日記(2005.6.22〜9.9)


 
         

莫煩悩  真面目に生きていきましょう!  小説・宇宙無限パワー(5)

  進化とは・・・?  月の誕生と奇蹟  小説・宇宙無限パワー(3)  沖縄戦の悲劇 

 小説・宇宙無限パワー(2)  奇跡の生還   小説・宇宙無限パワー(1)

 命を賭けて巣を守った蜂   ジョバンナという名の女法王 うつ病   宇宙誕生その1  人類滅亡の危機 

 生命の進化と存続ーNO1  パニック結婚式  無限分の一の確立  この世は幻想か? 哀れな子ダヌキ 

 人類を救った男  高度な幻想   小さな友達  史上最強の女 居眠りの悪夢  都心36.7度の猛暑< 

 お世辞の使い分け 偉大なお言葉  気分を待っていては駄目 宗教とは?  99%間違いない立派な人間


莫煩悩 (9.9)

 弘安の役と呼ばれる元の二度目の襲来は(1281年)14万の大軍でもってなされた。時の執権・北条時宗は4万の兵で迎え撃った。博多湾の海岸に高さ3m、長さ20キロの石垣を張り巡らして、そこから弓矢攻撃で元軍の上陸を阻止したのである。一回目の蒙古の襲来・文久の役の教訓を生かした防衛策であった。

 2ヶ月後、文久の役と同様、神風が吹き荒れて蒙古軍は多大な犠牲を出して敗退した。翌年、1282年、時宗は円覚寺を建立し、南宋から招いていた臨済宗の禅僧・無学祖元を開山とした(初代住職)。それは、時宗が蒙古襲来という絶体絶命の状況下で、精神的救いを彼から得たからであった。「莫煩悩」 とは焦らず、迷わず、悩まず、怖れず、ただ一心不乱に精神を集中して、物事にあたる心の世界である。

そのときの時宗の莫煩悩こそが当時の日本を救ったといえる。それは、今の日本を救う心の世界でもあり、日本が未来を定める唯一絶対の方向かもしれない。

私のような土木作業員の心の世界も同じ事が言える。いや、サラリーマンであれ、商売人であれ、働く日本国民全体に言えることだと思う。思いやりの心を持ち、天地大自然に感謝して、恐れず迷わず愛と正義のために働く莫煩悩、そこから喜びと生き甲斐とやる気が沸き上がってくるのである。家族を愛し、世界を愛し、悟りを開いて人類を正しく進化発展させて、富み栄えさせていきましょう。

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真面目に正しく生きて行きましょう!(9・5)

今日の仕事は、本町置き場に山積みなっているメタルフォームを軽トラックに積み込んで、鉄残材回収業者の集積所へ運んで売ることでありました。

今まで孤独の仕事でありましたが、今日からは暇で暇で困っている山本さんが応援することになった。彼は土木部の監督であります。今は仕事がないので事務所で定時になるのを待って、タイムカードを打って帰る毎日でありました。これは働き盛りの男にとって地獄の苦しみとなります。

置き場の鉄材を完全に処理するまでの期間は約2ヶ月と計算される。したがって、これから二人の仕事は2ヶ月間は保証されたことになります。

山本はようやく地獄の苦しみから解放された、と喜びの奇声を挙げた。今日の成果は3回往復いたしまして、3万円余りの売り上げとなった。それを江藤課長に渡しますと、ニコニコニッコリでありました。

山本いわく。

「あの金を山分けして、銀座のクラブへ行けばよかったな〜」

・・・しかし、そんなことは出来ませんね? 皆さん、強く正しく生きることは難しい〜のです。しかし、どんなことがあっても、真面目に正直に生きて行きましょう!

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小説・宇宙無限パワー(5) 9・31

私、下地が道路のアスファルト舗装工事をしておりますと、1000人ほどの武装警官が現れて一斉に銃や機関砲を向けた。そして、同僚の3人と共に逮捕された。なぜ、そうなったのか、私、下地には全く訳が分からなかった。

留置所には4人の荒くれ男達が居た。松本、小野、中山の3人は彼等が醸し出す凶悪で冷酷な気迫に怯え、角隅にかたまって座っていた。

 下地は鉄格子に背をもたせて座り、鼻毛をしきりに引き抜きながらぼんやりと天井を見つめている。

 「おい、そこの禿げ……」

 ゴリラとブルドックをミックスしたような顔の大男が立ち上がり、下地に近づいて怒鳴った。

 「 ……し、下地さん、あなたのことですよ」

 中山が震えながら下地に近づき耳元でささやいた。

 「わ、わたくしでございますか……?」

 下地は慌てて立ち上がって叫んだ。その時のタイミングが悪く、近づいてきたゴリブル男の顎に下地の頭が激突した。

「ぎゃー」

 ゴリブルは口から血と唾液を飛ばしてひっくり返った。壁に背をもたせて座っていた他の3人の荒くれ男達が一斉に立ち上がって駆け寄り、ゴリブルを抱え起こした。

 「親分、この野郎をずたずたに引き裂いて、脳みそをネギとろで食っちゃいましょうか」

 「ばかやろー、ここは留置所だ。そんなこと出来るわけねーだろう」

 ゴリブルは男達の手を振り払って立ち上がり、顎をさすりながら下地を睨み付けた。

 「私に何のご用でしょうか……」

 下地は眼を瞬きながら言った。

 「……さっきからお前を見ていたがどうも気にくわん。腹が立つ。なぜか分かるか?」

 「ま、全く分かりません。な、何かあなた様の逆鱗に触れるようなことをいたしましたでしょうか?」

 「あ、あー、そうだ。訳がわからんが、お前が存在しているということ自体になぜが腹が立つ。だからここでお前を殴る」

 「それはいけません。人間は思いやりの心を持って、寛大に万物を愛するべきです。弱い者をいじめていたのでは決して人類は進化発展し、富み栄えることは出来ません」

 ゴリブルはきょとんとしたが、やがて顔つきが変わり、眼が青白く燃えだした。

 「このやろうー、ふざけるんじゃねー」

 ゴリブルはそう叫ぶや下地の顔面に強烈なパンチを放った。 だが、悲鳴を上げたのはゴリブルの方であった。下地の顔面を激打した拳が鉄の壁を打ったかのように複雑骨折を起こしたのであった。ゴリブルは砕けた拳を他方の手で押さえながら床の上を転げ回った。

「おのれ! よくもやりやがったな、バラバラにして食ってやる……」

 3人の大男達が一斉に下地に襲いかかった。だが、次の瞬間、男達の着ている衣服が湯気となって消えた。転げ回っているゴリブルも同様に一糸まとわぬ完全裸体となっていた。下地を押さえつけた3人の荒くれは反射的に手を離し、それぞれの一物を見つめながら驚いて跳び下がった。

 「こいつら、瞬間移動させましょうか……?」

 腕組みをした小野が宙に浮かび、頭を天井に付けたまま下地に言った。だが、逆さまに浮かび、頭髪を長々と床に垂らしている中山がそれを制した。

 「それは、かわいそうです。彼等も生まれたときは純心で、清らかでした。運が悪くて悪人になっただけです。許して上げましょう」

 「いや、その考えは甘い。たとえ運が悪くても正しく生きようとする心がなければ人間とは言えない。どんなに苦しくても己を磨き、機略応変に社会に適応して進化発展する。それが人間として大切だ。このままではこいつらに拷問で殺され、脳みそや、肝臓、心臓などの臓器を食われた弱い者達の霊が浮かばれない。こいつらを救うには 十寒十熱地獄の苦しみを与え、罪の償いをさせなければならん」

 小野がゆっくりと縦に回転しながら言った。その側で浮かんで横たわる松本は、うなずきながら煙草の煙を吐き、ドウナツ状の輪を作ってその中に指を入れたり出したりしている。

 「な、なんなんだよー、こいつら……」

 ゴリブルが叫んだ。 他の男達は顔面蒼白となって、その光景をあ然として見つめた。萎縮したそれぞれの一物が品悪く伸びたり縮んだりを繰り返している。

 空中に正座して合掌する下地の目が光った。
 

 その頃、渋谷駅のハチ公前では若者達がバンド演奏を取り囲んで踊り狂っていた。ミニスカートを翻して飛び跳ねるガングロのギャル達、耳飾りと鼻飾りをじゃらじゃらさせてバック転する茶髪の男の子達、地べたに仰向けになって鼻血を出している中年男、一升瓶から酒を飲みながらスキップする悪臭のホームレス、まさに狂気狂乱の真昼の情景であった。

 何故そういう事態に陥ったのか……? 定かでない情報によると、半裸体のナポレオンとビキニスタイルのクレオパトラが、道玄坂を手をつないでマラソンしたため、それが点火となって若者達のストレスが一気に爆発したのであろう、ということであった。

 突然、凄まじい雷鳴が連続した。震度10程度の地震が起き、ハチ公の側で稲妻が目まぐるしく錯綜した。若者達は蜂の巣を突っついたように右往左往、パニック状態に陥って叫び罵り合い、そのうち互いに殴り合いを始めた。

たちまち辺りは鼻血と、折れた前歯と奥歯が飛び散る修羅場となった。どさくさに紛れて中年男がガングロ女の胸に触った。取り乱しているガングロ女は太古の獣性に目覚め、四つん這いになるや、いきなり中年男の股間に噛みついた。

 一段と大きな雷鳴が轟き、その衝撃で周囲のビル全体の窓ガラスが木っ端みじんに砕け散った。これは狂った群衆を、完全な無我の境地に叩き蹴落とす強烈な威力であった。底知れぬ静寂がこの世の一切を一気に飲み込んだ。

 次ぎに稲妻の錯綜が、天に昇る竜のようにくねり上がって飛散したあと、素っ裸の四人の大男達がハチ公の像の横に現れた。ハチ公の像が驚いてワンと吠えた。

 群衆の視線は一斉に男達のグロテスクな一物に注がれた。数分後、一物を激しく揺らしながら懸命に逃げる素っ裸の4人を、10名余りの警官が追い回していた。渋谷駅周辺はそれから数時間、完全に交通麻痺に陥った。

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進化とは、一歩賢くなって3歩馬鹿になることである(8.29)

2億5000万年前、スーパー・プルーンは史上最大の火山噴火を誘発し、地球は焦熱地獄となりました。さらに海底のメタン・ハイドレードが膨大な量のメタンガスを発生させ、酸素と結合して相殺し、極端な酸素不足をもたらしたのであります。そして、生物の95%が絶滅した。

焦熱地獄が治まった後も、酸素不足は回復せず、その状態が1億年も続きました。わずかに生き残った生物はこの過酷な状況になんとか適応し、存続しようと、のたうちまわったのであります。われわれの祖先、つまり、脊椎動物の祖先でありますキノドン(単弓類)もその生き残り組みに入っておりまして、断末魔の悲鳴を上げながら体を酸素不足に適応できるように進化させていきました。

その酸素不足をいかにして克服するか、それには呼吸効率を良くしなければならない。そこで現れたのが、われわれの次の祖先でありますトリナクソドンであります。彼らは肋骨を胸部だけにし、横隔膜を持つようになった。これによって呼吸をしやすくし、酸素を多く取り入れられるようにしたのであります。

一方、恐竜や鳥類の祖先であります双弓類は特殊な呼吸器官、機能システムを持つようになった。これは酸素を吸って炭酸ガスを出す、という呼吸において、肺の中に絶えず酸素があって、炭酸ガスが絶えず排出される、という仕組みになっております。

