明治二十九年の秋より三十年の春へかけてこゝろみし根 無草の色も香もなきをとりあつめて若菜集とはいふなり、 このふみの世にいづべき日は青葉のかげ深きころになり ぬとも、そは自然のうへにこそあれ、吾歌ほまだ萌出し まゝの若菜なるをや。