オシロスコープ・プローブ

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オシロスコープやプローブを購入したときに、最初に行わらなければならない作業(儀式?)があります。それが、プローブの位相調整です。オシロスコープの入力容量の機差を補正します。
ここでは実際に測定を行なう場合の、信号の入力方法とプローブの補償方法について述べます。

(1)信号入力
観測しようとする信号は、INPUTに接続します。ほとんどが、BNCコネクタです。この入力コネクタに接続するには,次の3通りの方法があります。

(a)同軸ケーブルを用いる方法.

(b)リード線で接続する方法.
これには付属品の接続ケーブルのように,入力
コネクタの中心導体に差込むのに適した太さの導体を用いるか、付属品のアダプターを用いて、リード線を接続します。

(c)プローブを使用する方法.


プローブの位相調整 (probe_comp.gif)
同軸ケーブルを用いる方法(a)は、高周波特性に関しては最も望ましい方法です。
その特性インピーダンスで終端を整合(ターミネーション)して使用します。
特に、特性インピーダンスが50Ωの同輔ケーブルを用いて整合した場合は、オシロスコープの特性に最も忠実な使用法ということができます。
それは、周波数帯域や波形ひずみなどの機器の性能は、50Ωで整合した場合の性能であるからです。
したがって、同軸ケーブルを使用する方法でも、50Ω以外の特性インピーダンスのものを使用した場合には、多少の特性上の変化を考慮に入れておかなけれぱなりません。
しかし、被測定物が、同軸ケーブルの特性インピーダンスのような低いインピーダンス回路の負荷効果を無視できるような低インピーダンス回路であることは稀であり、信号発生器やパルス発生器のように、同軸ケーブルに整合した出カインピーダンスをもつ装置の出力波形を観測するような場合のほかは、ほとんどの場合が測定器の入カインピーダンスは高い値であることが求められます。
そのような時に(b)や(c)の方法を用います。

リード線(例えば、シールド線など)接続の方法は最も簡便な方法ですが、この場合にも多少の注意がいります。
INPUTにおける入カインピーダンスは抵抗成分が1MΩ、容量成分が約25pFである。
リード線接続をする場合には、INPUTから測定点まで接続するリード線の浮遊容量(stray capacitance)がさらに加算され、数10PF の容量の負荷作用を被測定物に与えることになります。
また、抵抗成分の1MΩも無視できない場合もあります。

3番目の付属品のプローブを使用する方法(c)によると、以上のようなリード線接続の短所を補うことができる。この場合には、抵抗成分は10MΩ・容量成分は15pF程度であり、プローブで直接に測定点に触れられるので、それ以上の容量は増加しません。 ただし、垂直軸の偏向感度が1/10になります。
また、1/100プローブやFETプローブ、電流プローブ等もありますから、使い分けます。
 

(2)プローブの位相調整
プローブを使用するときは、最初に、位相調整を行なう必要があります。
プローブをINPUTに接続して、入力レベルのVOLTS/DIVを最大感度の0.02v/divにして(あるいは、波形が適切に表示されるように)、プローブの接触端子をCALOUTに触れます 。
そして適当な掃引時間(TIME/DIV)を選んで同期させて、ブラウン管面の映像が上図(b)のように最適な方形波になるようにトリーマを調整します。
調整場所は、プローブによって異なりますので、取扱説明書を参照します。
例として下図を参考にして下さい。 複数箇所の調整が必要なプローブもあります。 この時、COUPLINGの切換えは、DCにします。

oscillo_probe2.gif

普及型プローブ HP−9200の取扱説明書(英文.pdf)→→ここをクリック!

参考に、Tektronixの広帯域プローブの回路図を示します。


さらに、オシロスコープ・プローブについて知りたい方は、
http://www.tektronix.co.jp/Products/Measurement_Prod/App_notes/main_acc.html
http://ja9ttt.homedns.org/hamf/mymes/FET-Probe2.html
を、参考にしてください。

 

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