したがって、酸素があるときとないとき、炭酸ガスが充満しているときとそうでないとき、に分かれるわれわれの呼吸法の数倍も、酸素取入れ効果が優れているわけであります。

その結果はどうなったか? 酸素濃度が高まるにつれて特殊機能システムを持った恐竜の祖先は巨大化していきます。そして、巨大化しないものは、その分を飛翔エネルギーに振り替えて鳥類へと進化して行ったのであります。

われわれの祖先はネズミのような小動物で、卵を産むことから次第に胎生へと進化していきます。そのほうが酸素を多く母体からもらうことが出来、外敵の被害に遭うのも少なくなるからであります。

最初の胎生動物はエオマイア(黎明期の母)と呼ばれておりまして、その化石が1億2千5百万年前の地層から発見されております。

大量絶滅から一億6000万年後、酸素濃度は回復し、巨大生物の出現となります。30メートルの草食恐竜アパトサウルス、11メートルの肉食恐竜アロサウルス、翼の全長8メートルの翼竜プテラノドン、その他いろいろが続々と現れました。

そして、地上は恐竜の王国時代となり、ネズミのようなわれわれの祖先は彼らの脅威にさらされて逃げ回っていたのであります。

そして、6500万年前、その恐竜たちは巨大隕石の地球直撃によって絶滅いたしました。2億年も繁栄した恐竜、わずか500万年しかたっていない人類が、果たしてそれ以上に存続し、繁栄し、進化していけるだろうか? あまりにも不安材料が多すぎます。

以上で動物進化の勉強を終わらせていただきます。これで賢くなったわけですが、2・3日もすると忘れまして、もとの馬鹿に戻ってしまいます。

しかし、進化は馬鹿になれないと出来るものではありません。一歩賢くなって3歩馬鹿になる。そして3歩馬鹿になって10歩賢くなる、それが進化、人生であります。

今までの進化が地球、宇宙のパワーによってなされてきたものであれば、これからの人類の進化は、人類自らの愛と正義と思いやりのパワーで推し進めていかねばなりません。

そうでなければ恐竜が絶滅して人類にその王座を明け渡したように、われわれ人類も天地大自然のパワーに根絶させられて、別の生命体に王座を明け渡さねばならなくなるのです。

いつまでも憎しみあって殺しあったり、戦争したり、個人主義に走っているときではないと思います。世界一列みな兄弟姉妹、肉親であります。寛大な心でお互いを許しあい、心の完成を目指し、真実誠の慈悲と実践の道を歩んでいきましょう!

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月の誕生と奇蹟(8・21)

46億年前、地球は太陽から約1億4960万キロ離れた原始太陽系星雲の中で誕生した。、出来立ての地球には微惑星が降り注ぎ、表面の温度は千数百℃にもなっていた。岩石の融点を越えた地表は全てがどろどろに溶け、マグマの海を誕生させた。溶けた岩石からはH2Oなどの揮発成分が抜けて地球を取り巻くようになる。大気と水の解放とそれらの蓄積の始まりである。その頃の地球の自転速度は一日が5時間から8時間程度であった。

そして、その地球に最初の大危機が迫った。火星ほどもある天体が接近してきたのだ。それをまともに喰らえば原始地球は粉々になって元の星雲の塵となってします。その天体は「テイア」と呼ばれている。

テイアは正面衝突をせずに、地球軌道上に対して60度で、擦るように、かつ、低速で地球側面にぶっつかった。それにより地球は粉砕を免れた。しかし、テイアは粉々になり、数百億平方キロメートルにも及ぶ地球マントルの破片と共に宇宙空間へ飛び散った。一部は地球へ落下したが、ほとんどが地球を回る軌道上に乗った。その光景は土星の輪のようなものであったと推察されている。やがてそれらは互いに引き合って合体を始め月を形成した。最近のシュミレーションでは、それらが一つにまとまって月になった時間はわずか一ヶ月という結果が出されている。

誕生した月は地球から2万キロ〜4万キロのところにあったが、潮汐力によって角速度を得て次第に遠ざかり、現在の地球からの位置、38万キロメートルの軌道を回るようになった。地球の自転速度が一日24時間になったのも、月の潮汐力によるものである。月は今、一年に3.8cmずつ遠ざかっている。それに伴い地球の自転も僅かずつではあるが遅くなっている。

地球に生命が誕生し、進化できるようになったのは月があったからでもあります。しかも、それが地球の太陽からの距離、太陽系惑星の配列と形状、その他いろいろな要素の奇跡的必要条件にプラスされた最終条件であった、というのが月の誕生であったことを思えば、この宇宙の謎がますます深まるばかりであります。

月齢の9ヶ月、それは妊娠期間であり、月齢29・8日は女性の平均月経周期とぴったりで一秒の狂いもない。月は英語で "Lunacy"、 "Lunatic"、と呼ばれ、狂気を意味する。そのことは月の満ち欠けが心身に大きな影響を及ぼしていることを示している。人体の80%は水である。月が地球の海に影響を及ぼすように、人体の海にも月は大きな影響を及ぼしている。

狼男が満月の夜に狼に変身する、考えられることです。満月の夜は心身ともに高揚する。その人の特性が最大限に発揚できる時空でもある。神か悪魔か、それは満月の夜にはっきりすることかもしれませんね?

46億年前 地球に激突するテイア

   

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小説・宇宙無限パワー(3) 8・14

午後の作業はアスファルト舗装であった。幅5メートル、距離200メートルの道路をたった3人で舗装するのであります。3人といっても1人は親方の女房で臨月間近の身重である。親方は70歳、女房は25歳である。そして、私は、150歳、・・・誰も信用しないがほんとのほんと〜、であります。

なぜ、こんな大きな工事に3人しかいないのか? それは親方が給料を半年も払わなかったために、私以外に18名いた作業員全員が辞めたためである。親方はアスファルトフィニッシャーの運転をし、女房はローラーに乗って敷き詰められていくアスファルト面を転圧して固める。

したがって私は一人でスコップを振るい、プレートで両サイドを転圧し、レーキを使い、作業状況写真やアスファルト到着温度を写真に収める。これは1人18人役の重労働であり、普通の人間なら確実に死んでいる。

アスファルトの到着温度は175度、その日の最高温度は38℃、灼熱の太陽は容赦なく照り続けた。したがって敷き詰められていくアスファルトの周りは70℃以上にもなる。マカダムローラーに乗っている親方女房が気を失った。私は慌ててその座席に飛び乗ってローラーを止めると、彼女を抱き下ろしてすぐ横の公園に運び、木陰のベンチに横たえた。

続いて、親方がフィニッシャーの上で気絶した。私はさらに慌てふためいてフィニッシャーに飛び乗ってエンジンを止め、親方を肩に担いで飛び降りると、同じく公園の木陰に親方女房と並べて横たえた。それから1人の目まぐるしい作業が始った。

フィニッシャーのホッパーにダンプアップしてしているダンプの運転手があきれた目で怒鳴った。

「1人じゃー無理だせー、作業は中止したほうが良いんじゃねーの? 1人18人役の工事なんって、見たことも聞いたこともない〜〜〜」

「おれはいつも1人だ〜、一人という孤独だけがおれのたった一人の親友なんだ〜。余計なことは言わずに、お前は最後までアスファルトを運んでくればいいのだ、分かったか〜」

運転手は頭を振りながらダンプにもどった。それからの孤軍奮闘は壮絶なものとなった。フィニッシャーをコンピュータの自動に切り替えて走行させ、レーキで両サイドの敷き均しをし、ローラーで転圧し、スコップで掻き均し、ジョウロでアスファルト面に散水しながらプレートを走らせる。

散水はアスファルトのプレート転圧面への付着を防ぐためである。それからさらに写真を撮ってフィニッシャーにもどる。その繰り返しを電光石火の早業で成し遂げていった。

敷き均しに要するアスファルト総量は125トン、10トンダンプの13台分である。その13台目が午後5時半に最後のアスファルトをダンプアップして作業は終了した。ダンプや重機類が全て引き上げ、現場は静かになった。

しかし、激動の重労働にもかかわらす、150歳の私はなぜか平気であります。・・・それは、そうでしょう! だって、150億年前のビックバンでこの宇宙が出現した直後は3兆℃だったのです。それに比べますと、たかが摂氏70度など春風のさわやかな風のようなものです。

無限宇宙パワー、簡単に言いますけど、これは大変なおお事なのであります。そのパワーをなぜ、あの汚い神様が私に与えて、この宇宙を勝手にする特権を与えたのか、謎は謎を呼んで迷宮入りとなるばかりであります。

親方はようやく元気を取り戻し、私の手を握って涙を流した。

「ありがとう!君のおかげで作業は無事に終了できた。このご恩は永遠に忘れない。・・・しかし、3年も払っていない給料はもう少し待ってくれ。今日の工事金で必ず3分の一は払う。・・・おまえは、おれと女房とお腹の中の赤ちゃんの命の恩人だ!絶対に未払い給料は払う!」

 「親方、何を言うんですか! 親方はたとへ借金だらだらでも心は綺麗で大名だ。5年前、おれがホームレスの頃、飢えて死に掛かっているところを280円の牛丼を食わせて助けてくれた。あれは、10億円の給料を前借したのと一緒だ。だから、給料が3年も未払いだなんって、自分を責めないでください!」

70歳の親方は泣いた。そして、その傍らで横たわっている25歳の親方女房が片手を突いて上半身を起こし、私に頭を下げた。

「ありがとう! あなたはほんとに神様のような人です。今日のことは一生忘れません・・・」

そこで、私は2億円の入った段ボール箱5個、総計10億円を親方と親方女房の前に並べた。

「これは、私がロト6で五回当てた金です。これを受け取ってください。これで前借はチャラだと思ってください・・・」

二人は疑惑の目で中身を確認した後、驚愕し、身体を硬直させて私を見つめ続けた。そのうち、親方女房がショックで産気づいて悲鳴を上げた。親方は慌てふためいてうろたえた。

私はさっそく携帯で救急車を呼んだ。午前零時、親方女房は病院の産室で女の子を産んだ。

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沖縄戦の悲劇(8・11)

昭和19年10月3日、米軍は沖縄攻略を決定した。同年10月10日、沖縄大空襲、那覇の町は瓦礫と化した。翌年1月12日、米艦載機900機が沖縄諸島全域を徹底的に攻撃した。

3月17日、硫黄島の日本軍2万3千人が玉砕した。その勢いに乗じて米機動部隊は、昭和20年3月23日、本格的な沖縄本島への爆撃を開始した。

その時の沖縄防衛の日本軍戦闘員は11万6千4百人、米軍は54万8千人であった。つまり、当時の沖縄人口とあまり変わらない数の敵が押し寄せたのであります。

しかし、数の差は人員だけではなく、物量の面でも著しい開きがあった。日本軍の保有戦艦は1、それに対し米軍は23隻であった。空母は日本4、米軍98、駆逐艦は日本36、米軍828隻、航空機=日本16、228機、米軍107、000機、その他、いろいろな武器を比較してもその差は天と地の開きがあった。戦わずしてその結果は明らかであった、といっても過言ではない。

沖縄の地上戦が終結したとき、日本側の戦死者は244、136人(10万人は地元住人)、米軍戦死者は12、500人となっていた。

ちなみに日本軍航空機の撃墜された数は7830機、米軍機は763機、艦船撃沈は日本16隻、米軍36隻となっています。ただし、艦船大破は米軍が368隻となっており、神風特攻機の凄まじさを物語っております。

沖縄の本島はハブの形をしている。そのハブの急所は首であります。米軍はその首を狙い、北谷村に上陸し、日本軍の兵力を南北に切断したのであった。圧倒的な物量の前に分断された日本軍は敗走、島の最南端と北部の山岳地帯へと追い詰められていった。

