八木重吉
詩稿「母の瞳」

 
   桃子よ


 
 もも子よ
 
 おまへがぐづってしかたないとき
 
 わたしはおまへに げんこつをくれる
 
 だが 桃子
 
 お父さんの命が要るときがあったら
 
 いつでもおまへにあげる



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