伊東静雄「反響」
わがひとに與ふる哀歌
海水浴
この夏は殊に暑い 町中が海岸に集つてゐる
町立の無料脱衣所のへんはいつも一ぱいだ
そして惡戲ずきな青年團員が
掏摸を釣つて海岸をほつつきまはる
町にはしかし海水浴をしない部類がある
その連中の間には私をゆるすまいとする
成心のある噂がおこなはれる
(有力な詩人はみなこの町を見捨てた)と
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