「首里城に月かかる夜、手榴弾投げつつ死せんとぞ思う」

これは八原高級参謀が5月27日、首里城を撤退する時に詠んだ歌です。

避難民や学徒兵の悲劇は米軍の攻撃だけではなかった。スパイ容疑で味方の軍に殺された者も少なくはない。

やおよろずの神神に戦勝を祈願し、島の守護を祈っていた地元住民の女性がスパイ容疑で捕まった。空に向かって、手を振っていたその琉装女性が敵に合図をしていた、と誤解されたのだ。

彼女は師範学校の農場跡で、兵士や軍属たちの竹槍でめちゃめちゃに突き刺された。彼女は悲鳴を上げながら内臓を飛び出させて息絶えた。それは「スパイ狩り」とも呼ばれた。疑わしきものは捕らえられ、容赦なく殺されたのだ。西洋の「魔女狩り」に匹敵するものであった。

私は旧日本軍を非難しているわけではない。追い詰められたとき、国籍や人種を問わず、人間は悪魔になる、ということを申し上げたいのであります。そういう意味で戦争はこの世で最大最悪の犯罪である、と申し上げたい。

人類が見失っているもの、それは心の完成の追求ではないのか? 愛と正義と思いやり、そして正しい知識と実践、そこから互い助け合いの心清き人間世界が形成されてくると確信する。 

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小説・宇宙無限パワー(2) 8・10

私は鼾をかいて熟睡していた。そして、夢を見ていた。雄大な雲海の上で、美しい天女とアルゼンチンタンゴを踊っていたのだ。彼女の名は「アラー・マライヤ」だった。変な名前ですが、別に気にする必要はなかった。

「君は美しい・・・。ぼくは150歳だが、結婚してくれないか? しかし、君はマライヤだ。その名を変える必要がある。さもないと僕のジェントルマンとしての機能が困ることになる」

「分かりました。あなたの仰せ通りにいたします。でも、私は150億歳です。それでもよろしいでしょうか?」

「真実の愛に年の差は関係ない。ほんとの幸せは不幸せの中にある。不幸せになって二人で幸せを掴もう!」

そして、美しく優雅に口づけしようとしたとき、私は雲海の割れ目に足を滑らせ、地上にまっ逆さまとなって落ちていった。つまり、頭は地球に向き、両足は宇宙に向けられて加速度をつけて落下を続けた、ということであります。

両足の彼方には雲海の割れ目があって、その中からアラー・マライヤの美しい顔がのぞき、猛スピードで遠ざかっていた。そして、激しい衝撃と共に私は地面に叩きつけられた。

わたしは昼寝のベンチから落下したのだ。なぜ、落下したのかはすぐに分かった。二人のおまわりが仰向けになっている私を上から睨みつけていた。つまり、おまわりの1人が私を蹴り落としたのだ。私は衣服の砂を払い落としながら起き上がった。

「おい、きさまを逮捕する。素直にお縄につけ、・・・じゃなくて、手錠につけ!」

「・・・へ、何の容疑で? 一体私が何をしたというのですか?」

「このやろう、とぼけやがって、5人の不良少年を素っ裸にして眉毛を剃り落とし、その上、赤マジックで目の周りに丸をかいだだろう? お前、変態だな?」

「それは違います。あの方々は私を鉄パイプで叩き殺そうとしたのです。つまり彼らは殺人未遂罪です。逮捕されるのは彼らであります。私は正当防衛であります」

「理由はどうであれ、結果として彼らは被害者であり、お前は加害者となる。おとなしくお縄につけ! 抵抗すると公務執行妨害で射殺する・・・」

1人の大きな身体のおまわりが拳銃を抜き出して私に向けた。彼は日ごろからワイフに殴られ、ストレスが溜まっていた。なぜ、ワイフに殴られるか? それは、彼がまだ45歳であるにもかかわらず、男としての定年を迎えていため、ワイフを欲求不満にさせていたからであった。虐められ殴られますと、心の傷は癒しを求めて弱い者を虐めたい衝動に駆られる。

私は彼にとってまさに、その弱い者であった。彼は拳銃を私の口の中にこじ入れて目を輝かせた。

「どうだ、怖いか、泣け、泣いて泣き叫べ〜〜〜〜、イーっひっひっひっひっひい〜〜〜」

そして、引き金が引かれて「ヅド〜ン」となった。私は口から血を飛ばしてそのまま後ろに倒れた。もう1人のおまわりが青ざめながら笑った。

「お、お前、何という事を・・・、し、しかし、気持ちいい〜、おれはこういうシーンを見たかったのだ。おれにも撃たせてくれ!」

彼は自分の拳銃を抜き取ると大声で笑いながら私を撃ちまくった。血飛沫が何度も跳ね上がり、内臓が飛び出した。それに合わせて太ったおまわりもづどん、づどんと撃ちまくった。

「ホームレスだ。殺して、ばらばらにしたってどうってことはない。どぶ鼠を殺すようなものだ。これも世のため人のためだ〜、イーっひっひっひっひっひっひ〜〜」

二人は肩を並べて血の海の中で仰向けになっている私を撃ち続ける。そして、弾切れとなった。静寂の中で陶酔のときめきがさざ波のように広がった。二人の目は輝き、白い歯が快感に痺れ切った笑いを湛えている。

そこで私はむっくりと上半身を起こした。飛び出してぼろぼろになっている胃腸や肺、心臓を手で中に押し込み、それから地面に転がっている二つの眼球を拾い上げて眼孔にこじ入れ、身体を元通りに修復させた。二人の陶酔のときめきは一瞬にして驚愕の爆発となった。

立ち上がった私は二人の前でラジオ体操をし、得意の空手の演舞を披露した。そして、ニッコリと笑って二人に視線を向けて語りかけた。

「生き物は、たとえドブネズミであっても生命としての存在は尊いのです。生命は宇宙の奇蹟ですから、それを馬鹿にしてはなりません。感謝の心を持って皆仲良くし、助け合って行こうではないか?」

私はそう言って二人に握手を求めた。しかし、二人は飛び上がって悲鳴をあげ、回れ右をすると一目差に逃げた。私は少し腹が立った。神様から ”宇宙を勝手にしていい” という特権をもらった者として反省すべき材料だが、この際、二人の独善的残忍性は許されるものではない。

私は宇宙の芯に気波動を送り、時間を停止させた。即、無限の沈黙と静寂が広がり、一切が動きを止めた。二人は歩道の上で走る格好のままで彫刻のように固まっていた。私はさっそく二人の衣服を脱いで素っ裸にし、眉毛を剃り落として赤マジックで両方の目の周りに丸を描いた。それから赤いフラワーリボンをそれぞれのペニスに縛りつけ、後頭部にガラスの風鈴を強烈な接着剤で貼り付けた。

そして、時間を駆動させた。しばらくして、車両の激突音や老若男女の悲鳴と断末魔の咆哮が怒涛のように広がっていった。

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奇跡の生還 (8・9)

27歳の頃、米空軍基地のNCOクラブ(下士官クラブ)で会計兼ね食品棚卸係として勤務していた。総支配人はハッサク軍曹でありました。

ある日、食品冷凍庫で棚卸をしておりますと、ハッサクから電話がかかってきた。

「話がある、急いで来い」

「今は忙しい、そしてこれからもずーっと忙しい。それで来れません」

「ばか者、命令だ、すぐに来い!」

そこでNCO専用のリムジンで彼の家に行きますと、何と彼は素っ裸で玄関に現れた。シャワーに入っている最中だったので、面倒臭いからそのまま出て来たというのであります。

「いよ〜! これは、びっくり、立派な物を持っておりますな・・・!」

と申し上げますと、

「What ?  今のその言葉は、おれのより、お前は立派なものを持っている、というわけか? ・・・よ〜し、では、ここでどっちが立派か勝負しようではないか? ズボンを脱いでお前のものも見せろ・・・」

と喚き散らした。

「・・・な、何という言論の自由だ。イエス・キリストの前でもう一度そんな事が言えるか? ・・・きさま、恥を知れ!」

「・・・おれは、そんなことを議論するために、てめーを呼んだのではない。ベトナムのオンナポイントへ棚卸 のためにいってきてくれ! と命令するために呼んだのだ・・・」

オンナポイント(onna point) というのはNCOクラブが、ベトナムのサイゴンに、太平洋司令部の命令で作った支店のようなものであります。そこの経理が出鱈目なので、私が行って正しい財務書表を作成し厳正なNet Profit を計算して来い、ということでありました。

その時の私の月給は50ドルでした。Onna pointo へ行ってくれれば、特別手当として200ドル出す、というのであります。勿論、私は無条件降伏、ただちにOKした。

午前3時、私とシベリアンのヘンドリックを乗せた輸送機はカデナ・エア・ベースの滑走路を離陸した。

サイゴンの近くに来ますと機体が激しく揺れた。「What’s happen ?」 とパイロットに怒鳴りますと、対空ミサイルをかわす為に急降下と急上昇を繰り返しているという。

窓の外を見ますとミサイルが機体をかすめて次々と飛びすぎて行くのが見えた。長年の経験と勘、熟練でもってミサイルの全てを巧みにかわしていたのだ。・・・恐るべし、凄腕のパイロットであった。

「You are excellent.  Good !  No 1 」 と申し上げますと、

「お前の命はおれが守ってやる。太平洋艦隊司令長官、ミニッツ提督の命令だ・・・」

・・・へー? 私はビックリ、感激した。たかがストアーキイパー・クラークのためにあの有名な提督の命令が出されたとは、・・・今考えますと、とても信じられない話です。

そして、無事サイゴン空港に着陸、それからジープでonna point まで一直線、直ちにInventory に取り掛かった。Total sale $1,985, Total Sales Cost $1,023 Gross pofit $962 と出しまして、真夜中の2時、サイゴン空港を離陸してカデナ基地へ飛んだ。

・・・と、同時に再び機体は激しく揺れ動きながら飛行を続けた。

「また、ミサイル攻撃か?」

「・・・ちがう、そんなものじゃない。ミグ戦闘機10機に包囲された。あと、10分ほどは攻撃をかわせるが、その後は無理だ。覚悟した方がいい・・・」

窓の外を見ると、機体はミサイルと機関砲弾の嵐の中をジグザクで飛んでいた。アルミ箔の粉をまきながら、ミサイルの追尾を狂わせているとのことであった。

200ドルで命を落とすのか、・・・私は後悔の念に駆られた。しかし、どうせ死ぬのであれば、日本男児として無様な死に方はしたくない。私は青ざめているヘンドリックに泡盛の古酒を勧めた。

彼は震えながらそれを飲んだ。私も震えながら飲んだ。どんなに力んでも恐いのは恐いのであります。問題は悟りと諦めであります。

機体に衝撃が走った。主翼に付いた第1エンジンが破壊されたのだ。窓から見ますと右の翼は炎に包まれていた。機体はあえぎながら飛行を続ける。揺れも、がたがたから、がったんがったんに変わっていった。

「前方、新たな機影、20機確認・・・」

「・・・味方です。助かりましたー・・・」

パイロットが上擦った声で叫んだ。たちまち閃光の錯綜に機体は包まれた。敵機が次々と撃墜されていったのです。

それから1時間後、我々はなんとかカデナ基地にたどり着いた。命からがらの、奇跡の生還としかいいようがありません。

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小説・宇宙無限パワー(1)  8・7  

現場での昼休み、公園の木陰で昼寝をしておりますと、鉄パイプを振りかざした数人の不良少年たちが奇声を上げて襲いかかってきた。身なりが汚いので私をホームレスと勘違いし、叩き殺してストレスを解消しようとしたのであります。

