大手拓次
『藍色の蟇』
香料の顔寄せ
Wistaria の香料
銀のはりねずみをあそばせて、
たま
なめらかな象牙の珠をころがすやうに、
孤独な物思ひはすることもなくたたずんでゐる。
いううつはくものあみのやうにひろがり、
竹笛をならすうたがひがしのびよる。
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