八木重吉
詩稿「母の瞳」

 
   妻に与ふ


 
 妻よ
 
 わたしの命がいるなら
 
 わたしのいのちのためにのみおまへが生くるときがあったら
 
 妻よ わたしはだまって命をすてる



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