私はびっくりしてベンチから転がり落ち、臭いオナラを出してしまった。私を取り巻いた不良少年たちは、獲物に襲い掛かるハイエナのように牙をむき出し、唾液を飛ばして転がっている私に歓喜にときめく眼光を浴びせた。

「おまえは生きる価値なんかない〜、うじ虫より汚い奴だ〜、叩き殺して世の中を綺麗にするのだ〜、 ・・・げ〜、く、くせ〜、な、何だこのにおいは、てめー、屁をこきやがったな〜、このやろう〜、絶対に許せね〜、死ね〜」

茶髪のモヒカン刈り少年が鉄パイプを私の頭目がけて打ち下ろした。私は死ぬと思った。そして、無意識に心の中で叫んだ。

「神様、助けて〜」

すると、鉄パイプが頭に当る寸前に時間が停止し、この世の一切の動きが止まった。しかし、なぜか私だけは動くことが出来た。額のところで止まっている鉄パイプの下から這い出して立ち上がると、私よりも汚い身なりの神様が目の前に立っていた。

「神様ありがとうございます。おかげで助かりました。このご恩は一生忘れません」

「・・・一生忘れません? ・・・ということは二生目以降は忘れるということか?」

「・・・え? いえ、そのあの、つまり、まあ、意識と自我認識、そして、この記憶がある限り、永遠に忘れません、ということです。・・・しかし、あなたは神様でありながらデリケートで繊細、肝っ玉が小さいですね? 分裂症じゃないですか?」

「・・・、ん、お前は口が悪い。神様はそういう側面がないと勤まらないのだ。細かいところがないと超素粒子、クオークの世界まで力が及ばなくなる。・・・そんなことより、お前に宇宙の無限パワーを与える。これで、この宇宙はお前の勝手になる。おれは、引退して別宇宙でしばらく昼寝ることにする。あとは、お前の好きなようにしなさい」

神様はそう言うとあっという間に消えてしまった。何故、こんな土木作業員の私に宇宙無限パワーを与える気になったのか、変な神様で理解に苦しみますが、この際、そんな事はどうでもいい、ということにします。

しかし、時間が止まった世界、不思議であります。深い沈黙がこの世の果ての隅々まで充満し、無気力と絶望が恐ろしいほどの重力となって事象物象の全てを押しつぶし始めている。空間は時間を生み出し、時間は空間を生み出す。そのどちらかが動きを止めると、バランスが崩れてこの世は消滅することになる。

私は不良少年たちの衣服を脱ぎ捨てて素っ裸にし、それぞれが手にしている鉄パイプを奪い捨て、代わりに毒を抜き取ったハブを掴ませた。そして、眉毛を剃り落として、赤いマジックで目の周りに円を描いた。

それから、神様が発した気波動タイムロックを急いで解除した。沈黙が消え、全てが時間と共に動きを取り戻した。ハブを振り下ろした不良が素っ裸のまま勢いよく前に倒れた。他の素っ裸少年たちは何が起こったのか考えることができず、茫然自失となって、お互いのペニスを見つめていた。

しばらくして、赤マジックマーキング目の素っ裸不良少年たちは、悲鳴をあげながら公園を飛び出した。すれ違う通行人が驚愕し、走行車両がタイヤを軋ませて急停止した。私はため息をついてベンチに腰を下ろし、それから横になって昼寝の続きを取ることにした。昼の作業開始まではまだ30分ほどの余裕があったからだ。  (8月12日へ続く)

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現場の暑い一日、命を賭けて巣を守った蜂(8・2)

今日は暑かったですね? 暑さにもいろいろありまして、私の今日の現場は70℃にもなったのでございます。 これは嘘のようなほんとの話であります。

なにしろ、500坪ほどの資材置き場は周りを鉄板で囲まれておりまして、それが灼熱の太陽に焼かれ今にも溶けて流れそうだったのであります。

しかも、風が入ってこない。ダンプ出入りの通路には厚さ一センチの鉄板が敷き詰められておりますが、その鉄板も超高温になっていたのです。

昼飯のおかずはその鉄板にサラダ油をひき、玉子焼きを作って食べました、というのは嘘であります。

仕事内容は現場から持ち込まれて放置されている単管パイプの山を一本ずつ解いて仕分けし、高速カッターで切断して長さを整えて整理整頓するのでございます。

その単管パイプも素手で触りますと火傷してしまいます。それで分厚い手袋をして単管パイプを持ち上げて切断、仕訳、整頓と順序よく、汗だくとなって働いたのであります。

午後3時過ぎ、一本の単管パイプを取り上げようとしますと、蜂がその穴の中から飛んできた。びっくりして手を止めてよく眺めますと、パイプ先端の穴のちょっと中に巣があったのであります。

飛び出した蜂はその巣に戻り、何やらしきりに動き回っていた。私はこれまで蜂に3回刺されている。膝2箇所と、鼻の先端であります。その激痛で目眩を起こし、危うく倒れるところであった。

それで、その恨みを晴らすべき時が来た、と思い、別の単管パイプで叩き潰そうとした。

しかし、蜂は一匹で懸命に巣を守っていた。たかが昆虫一匹、されど懸命に子供を守っている、・・・私は振り上げた単管パイプを下ろし、しばらく観察した。

単管パイプは太陽の熱に焼かれて80℃以上にはなっているはずだ。いかに蜂とはいえどもその高温に耐えられるはずがない。蜂が一匹だけ残っているということは、他の蜂は暑さに耐えられずに逃げた、ということになる。

その蜂は懸命に羽を振っていた。・・・たった一匹で巣に風を送り、幼虫を熱から守っているのだ。私は心痛む思いでしばらくその様を眺め続けた。

しかし、太陽は情け容赦なく熱戦を放射し続けた。手袋をしていても単管パイプの熱で手が火傷しそうな高熱である。風を送っている蜂はその高熱をまともに受けていることになる。

私は少し離れたベニヤ板の影に入り、その中から蜂の様子を伺った。蜂は懸命に羽を激しく振り続ける。そして、最後に力尽きてそのまま落下した。土の上の蜂の残骸、命を賭けて守り続けた巣も、熱のために萎びれたようになっていた。

生きるということは厳しいものでございます。厳しいというより、残酷ですね? しかし、それでも生き物は、生きているかぎり生きる努力をしなければならないのだ。そこには、ありのままの世界があるだけで、価値観などの入り込む隙間はない。

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ジョバンナという名の女法王(8・1)

「ローマ法王」、百科事典を調べてみますと、「教皇」というのが正式な名称のようであります。

イエス・キリスト様の一番弟子「ペトロ」が初代の教皇であります。彼はイエス様がお隠れになった後、いろいろとご苦労なされて伝道活動に励み、パチカンで初代教皇(64年〜68年)となったのですが、あの悪名高い暴君ネロに捕まって殺されてしまいました。

それから約2000年を経て現在に至るのでありますが、今の教皇はペテロから265代目になるベネディクト16世であります。ヨハネ・パウロ2世がお亡くなりになりましたので、今年の4月24日、投票で選ばれて就任しております。

就任式はバチカンのサンピエトロ広場で行われ、ケーラー・ドイツ大統領をはじめ、世界140カ国の政治・宗教指導者や巡礼客ら50万人が集まった中で行われたのであります。

歴史をずーっと遡って行きますと、全ての法王様が独身であります。中には隠し子が3人ほど存在する方もおありですが、立派であり、尊敬の念を新たに致しました。

しかも、教皇は全て男なんです。つまり、女は教皇にはなれない。女は神なるものに近寄ってはならない。女は神の敵だ、という意味なのでしょうか? 勿論、男風呂に女は入れませんが(大歓迎)・・・、これは意味が違います。

 もし、そうだとすれば彼らは煩悩の奴隷となった人類の敵、と言わざるを得ない。日本の天皇だって、昔は

推古天皇(33代) 皇極天皇(35代) 齋明天皇(37代) 持統天皇(41代) 元明天皇(43代) 元正天皇(44代) 孝謙天皇(46代) 称徳天皇(48代) 明正天皇(49代) 後櫻町天皇(117代)

という大勢の女性がおられたのです。それを思えば、日本は遥かに進化している。明治政府が天皇は男でなければならない、と勝手に決めただけのことで古代日本は素晴らしかったのであります。

だが、しかし、その教皇の中に女が1人だけいたのであります。その名は「ジョバンナ」であります。 彼女は、・・・いや、そのお方は男に変身してまんまと法王についた。しかし、彼女は男好き、つまり、スケベーであった。ようするに幼少の頃、親に愛されなかったので愛に飢えていたのであります。それで若いツバメとの避妊に失敗いたしまして御懐妊され、ミサを司祭しておりましたときに不覚にも出産したのであります。

それは聖歌の合唱が始まった時と同時でありました。厳かにして、聖なるミサの合唱の歌声の中で「おぎゃー、おぎゃー」が一段と大きく響き渡った。全員びっくり、何事かと目をきょろきょろ致しましたところ、なんと男であるはずの教皇の股下に、生まれたての赤ちゃんが臍の緒と繋がっているではないか・・・。 これは聖歌ではなくて性歌だったのか?

その後どうなったか? いろいろな説がありますが、よってたかって赤子もろとも殺したとか、出血多量で死んだとか、彼女が甲高い声で笑いながら、赤子を抱えて空に飛び上がって消えたとか(これは嘘)、今のところ定かではありません。

その時から、ローマ法王選挙の時は穴の開いた椅子に候補者を着席させ、その穴から手を入れて2個と一本があるか確認するようになったのであります。嘘のようなほんとの話であります。今年の4月24日、ベネディクト様も握られたことになります。その時、彼はどういう反応を示したか?・・・それはご想像にお任せします。

いずれにいたしましても、彼女の名は抹殺されております。教皇は男でなければならない、という神の意思に反する迷信のためであります。それをやったのが法王クレメンス8世で、約700年後の1608年に完全に削除いたしております。

今日の内容、如何でしょうか? 恐れ多いことで、大変失礼致しました。では、また、明日! 

