八木重吉
詩稿「木と ものの音」

 
   天国


 
 春になり    宇宙のリズムはひびいてゆき
 
 夏になり    だがすこしづつかわってゆき
 
 秋になり    あるとき俄然としていままでのリズムを越え
 
 秋になり    ひかれるリズムのなかへながれこむだらう
 
 冬になり
 
 春になり



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