
「へえ〜、どんな言葉なんです?」
おぱあさん---まずはね、汚い言葉。「てめ〜」とか「死んじまえ」とか、「バカヤロー」「クソッタレー」とかね。そういう汚い言葉を平気で使う人というのはね、
そういう人生を歩むのよ。だからきれいな言葉を使いなさい。
思い返してみると、僕が学生の頃、そんな汚い言葉ばかり使っていたような気がするんですね。その頃、人間関係にひどく悩んだり、些細なことで苦しんだりすることが実に多かったんです。だから、おばあさんの話には、本当にドキッとしましたね。
おぱあさん---それからね、絶対に人の悪口を言っちゃダメよ、絶対ダメ。あなたが自分の部屋にポツンと一人でいる時でさえも、人の悪口を言っちやダメ。それに、人を怒ってもツキは逃げて行っちゃうわ。怒れば怒るほど、あなたがせっかく積み重ねたツキがどんどんなくなっていくのよ。だから、ネガティブな言葉は
使っちやダメ。分かった? どんな言葉にもね、魂があるの。本当よ。だから、ねっ。きれいな言葉だけを使いましょ。
おばあさんのお話は、何ていうか、決して飛び抜けて変わっているわけではなくて、とても道徳的な話ですよね。つまり、しゃべる言葉には気を付けようね、
ということなんですよ。白分の口から発する言葉が自分の人生を創る。今まで、いろいろな指導的立場にある人がこのような「言葉の大切さ」を伝えてきたのか
もしれませんが、僕は初めて聞きましたね。しかも異国の地で。とにかく、おぱあさんが言ったことは、す
べて腑に落ちました。
それ以来、ひたすら「ありがとう」と「感謝します」
を実践しています。意外と早くきれいな言葉を使えるようになりました。そしてもう、人を怒れなくなりま
した。本当ですよ。その結果、自分の人生は、ガラッと変わってしまいましたね。「ツイてるツイてる、ツ
キっ放し!」 だから、こうしたおばあさんの話、自分では、とってもいい話だなぁ〜と思っているんですね。
「交通事故」 に続く
トップへ戻る |