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うつ病 (7.31)

うつ病とはどういう病気でしょうか? バットでボールを打ちたがるとか、隣のおやじを追い回して、そのはげ頭を打たないと夜も眠れない、というような単純な病気ではありません。

それは深刻な心の病であります。こういう書き方をいたしますと普通の方は笑うことも出来るのですが、うつ病の方ですと絶対に笑えず、自虐的に受け止めて怒ったり、悲しんだり、絶望感を強めたりします。

真面目で几帳面で頭が良く、責任感の強い人がうつ病にはかかりやすく、自殺者の多くがその病にかかっているといわれております。驚いたことに日本人の20人に1人がうつ病患者だそうです。去年の日本人の自殺者は3万人を越えましたが、ほとんどが何らかの形でうつ病にかかっているということになります。

うつ病の苦痛は深刻です。喜びや希望などはなく、過去の出来事を思い出して罪責の念に駆られ、やる気も気力もなくなって、自分が最低最悪な駄目な人間で、生きる価値がない、と本気で思い込み続ける。

しかし、それでも必死になって生きる場所を探して心の闇路をさ迷い歩き、酒びたりになったり、ばくちに狂ったり、身を切り売りしたりするようになる。それは時の流れが癒し、解決してくれる類のものではなく、逆に加速度を早め、重症の度合いを強めていくのであります。

この心の苦しみは肉体にも大きな影響を確実に及ぼします。寝不足で頭は朦朧とし、食欲がなくなり、頭痛や脱力感に苛み、医者にも分からない原因不明の病気にかかったりする。

なぜ、こういう心の病になるのでしょうか? 病巣、原因はどこにあるのか? 一言で言えば、幼少の頃の親の殺意の中にあります。殺意といえば語弊がありますが、ようするに愛情のない独善的な親、ということです。

つまり、そういう親を持つ子供は、親の見栄体裁の道具であり、虐待の対象に過ぎない、ということになります。親に愛がないということは子供にとっては「死」である。その恐怖が無意識を破壊し、精神構造を狂わしていく。

分かり易く説明いたしますと、恐怖というのは程よく制御されて人間を進化発展へと導くものですが、その制御が破壊されて、絶望と不安、恐怖のままに人格形成期を通過した場合、無意識に蓄積され続けた膨大な恐怖が、癒えることのない生傷となり、意識作用を奴隷化して対象の見方を全て悪い方へと導き、自らを虐待していくのであります。

我々が感覚器官を通して受ける外部からの刺激、衝撃は、死の恐怖と照合されて、安全か危険かに大別されて処理される。その際、危険と処理された情報は、安全な対応を引き出さんとする心的機能を刺激して肉体機能を激しく震撼させ、それに連動する組織体を傷つけることになる。

つまり、自虐的な感情は脳細胞を刺激して毒の科学物質を分泌させる。それはバランスを維持している肉体機能を狂わせて異常を引き起こさせ、病変を焼き付けていく、ということであります。

精神と肉体は密接に繋がって連動している、ということは、それぞれの領域にそれぞれが勝手に入り込める、ということではない。

肉体の破壊は精神によるものではなくて、精神の影響によって分泌される化学物質、という肉体の一部によるものである。

そして、破壊された肉体組織は同じ化学物質の分泌を脳機能に要求する。それが精神状態にさらなる刺激を与えて、いろいろな弊害感情を引き出させるのであります。それがうつ病のメカニズムであります。

毒の分泌物によって異常化し、その毒物を分泌し続ける脳機能、それは精神の次元では回復できるものではない。肉体の異常は肉体自身の回復能力によって排除できるものである。それを手助けするのが薬であり、医療技術といえます。

勿論、宗教的、催眠的暗示をかけ、うつ病が治ったような誤解を与えることは出来る。しかし、病巣は脳内に焼き付けられておりますので、別の形で現れるのであります。

では、どすればうつ病は治るのか? 患者の方にはたいへん失礼かもしれませんが、それは、簡単に直るのでございます。専門の医者に相談して薬をもらい、真面目に飲み続ければ必ず、直るものであります。

問題は、直そうとしないから直らないのであって、薬を飲んで治せば完全に直ります。脳内の構造、仕組み、メカニズムは医学の凄まじい進歩によって大きく解明されております。そして、うつ病をはじめ、神経症の治療は大きく飛躍しておりますので、そういう病の方々は一刻も早く専門で、優秀な医者に相談すべきです。

問題は薬による副作用ですが、重い副作用はまず、有り得ないそうです。ただ、便秘とか口の乾き、眠気、排尿困難などの軽い症状は出るとのことです。稀な例としては皮膚の発疹、肝障害があったようですが、その辺のことは主治医と徹底的に話し合って対応策をとることが大切です。

いずれにいたしましても、ここで大事なことはうつ病が治った後の生き方、心の持ち方の問題であります。いかなる心を持ち、いかなる心使いがこの天地大自然に受け入れられ祝福されるか、そして、いかにして人類に貢献していくか、そのことが最も人間として生きていくのに大切なことであります。

せっかく直っても、毒の化学物質を分泌させる心遣いでおりますと、脳組織が再び破壊されて新たにうつ病となってしまうのであります。

そういう心と肉体のメカニズムを十分に考慮し、己自身の心、精神、感情を正しく制御していく、それが、人間として生きる最も重要な第一条件だと思います。

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宇宙誕生その1(7・24)

最近の学説によると、ビックバンによって宇宙が誕生したのは今から150億年前とされている。それを遡り、ビックバン瞬間の完全なゼロ点にたどり着こうとするのですが、残念ながら今の科学では解明不可能です。しかし、千兆の千兆倍のそのまた一兆倍分の一秒までの状況は何とか科学で説明できております。その時の宇宙の広がりは1000兆の1000兆倍分の一ミリで、1000兆℃の10兆倍℃という想像を絶する超高温であった。

その瞬間的世界は量子論の領域となります。+素粒子と−素粒子、つまり、物質と反物質が同時に出現し、凄まじい相殺の爆発が連続します。それが光の海となって極小の宇宙は衝撃的に膨張を始めます。しかし、反物質のほうがわずかに少なかったために+の物質が残存し、宇宙は現状の宇宙としてそのまま膨張を続けます。ここまではあくまでも推論の世界です。

100分の一秒後、宇宙の温度は1000億℃となり、クオークから陽子と中性子が構成され、それらが電子と結びついて原子が出来ていきます。しかし、光のエネルギーがそれらの2000万倍以上もあったため、物質は光の海に溶けたままであった。ビックバンに関する理論的な有効性はここに起点を置きます。このクオークと電子が現代物理学では最も基本的な究極の粒子、と考えられております。

そのクオークと電子の大きさは100兆分の1センチなどと言われておりますが、実際にその大きさは確認されておりません。ただ、電気的な力や気配などが実験によって測定される現象が確認されているだけであります。もしかするとその大きさはゼロであった、物ではなくて現象であり、何かの力だけかもしれません。

この宇宙の基本的な力、つまり、宇宙を構成しているパワーは4種類あって、重力、電気的力、強い力、弱い力、に分けられている。重力は万有引力、電気的力は電荷間に働くクーロンの引力や斥力、弱い力は中性子が壊れるときに反ニュウトリノが放出される力、強い力はクオークをくっつけて陽子や中性子を作ったり、さらにそれらをくっつけて原子核を作る力であります。

それらがビックバンの時に、一つのある力から別れたものであるとする「大統一論」をアインシュタインは打つ立てようとしましたが未完のままに終わっております。ビックバンは別の見方からすれば時間と空間の誕生であり、その歪の中から発生したのが四つの基本的な力であった、と言えるかもしれません。

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人類滅亡の危機(7・23)

1994年7月17日〜22日にかけてSL9という彗星が木星に衝突した。その衝突エネルギ−は広島型原爆の一億倍であったと計算されております。人類が初めて目撃した天体大型激突ショーでありました。

その彗星は衝突前に20個に分裂いたしまして、直径500メートルから大きいもので5キロと計算されていた。したがって、6500万年前、恐竜を絶滅させた隕石の直径が約10キロと言われておりましたので、それらが作るクレーターは望遠鏡では観測出来ないほどの小さなものであろう、と考えられていたのであります。

ところが衝突が始りますと、次々と巨大化して行く火炎の塊が出来、あっという間に地球と同じ大きさのきのこ雲と衝突痕が目撃されたのであります。

ということは直径がたった1キロの隕石で、恐竜どころか地球全体が壊滅状態になってしまう、ということであります。それで、ユカタン半島の巨大クレーターは直径10キロの隕石ではなく、数百メートルほどであったかも、ということになっております。

米航空宇宙局(NASA)の研究チームによりますと、太陽系の中だけで、地球に接近衝突する恐れのある1キロ以上の小惑星は1000個あるそうです。これでは安心して星空を眺めながら美しい彼女とビールを酌み交わし、永久の愛を誓う、ということは出来そうもありませんね?

それと、121年後の話ですが、2126年の8月14日、スウィフト・タットル彗星というのが地球に衝突することが明らかとなっております。この彗星の発見者は臨死体験ではなくて、死亡体験された木内鶴彦という天才学者であります。

この彗星の大きさは直径が20キロですから地球はひとたまりもありません。おそらく火炎地獄、45億年前の火の塊の地球に逆戻り、ということになります。落ちるところはインド洋あたりで、日本時間10時35分、となっております。

これは天下の一大事どころか、人類にとっての緊急一大事、ということで1994年の12月に64カ国が集まって国際会議が京都で開かれたのであります。全世界の核ミサイルを集中し、その彗星にぶっつけたらどうだろうか?

 しかし、それでも直径20キロの彗星ですからびくともしないそうです。ただ、その軌道がちょっとだけ変わり、約1億5万キロほど離れたところを通過していくかもしれない、と計算されました。

そこで、アメリカの前大統領、クリントン様が地球防衛宇宙構想なるものを打ち立てまして、16カ国で宇宙ステーション建設と研究を始めよう、ということに相成りました。その構想は受け継がれておりまして、宇宙ステーションが完成すれば、直ちにミサイル組み立てに取り掛かるはずです。

しかし、みなさん、これで安心してはなりません。121年後どころかたった数年後に、人類滅亡の可能性が出てきたのであります。これは ”ナンクル・ナイサ=なんとかなるさ” では済まされない問題であります。

2014年、酸素が稀薄になるらしいのです。現在の標高8000メートルの所と同じ酸素濃度となります。これですと酸素呼吸をする動物の全てが完全に死に絶えます。それは何故であろうか? ・・・実は植物学者たちが言っているのですが、2011年から2014年にかけて世界中の木が一斉に枯れ始めるらしい。

原因は植物が光害によってストレスに晒されるからだそうです。光害とは、夜の空が明るくなりすぎて植物が生命反応のリズムを狂わされることで、人間にはその重大さが全くわからないのであります。

人間の出す公害、排気ガス、二酸化炭素、それらを植物たちは黙々と酸素に変えてくれて、人間に奉仕してきた。その恩に対して人間は仇で返し続けてきたのだ。犬は3日飼えば死んでも主人に尽くす。しかし、人間は形勢が逆転すれば恩人をも金のために殺してしまう。全く情けない話でございます。

2011年といえばあと5年ですね? 木が一斉に枯れ始めますと、もう人間の手には負えないようです。 ただ、天地大自然の復元力、奇蹟に全てをまかすしか手段はないのかもしれません。

人間は科学文明を発展させ、万物をミクロからマクロにかけて分析し、解明し、素晴らしい発見と発明を連続させて今日の繁栄を築いた。しかし、その繁栄と素晴らしい頭脳にどう対処するかを全く考えてこなかったのであります。

今からでも遅くないと思う。愛と思いやりと正義の名の下に、この世、天地大自然、宇宙の無限性に対してどう対処し、どう報いていくべきが、人類は考える最終ラウンドに突き当たっていると思います。

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生命の進化と存続ーNO1(7・21)

地球が誕生したのは45〜46億年前と言われている。その地球に生物は37億年前に誕生し、進化と絶滅を繰り返しながら今日に至っている。その間、現れた生物種は1130万種以上で、そのうち生き残っている生物種は全体の11%、130万種に過ぎない。さらに、近年は推定で年間4万種の生物が絶滅しております。

ほとんどが環境の激変に適応できずに絶滅しているのですが、逆境の中で耐えて生き続けねばならなかった生物のみが環境の変化に適応して進化し、次世代に我が世の春を築き上げている。つまり、強さプラス適応性、臨機応変さがないと生物は生き残れない、ということになります。繁栄と栄華は慢心と傲慢さを築き上げ、逆境に生きる強かさを失って適応性を失い、環境の激変によって滅ぼされる、ということの繰り返しがこれまでの生物の歴史であります。

豊かさの中にあって謙虚に厳しく生きる、それが生命進化と存続には大切なことですね? 皆様はどう思うでしょうか? この続きはまたいずれかの今宵ということに致します。

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パニック結婚式(7・17)

 昭和40年頃だったと思いますが、真夏のある日、従兄弟の結婚式に招待された。仲人挨拶、新郎新婦の友人代表挨拶、そして目出度い琉球古典舞踊と続き、雰囲気は次第に盛り上がっていった。

