閑吟集 小歌 |
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大意…… |
はるか昔から今の世まで、絶えないものは恋という曲者。 |
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私が初めて接した『閑吟集』の歌で、内容の説明は必要としないぐらい、わかりやすい歌です。「さらさらさら」の重なりがリズミカルで、とても好きな歌のひとつです。世阿弥の作とされる謡曲『花月』の一節でもあります。 「更に恋こそ寝られね」というのが面白いと思います。恋にとりつかれて眠れない、と言っているわけですが、それはどんな情景での事でしょうか。片思いの人を思って、思い悩んで、ひとり布団の中で輾転反側しているのでしょうか。それとも、想う人と一緒にいられる嬉しさに、眠ってなんかいられるわけがないでしょう、と言っているのか。 どちらでもあり得るわけですが、独り寝の場合であっても、それなりに幸せかもしれないところが、恋の「曲者」たるゆえんかもしれません。 |