「日本の現行憲法は昭和二十二年の制定以来一度も改正されていないがこれは世界でも珍しい現象である。二十一世紀を迎えて憲法について真剣な議論を戦わせる時ではないか。 我が国政府は「自衛隊は正式な軍隊ではない」と五十年以上にもわたって説明してきた。 政府はこの説明として刑法の「正当防衛理論」を持ち出してきた。この正当防衛の権利は太古の昔から人類固有の権利として刑法の存否にかかわらずどこの国でも認められてきた。この考えを国家に採用して他国から侵略された場合、正当防衛として侵略国と戦いこれを撃退して国家の安全を守るのは当然であり、そういう時に備えて我が国は自衛隊を保有しているという説明が長い間行われてきた。 しかし憲法九条は「戦争の放棄」を規定し、前文中には「武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」、九条二項には「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」と定めている。これは「正当防衛」の放棄であり、国の安全は憲法前文が謳い上げているように「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」のである。この前文や九条を読む限り、何十万人もの隊員が所属して戦車大砲、機関銃、戦闘機、軍艦を備えた自衛隊が憲法に違反する存在であることは全く疑問の余地はない。 また政府の正当防衛理論は、不思議なことに集団的安全保障には適用がないとされている。つまり我が国が自衛権を行使することは許されるが数カ国と連携して自衛のために戦うことは認められないというのである。こんな馬鹿げた説明があるだろうか。 もし自衛隊の存在が本当に必要であるならばもう誤魔化しはやめよう。自衛隊の存在がこの日本や世界全体の平和と安全のために必要であることを正々堂々と訴え憲法九条の改正につき、最終決定権をもつ国民全体の判断を求めるべきである。 この他憲法と現実の食い違いは憲法二十条三項(宗教団体の政治権力の行使)、八十九条(私学助成金の支給)等随所に指摘されており、必要あるならこの機会にこれら規定を含めて憲法の全文の速やかな検討が議論されるべきであろう。」民主党参議院議員佐藤道夫氏のホームページより
この佐藤氏の意見は的を得ていると思う。 戦後,日本政府(主に自民党政府)は,”戦力なき軍隊”として自衛隊を合憲のものとしてきた。 それが,いつのまにか海外に派兵されるわ,多国籍軍に参加するわで,もうやりたい放題。 国家の最大の法規である日本国憲法は,このようにないがしろにされてきた。 私は外国の侵略から守る最低限の軍事力は必要だと思っているが,現在のようなどう見ても”違憲状態”は好ましくない。 したがって,憲法(特に9条)を現状に合わせるべきだと思うし,先の岡田代表の発言は正しいと思う。
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