私の向かいには、宮古島の片田舎から出てきた中年の男性が座っていた。彼は泡盛を飲み、山と積まれたご馳走に舌鼓を打ちながら上機嫌、余興の始まりと終わりには必ず指笛を鳴らし、大声を上げて拍手をした。

「わははははー、目出度い! ご両人、毎晩、子作りに励んで良い子をじゃんじゃん作ってくれ!」

45度の泡盛の威力は凄い。式の中頃には彼は完全に出来上がっていた。そして目の前に、皿に大盛りの刺身が出された。皿の端っこにはワサビの塊が添付されていた。

その頃までは、ワサビは沖縄では殆ど知られていなかった。刺身は酢醤油かヒラミレモン(シークァーサー)、を絞って入れた醤油に浸して食するのが一般的でありました。

彼は醤油に刺身を浸して食べ始めた。かなり酔っていたので、醤油に酢が入っているのかどうかは判断がつかない。

そしてついに、大きなワサビの塊をそのまま口に入れてしまったのです。彼はワサビの存在を全く知らなかった。首を傾げながら口をもぐもぐ、それから目を白黒させたあと、恐竜のような叫び声を上げた。

「ぎゃー、な、なんだこれー、イ、息が出来ない。は、鼻が、鼻がもぎれるー、俺は死ぬー、た、助けてくれー・・・」

彼は、テーブルをひっくり返し、悶え、のたうち、跳んだり撥ねたりの大暴れとなった。

会場騒然、新郎新婦は抱き合って青ざめた。司会者が飛んできて彼をなだめようとした。しかし、暴れまわる彼の頭突きを股間に喰らいそのまま卒倒してしまった。

それから十数分後、彼は救急車で運ばれていった。ワサビが沖縄で知られるようになったのは、その頃からだと思います。

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無限分の一の確率(7・15)

朝の日差しは柔らかく、静けさの中に小鳥のさえずりがする。

「生きるという事はすばらしい、天の神様、この素晴らしさをありがとう!」

 私は公園のベンチに腰掛け、自動販売機で買ったばかりの缶コーヒーを眼前にかざした。するとその穴の中に黄色いものが尾を引いてスーっと入ったのです。な、なんだこれは!

 私はビックリして上を見上げた。すると羽ばたきがして、ケヤキの天辺からカラスが飛び上がった。そして、勝ち誇って啼いたのです。

「アッホー、アホー…」

 コーヒー缶の穴の周りに汚れはない。糞は見事に穴の形となって入ったのです。ここまでやるとはお見事、神わざ、いや、奇蹟のカラスワザであります。私は尊敬と畏敬の念を込めてそのカラスの行方を見つめた。

 こういうことは無限分の一の確率と思いませんか? 盲亀浮木の縁、そして、カラス糞落下の縁、きょうは良いことがある。今日も一日ファイトイッパーツ、ガンバロ〜〜〜!

今日の現場は奥多摩です。車で2時間かかる。では、行って来まーす。

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この世は無限性という幻想(7・14)  

 最近気がついたのですが、あなたと私を除いて世界中がおかしくなっている。つまり、狂っているとしか言いようがない。

大雨の後、公園の水たまりに釣り糸をたれている男がいた。ネクタイを締め、外見は立派な紳士であった。立ち止まって

「なにか釣れましたか?」

と声をかけると、男は身動きもせずに怒った声で答えた。

「こんなところに魚がいるわけないだろう。おまえ、馬鹿か。精神病院へでも行け……。」

 その他、犬を帯で締め、おんぶして歩くきれいなおばさん。電車の中で勝手に動く腕を、懸命に他の手で押さえているサラリーマン風の男。真夏の駅で真冬の服装をし、なにやらとなえている肥満女性、交通量の激しい道路の真ん中で、太極拳を優雅に演じている男、赤いミニスカートで、すまして歩く厚化粧の老婆、ゴリラのような顔で女装して歩く色黒男……、数えればきりがない。

 人々はすさまじい狂気を、世間体と見栄で懸命に押さえ込んで、かろうじて正常さを保っているように思えてならないのです。しかし、無理もないことです。今の世の中、右を向いても左を向いても嫌なことばかり、金と権力が愛と正義、神、仏を支配し、悪が大道を闊歩するご時世である。

 絶望とストレス、前途不安、それらの要素が幾重にも重なり合って人々を異常性格へと導いていく。それ故にサイバーワールドに溶け込んだり、飲み、打つ、買うにはまり込んで現実の苦しみから逃れようとする。しかし、それらは全て一時的なもので、すぐに引き戻されて苦しみ、のたうちまわることになる。

 逃れる術はただ一つ。煩悩を捨て、心を空にする事である。己の無力さと、この地球、天体なしには生きられないという現実を素直に受け入れて、謙虚にして寛大な心で世界を見つめるしかないのです。流れに逆らわず、流れのままに流されても、辿り着く目標への舵はしっかりと握りしめる。これが人間に出来ることだ。

 しかし、そうは言っても己の狂った心の眼をそこへ向け、まともな人生を歩む、ということは不可能に近い。異常性は心と魂の激痛を麻痺させる麻薬のようなものであるからだ。

 大怪我で苦しんでいる者に、”己の無力さを知り、現実を素直に受け入れて寛大な心で世界を見つめよう!” と諭しても無駄なことであります。本人にとってはそれどころの騒ぎではないのです。

 救いは時空の厳しさにあり、時が解決する。美しい花弁から落下する朝露、その一瞬のきらめきがこの世であります。一瞬の中での幻想が生み出した人間たち、落下する朝露の煌きと共にこの世は消滅する定めとなっている。我々はその一瞬が造りだした無限性、という幻想の中で蠢いているだけに過ぎないのだ。

この恐ろしい現実を知らぬゆえに人間は狂う。甘い夢と理想郷、快楽、贅沢を求めているかぎり人間は救われない。

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哀れな子ダヌキ(7.12)  

童謡の「しょうじょうじのたぬきばやし」は 野口雨情作詞、中山晋平作曲であります。大正8年、木更津町と君津郡の教育委員会の招きで木更津へ講演に招かれた野口雨情が、証誠寺にまつわる狸ばやしの伝説を聞いて感激して作詞したと伝えられております。大正14年に中山晋平の曲を得て『金の星』という雑誌に発表されて完成しております。


1.しょう しょう 証誠寺
証誠寺の庭は
ツ ツ 月夜だ
みな出て来いコイコイ
おいらの友だちゃ
ポンポコポンのポン

2.負けるな 負けるな
和尚さんに負けるな
来いコイコイ 来いコイコイ
みな出てコイコイコイ

3.しょう しょう 証誠寺
証誠寺の萩は
ツ ツ 月夜に花ざかり
おいらは浮かれて
ポンポコポンのポンポンポン

この証誠寺 というお寺は浄土真宗でありまして、初代住職は了念法師というお方で、江戸初期に建立された。場所は木更津市の、昔は鈴ヶ森と呼ばれた所です。狸ばやしの伝説が生まれるにふさわしい竹やぶに囲まれた森の中であったそうです。寺小屋でもあったことが記録に残っております。

深夜、外の賑やかさに和尚さんが目覚めまして庭のほうを見ますと100匹の狸たちが整然と並んで本堂の周りを歩いていた。それもただ歩くだけではなくてお腹を膨らませてそれを叩きながら、「証誠院のペンペコペン、おいらの友達やどんどこどん」と繰り返し歌っての行進であります。

和尚さんはすっかりそれにつられて浮かれ出し、得意の三味線を取り出してぺんぺこぺんと弾いて狸たちのリズムに合わせた。狸たちと和尚のボルテージは上がり、オルガムスが爆発炎上し続けた。その熱狂の踊りが毎晩続きましたので狸たちは疲労困憊、ついにダウンした。4日目の晩には熱狂乱の狸ばやしはピタリとやんで、静寂が宇宙の底と果てまで続いたのであった。翌朝、和尚が本堂に行きますと、そこに大きなボスの狸が死んでいた。腹鼓を叩きすぎて裂けてしまったのが死因でありました。

というのが狸ばやしの伝説であります。ここでの和尚さんは第五代住職の了因法師だったかもしれません。多芸多才でユーモアーな方だったと申しますから・・・?

しかし、実際問題として、狸たちがこんなことをするわけがない。野生の狸は生きるのに精一杯なのです。狐がおり、野犬がおり、野良猫がいる。西を向いても東を向いても恐ろしい敵ばかりなのです。

狸は化ける、と言われている。しかし、動物で化けることが出来るのは人間だけであります。悪魔でありながら神仏に化けたり、異常性格でありながら正常な偉い人に化けたり、全く性質が悪いのは人間であります。野生狸にとって最も恐るべき殺し屋は人間なのであります。

今日の現場は東久留米の幸町であった。黒目川がすぐ横を流れ、大小様々な樹木がうっそうと茂る緑豊な所であります。それらの樹木群の中で野生の狸が生息しているのが分かった。建築現場の貨物リフトの横で狸の子どもがぐったりと横たわっていたからです。腰骨が折れているらしく、瀕死の重症であった。

ガードマンが木陰に運んでミルクを与えようとしたが全く受け付けない。お尻からは腸がはみ出ていた。一見して助からないことが分かった。狸は夜行性である。おそらく深夜、親狸の後をついて遊歩道に出たとき、自転車に跳ねられたか、ジョギング中の人間に踏みつけられたか、落下物に当ったか、だと思います。

あるいは親ダヌキが交通事故でなくなり、飢えた子ダヌキが親を探して歩き回っている内に力尽きて倒れ、それを人間に踏みつけられたのかも知れません。作業員たちが集まり、物珍しげに動けない子ダヌキを眺め、勝手なことを言い合った。

「狸汁にしたらうまいよ。今宵はここでバーベキューしよう〜〜〜、がははははははー」

「犬を連れてきて、犬に食わせろー、おもしれーぞー」

まったく、人間って恐ろしい生き物であります。・・・夕方、子ダヌキの姿は消えていた。近くの森の中でカラスの騒々しい鳴き声が異常であった。・・・何と申しましょうか、胸が痛くなり、生きることの厳しさが身に染みた寝苦しい夜となりました。

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人類を救った男(7.10)

一昔前、と言っても今から48年ほど前のことですが、当時のキューバはバチスタという独裁者が支配していた。しかし、独裁者と言ってもアメリカの奴隷のようなものでございまして、サトウキビ経済の甘い汁はほとんどがアメリカに吸い取られていたのであります。つまり、国民のほとんどが小作農でありまして、毎日、働き蜂のように働き、その収穫のほとんどは地主に搾取されていた。

さらに地主が搾取したそれらの半分以上はアメリカに吸い取られる、という人間差別と不平等がまかり通る国でありました。そういう時、月光仮面のように現れた男がフィディロ・カストロであります。儲けは働いた者に平等に分け与えられるべきものである。よそ者は出て行け、ばかやろー、と叫びましたので、小作農は全て喜び、彼を支持したのであります。カストロが月光仮面なら、アルゼンチンからやってきた男、ゲバラはウルトラマン、となりますか? 彼はカストロの右腕、相棒ですね?

