寺田寅彦『柿の種』
短章 その一




 
 アルバート・ケンプという男が、百十時間ぶっ通しにピアノを弾
 
き続けて、それで世界のレコードを取ったという記事が新聞に出て
 
いた。
 
 驚くべき非音楽的な耳もあるものだと思う。
 
 (大正十年三月、渋柿)


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