大手拓次
『藍色の蟇』
風のなかに巣をくふ小鳥
秋
ひとつのつらなりとなつて、
よ
ふけてゆくうす月の夜をなつかしむ。
この みづにぬれたたわわのこころ、
こ は
それにながれる木の葉によりかかり、
さびしげに この憂鬱をひらく。
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