1953年7月26日、打倒バチスタ独裁政権の旗印を上げて、カストロ革命軍はモンカダ兵営攻撃を敢行した。結果は返り討ちにあって散々な目にあって敗退、失敗に終わったのであります。しかし、3年後、月光仮面とウルトラマンは再び革命軍を率いてゲリラ戦を開始した。そして、1959年に独裁政権打倒に成功し、広範な統一戦線を組織したのであります。

まず、土地改革が行われ、米国系資産の接収、基幹産業国有化が強行され、首相となったカストロによってキューバは社会主義国家となったのであります。つまり、アメリカに牙を剥く一匹狼となったのであります。

勿論、アメリカは怒っちゃいまして、いろいろとあの手この手を使いまして、カストロ政権を覆そうとしましたが、いずれも失敗に終わってしまいます。1961年、アメリカはカストロに対する反革命侵入軍を大金を払って組織させ、大々的に攻撃させましたが、地の利に勝るカストロ軍にこてんぱんに撃破された。これもその失敗策の一つであります。

しかし、アメリカが本気になりますといかにカストロといえども一たまりもない。そこで、カストロはアメリカの最強の適であるソ連の傘下に入り、身の安全を保護してもらったのであります。喜んだのはソ連であります。

NATOの中距離核ミサイルや大陸弾道弾ミサイルの全てはソ連に向けられていた。咽元のすぐ隣、トルコにも核ミサイルの牙が無数に剥きだしてソ連に向けられている。これは核戦争ともなれば絶対に不利な状況であります。

しかし、キューバにソ連の核ミサイルを配備することが出来れば状況は互角となる。1962年9月、ソ連はキューバに兵器を提供し、かつソ連製核ミサイルを配備する計画を可決した。カストロはその決定を大歓迎し、計画は急ピッチで実行に移されたのであります。

びっくり仰天したのがアメリカであります。偵察機Uをキューバ上空へ飛ばしてみますと、多数のソ連製ミサイルが配備され、さらにその数を増やし続けていたのであります。米国防省とCIAは直ちにミサイル基地への空爆を行うべきだ、と主張し、その際、一気にソ連に対し、核ミサイル攻撃を全NATO軍を上げて敢行すべきだと息巻いた。 

だが、時の米国大統領ケネディはその強行論を毅然として封じ込み、エクスコム(国家安全保障会議執行委員会)を設置し、陸海空の3軍に対しデフコン2(準戦時体制)を発令した。ソ連との全面核戦争を覚悟した大統領は核弾道ミサイルの全てをソ連に向けながら、一方では海上封鎖を行ってソ連船のキューバ入港を阻止した。

強硬派の国防省はこれを受けて次のように言明した。

「ソ連船が停泊命令を拒否すれば直ちに一斉攻撃に移り、全てを撃沈する。それから、24時間以内にはソ連に核ミサイル一斉攻撃をする。第3次世界大戦が勃発すれば、それはすべてソ連の責任である・・・」

それに対してソ連は、海上封鎖は国連憲章違反であり、全くけしからん暴挙である。そっちがそっちなら、こっちはこっちで攻撃を受けたなら核ミサイル一斉攻撃を決行すると、がなり立てて、その決議案を安保理に提出した。

これは世界の一大事であります。一触即発、一発のミサイル発射は、核戦争の点火となり、人類は他の生物を巻き込んで絶滅することになる。ソ連の決議案を受け取ったウ・タント国連暫定事務総長は慌てふためき、両首脳、ケネディとフルシチョフに喧嘩はせずに仲良くしてください!という意味のメッセージを送った。

カリブ海上には25隻のソ連船がミサイルの資材を積んでやってきていた。その進行を阻止しているのが米海軍の艦船多数であった。まさに一触即発、世界は核戦争によって滅亡の危機一歩手前にあった。そのとき、ケネディーはフルシチョフへ直接電話を入れていた。

「てめー、すぐにカリブ海の船の全てを引き上げさせろ。ただし、もし、人類を滅ぼしたければ引き上げないでもいいぞ〜」

それに対してフルシチョフが応えた。

「それなら、トルコに設置されているてめーらの核ミサイルを撤去しろ。そしたら、無条件で引き上げてやる」

「よし、わかった、そうする。弟のロバートをよこすから、秘密の交換条件といこうー」

となって、カリブ海のソ連船は油を積んだ輸送船の一隻だけの通過許可を得て全て引き上げたのであります。10月28日、ソ連は「キューバから攻撃的武器全てを撤収する」という声明を発表した。冷や汗いっぱい、悪夢いっぱい、の事態でありました。言い換えれば、ケネディーによって第3次世界大戦は回避され、人類は救われた、ということになります。

そして、ソ連はキューバに設置されている核ミサイルの全てを撤去し、すたこらさっさと引き上げてしまった。そして、トルコに設置されていた米国のミサイルも全て撤去されたのであります。おもしろくないのはカストロであります。「我々はいかなる査察にも応じない」 と駄々をこね、己が何をしでかしたのか全くわかっていないのであります。

もし、あの時ケネディーではなくて、0000大統領だったら、核戦争は勃発し、人類は今頃、絶滅していたと思います。アメリカの裏には戦争大歓迎の大金持ちが無数に存在する。それは戦争をしたがる米国国防省、CIA、とその裏に隠れた武器商人たち、といわれています。そして、戦争反対のケネディーを暗殺したのも国防省、CIA、武器商人の暗黒街の帝王と言われています。

金持ち、怖いですね? 彼らは何のために金持ちなのか? という意味が分かっていないのです。 人間はいずれ死ぬ。その時、全てをこの世に残して去っていく。ということはこの世で自分の所有物というのは何もないのであります。ならば、生きているうちにその富の有り余ったところを貧しい人に与えて心身ともに助け上げるのがその使命だと思いますが、如何でしょうか?

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高度な幻想 (7.7)


ここまで生きてきて良く分かったことは、人間の50歳までの顔かたち、体力、体調などの肉体上の要素は、ご先祖や親の責任、つまり、遺伝子や運命的なものが70%ほど影響を及ぼしている、ということであります。

 ようするに、50歳までの人間は、生命誕生ビックバンの加速線上にあるということです。しかし、50を過ぎた途端、その加速度が止まり、落下を始める。これが老化の始まりなのであります。

 何を申し上げたいのかと申しますと、50歳をボーダーラインと致しまして、若さは肉体機能の責任から精神機能の責任に委ねられる、ということであります。その精神機能は愛と正義と思いやり、神、悟り、実践などによって高められていきます。

その神と愛と正義は集団規律と煩悩が生み出した幻想である、と主張される方がおられますが、これは確かであります。野生の集団生活をする動物にはボスがおり、規律があり、保護がある。これが「神と正義と愛」という高度化した幻想であると思います。

その精神機能はこういう幻想によって高度化し、強められる。幻想は精神メカの潤滑油であります。それがなくなれば人間は磨耗し、枯渇して宇宙永住権が奪われることになります。永遠の若さと繁栄、進化発展、全て精神力、精神機能、幻想にかかっております。

しかし、その幻想でもマイナス思考に基づくと逆効果であります。自己破壊が見えざるところで進行し、見るもの聞くもの、触るもの全てが嫌になって絶望、憎悪、妬み,怒り、という醜い心になります。それは顔に刻印され、大衆に公開されることになります。

やはりプラス思考が一番いいですね? 金も無ければ家も無く、今宵のパンに事欠いても、空気は無限にあり、公園に行けばいくらでも水道の水がある。水を飲めば水の味がする、この健康のありがたさ、ああー、ありがたい・・・!

そして、ここには死を宣告された病人が横たわっている。しかし、彼はプラス思考であった。

「人間にとって最大の幸福、それは死という安らぎである。死んだ後は好きな酒をいくら飲んでもアルチュウにならず、タバコをすっぱすっぱ吸っても肺がんにはならない・・・、もうじきその最大の幸福が訪れる、おれは幸せだー・・・」

という事になりますね・・・?

・・・ん? 何を書いているのか訳が分からなくなりました。精神年齢が謎の青春のままであるという証拠であります。

私はこれからも年を取っていく。しかし、心一つ、精神一つの世界に突入した今、チャレンジ精神は旺盛であります。己の煩悩を制御し、愛と正義と思いやり、そして神を大切にしていく。

目標は150歳まで、現状の心身を維持したまま土木作業員として働くことであります。その後は? そのときからは宇宙時代です。500歳誕生日の祝いに、150億光年の最果ての宇宙空間へ、超光速宇宙船「タキオン号」で宇宙ツアーに行ってきます。

勿論、最愛のばー様、492歳とであります。・・・ということを付け加えませんと、彼女の機嫌が悪くなり、夕食に毒を盛られるかもしれませんから・・・?

では、また、明日! 皆さん、今日も一日ファイトイッパーツ、で行きましょう!

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小さな友達(7.3)  

数年前のある朝、いつものように孤独の仕事をしておりますと、何者かの視線を感じた。あたりをきょろきょろ見渡したが誰もいない。気のせいか!と思い直してツルハシを振るい続けたが、やはり視線を感じる。

「ん、何だ、この精神波は?」

何気なく右手の住宅の2階を見上げると、窓ガラスに顔をくっつけて、私を瞬きもせず、じっと見つめている男の子と視線が合った。4・5歳ぐらいで青白く、痩せていた。

子供は純真で無垢です。それが大人たちの心の汚濁を浄化してくれる。私は笑顔で手を振った。子供は頭を下げて素早く隠れた。それからしばらくして顔を出す。また私は手を振った。すると再び隠れる。それが数回続いた。これでは仕事が進まないので、私は彼を無視して作業に集中した。

昼食時、日の丸弁当をたいらげた後、車のシートを倒し昼寝をする。一瞬にして眠りは無限の深さに急降下する。いびきの轟音波で群がるカラスの大群が慌てふためいて逃げていった。

夢を見ているのは確かですが、内容は記憶に残りません。おそらく、高原の花園で、美しい天女とアルゼンチンタンゴを踊っている夢だと思います。

その深い眠りがなぜが、突然、破れた。シートを立てて上半身を起こすと、車の外に子供が立っていた。2階の窓から私を見ていたあの子供であった。視線が合うと子供は怯えたような表情となった。そこで一言・・・。

「おじさんは何でも知っている。あんたのお父さんは男で、お母さんは女だ。どうだ、当たっているだろう? びっくりしたか!」

子供はしばらくきょとんとしていたが、その表情が崩れ、白い歯をのぞかせた。それから私は外に出て質問した。

「名前は?」

しかし何度聞いても、恥ずかしそうな素振りだけで答えようとはしない。 次に

「何歳?」

と聞くと指を5本出して見せた。

「5歳か! 幼稚園生? 」

 子供は目を輝かして大きくうなずいた。その日から子供は毎日、現場の傍で私の作業を見るようになった。バックフォー・トラクターで掘削したり、重い資材を吊り上げて移動させたりするときはジャンプして喜んだ。

そして休憩時間や昼休み時間には私の周りを楽しそうにうろつきまわった。こちらの問いかけにはうなずいたり、顔を縦にふったり、横に振ったりするだけで言葉での返事がない。そうした事が続き、無言の友情が二人の間には芽生えていった。

現場に着くと子供はちゃんと待っている。

「おはようー」

と言うと、嬉しそうにジャンプしてはしゃぎまわる。それから母親に手を引かれて幼稚園からの迎えのバスに乗り込む。帰ってくると着替えてすぐ現場にやってくる。雨の日は2階の窓からの見物となります。

そして現場は最終段階を迎え、土曜日、アスファルト舗装が完了した。子供は現場とキャベツ畑との境に立ち、私の動きを最初から最後まで見つめていた。時々、子供に視線を向けて、Vサインをして見せると子供は奇声を上げてそれに応じた。

男たちが全員引き上げた後、私は手足をバケツの水で洗い、普段着に着替え、帰る身支度をした。そこへ子供がやってきた。車のドアーを開けたり閉めたり、綺麗に仕上がった舗装道路を指差してアー、アー、と叫んだりした。

現場は今日でおしまい、月曜日からは別の現場へ行く。したがって子供とは今日でお別れである。私は缶ジュースを子供に与えながら言った。

「今日で、ここの仕事は終わった。だからもう逢えなくなる。・・・いつも元気でいてね・・・」

子供はびっくりした眼で私を見つめた。唇が振るえ、目から大粒の涙がこぼれ始めた。私は彼の小さな手を握ってさらに言った。

「二人はいつまでも友達だ。いつか必ずどこかで逢える。その時、あんたは立派な大人になっている。その日を楽しみにしているよ・・・」

子供は下を向いたままでいた。そこへ彼の母親が連れ戻しにやってきた。手を引かれていく彼は振り向いて唇を動かした。

「・・・おじさん、友達・・・」

母親は電気に打たれたように立ち止まった。

「ひさお、もう一度言ってごらん、もう一度・・・」

「・・・おじさん、友達、やくそく・・・」

「ん、友達だ、どんなことがあっても友達だ・・・」

母親が声を上げて泣いた。今度はこちらがびっくり、意味が分からずに唖然としていた。辺りは暗くなり、夕焼け空に一番星が輝き始めた。

私はその母親に頭を下げ、子供に手を振った後、ゆっくりと車を走らせた。背後から

「・・・おじさん、友達・・・」

という子供の声がが、どこまでも、どこまでも追ってくるようであった。

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史上最強の女 (7.2)

歴史を陰で操ってきた謎の知性体、それは女・・・! 男達を手玉に取り、その野望という燃え盛る炎の中に、ワラ人形のように彼らを投げ込み続けてきた恐るべき存在、それが深い闇に妖しく踊り狂う女達・・・かも?

 神を誘惑して骨抜きにし、悪魔をバーベキュウにしてその肉を喰らいつつ、永遠の、絶対的謎の闇に浮かび上がる白百合・・・。

男たちはただただ、彼女らの妖気に操られて、スクリーンの脇役を演じるのみ。 言い換えれば、パソコンの超薄いチップスに、インプットされただけのかすかな磁気の痕跡にすぎないのだ。

と申し上げますと、バー様を筆頭にして過去、現在、未来を問わず、ありとあらゆる種類の女様方の激怒、憎悪、弾劾糾問が怒涛のように押し寄せてくると思います。

しかし、これはただの文章研究であり、本当は女の宿命に深く同情し、尊敬、命をかけて愛しておりますので、納得し、寛大に笑って許してください。

これまで私が最も恐れ、尊敬し、史上最強、と思った女は、やはり、母・・・かも? 少女時代から青春時代は、鞍なしの荒馬を乗り回し、干ばつ時にはひび割れの畑を耕し、海に潜ってサメを仕留め、同級生の男どもを片っぱしから投げ飛ばし、強い男には原爆頭突きで撃沈させて喧嘩に勝ち続けた。

戦場では、砲煙弾雨の中を猪のように駆け回って、食料を敵陣地から盗み、餓死から幼い姉と私を救ってくれた母・・・。

・・・さらに、海上からの艦砲射撃と戦車群からの集中砲火で、洞窟内に10日以上も閉じ込められたときなど、壕内に潜んでいた巨大ハブの頭を素手で掴み、その首と尻尾を包丁でちょん切って刺身にし、餓死寸前の私と姉に食わせて命を救ってくれた。

その他いろいろありますが、とにかく凄いの一言に尽きる。父は戦死、・・・しかし、女の細腕(豪腕か?)には世間は冷たく、救いはない。しかし、子供3人を育て、若い叔母二人を支えて生きていかねばならなかった母・・・。

そこには、死ぬか生きるかしかない。生きるためには、形振りなどにかまってはおられない。鬼だらけの地獄の闇夜を生きて生き抜く、それは心、感情を殺さねば不可能である。

母はその美貌と女を武器にして片っぱしから男達を手玉にとった。数え切れないほどのお父さんたちが、岩に当って砕ける激流の水泡のように、次々と現れて消えていった。

そして、私は一応、まともな大人に成長した。母は私のために躊躇いもなく自分を殺した。そのご恩は宇宙の果てよりも高く、宇宙の底よりも深い。しかし、ご恩返しの真似事はまだ始めていない。

・・・いや、それは始めるとか、始めていないとかいうような次元のものではないはずだ。形のない無限性の中に、母の恩そのものが広がっているからだ。

というわけで、私は女を偉いと思っておりますし、尊敬いたします。その母も89歳の高齢です。体はいまだ頑丈ですが、最近、物忘れがひどくなったようだ。・・・いついつまでも元気で長生きしてほしいと願い続けている。

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居眠りの悪夢 (6・29)

目覚めますと雨が降っておりました。天気予報では昼前までには雨は止んで、曇り空になる、ということでした。 そういう予報では、いままでの経験から雨はすぐに止んで曇り空になる、ということになっている。それでいつもの現場へ行きました。雨が止んだらすぐに作業開始するつもりでいたのです。

ところが、雨は止むどころか激しくなる一方で、現場のいたるところに水溜りが出来て行き、それが次第に湖のようになっていったのでございます。私は雨の音を子守唄のように聞きながら、車の中で待機することにした。

しばらくして居眠りが始り、幻想の世界で野口雨情の「雨降りお月さん」が聞こえてきた。

雨降りお月さん 雲の蔭(かげ)
お嫁にゆくときゃ 誰とゆく
一人で傘(からかさ) さしてゆく
傘(からかさ)ないときゃ 誰とゆく
シャラシャラ シャンシャン 鈴つけた
お馬にゆられて ぬれてゆく

いそがにゃお馬よ 夜が明けよう
手綱(たづな)の下から チョイと見たりゃ
お袖(そで)でお顔を かくしてる
お袖はぬれても 乾(ほ)しゃかわく
雨降りお月さん 雲の蔭(かげ)
お馬にゆられて ぬれてゆく

これは野口雨情の大正14年の作品です。お嫁に行く、昔は悲しい嫁入りが多かったんでございますね。政略結婚、親の一方的な野望策略の結婚など、女性の人権が完全に無視されていたんでございます。おそらくこのお嫁さん、好きな人がいたんでしょう。しかしなぜ一人で嫁に行くんでしょうか? 側近にご両親や、婿方のお迎えさんがいるべきはずだのに……。

事情はともあれ、このお嫁さん一人、雨に濡れて、お馬に揺られて、そして、お袖で涙を隠して行きたくないところへ向かっているのです。こぼれる涙を人様に見せてはならない女の定め。恋しいあなた、なぜ、私に死ねと言ってくれないのですか。そのころ、彼は借金のかたに売られていく恋人を買い戻すために、土木作業員として懸命に働いていたのですが、スズメバチの巣を誤ってスコップで突っついてしまったため、蜂軍団の猛攻を受けて死んでしまったのです。

よく見るとその男の顔は私でありました。びっくりして悲鳴を上げますと目が覚めました。これは居眠りの悪夢でありました。雨はさらに激しくなっておりました。仕方がないので、本町置き場の屋内での作業をすることにした。

そこにはドラ猫が待っている。今日どういう接待をしてくれるのであろうか・・・?

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今日の都心36.7度の猛暑 (6.28) 

今日もやっぱり暑い一日でした。東京都心で36.7度という猛暑でありました。それが何と1876年の観測スタート以来、6月としては最高温度だそうです。しかし、そんなことで驚いてはなりません。私の今日の現場は50度以上になったのであります。

現場は「美住町資材置き場」という約1500平方メートルの会社の長方形の土地であります。周囲は長さ6メートル、幅30センチ、厚さ3ミリの鉄板でぐるりと囲まれ、それが灼熱の太陽に焼かれて熱くなっていた。素手で触ると火傷するほどの熱さでありました。

その中で山積みとなった単管パイプはそれ以上の熱さとなった。その穴の中で巣を作っていた蜂が一斉に逃げ出したが、次々と墜落して干乾びて死んでしまった。高圧線に止まっていたカラスが落下し、ひきつけの痙攣を起こしながら死に絶え、焼き鳥のように地上に無様な形骸を晒した。

その中で私は黙々と仕事を続けた。汗が噴出し、蒸気となって陽炎を作る。太陽光線が当ると神秘的な小さな虹を私の周りに作ったりした。作業内容は単管パイプを選別し、特定の長さに切断し、仕訳していく。高速カッターからは火花が飛び散り、顔や手の素肌に当って焼きまくる。ポケットの中が熱いので手を突っ込むと火傷した。中に入っていた100円玉が周りの温度熱で焼けていたのだ。ということは気温は50℃以上は軽くあった、ということになります。

現場の目と鼻の先には東村山浄水場がある。なにやら工事をしていて、機械の音や人の怒鳴り声がする。・・・そういえばいまから7年前の1998年の4月か5月、東京水道百周年の記念イベントがあって、アグネスちゃんが特設ステージで歌った。それを私と嫁さんは見に行った。

「雨の予報だったのに、こんな良い天気になって・・・、私と皆様方、切ってもきれない縁があるのよ!」

と言った彼女の言葉が今でも聞こえるようです。当時、42歳だった彼女はどう見ても25歳前後にしか見えなかった。歌もうまいし、顔も綺麗、素晴らしい思い出であります。そのすぐ隣で仕事をしている今の自分、やはり、その思い出が強い力となって今日の酷暑に勝てたのだと思います。

・・・あれ、今日の日記、まとまりがありませんね? これはきっと今日の異常な暑さのために脳波が狂ったためだと思います。こういうときはどうするか? やはり、冷たいビールを飲んで寝ることでしょうね?

では、皆様方、ちょっと失礼して、冷たい生ビールを飲まさせていただきま〜す! ・・・あー、うま〜い! みなさまがたもどーぞ!

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お世辞の使い分け  (6・26)

17世紀のイギリスの政治家 Lord Chestgerfield が言っております。

「非情に醜い女性や非常に美しい女性に対しては頭が良いとお世辞を言うべし。中位の女性には美人だと言うべし」
(Very ugly or very beautyful women should be flattered on their understandingーーーーmediocre ones on their beauty
.)

男が女に対してお世辞を言う、なんってことはあまり歓迎されないことですが、しかし、お世辞を言えなくなった男はすでに男ではない、という証にもなりますから、お世辞を言って若さを保ちましょう!

ということで、私は女性に対しては状況に応じてお世辞を言うことにしております。

今年の2月下旬に現場の山里に一本の紅梅が満開でありました。それを二人の80代前後のご婦人が眺めておりました。

その側で道路の測量をしておりますと二人が話しかけてきた。

「この梅の花、綺麗でしょう? 今年は特に綺麗だよ〜〜〜」

二人は曲がった腰を伸ばし、入れ歯をがたがたさせながら微笑んだ。そこで私は紅梅が作る深紅の影の中に入ってその美しさに見とれた。そして、一言・・・。

「しかし、お二人さんの美しさには及びませんよ・・・」

二人は喉から空気を漏らしながら、声を引きつらせて笑った。

「あんた、おもしろい・・・。そんなはっきりした嘘のお世辞を言うなんってさ〜〜〜、がははははは〜〜〜」

彼女たちが異性の視線を全く気にしなくなった年齢で、栄光への旅立ちの心構えが出来て、煩悩からの離脱が出来ていたので、私のお世辞は通用したわけであります。

異性の視線を感知して、それで全てを見抜く年代の女性に対しては、うかつにもそういうお世辞を言ってはなりません。醜い女か、中ぐらいか、あるいは美人か、それを見抜いてそれに相応しいお世辞を言いましょう!

うちの嫁さんに

「まるで立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿はユリの花だ・・・」

と申し上げますといきなり顔面パンチを食らいました。虹とオーロラの広がりの中で、無数のハート型の火花が、目から美しく錯綜しながら飛び散りました。

それは一体何だったのでしょうか? 私には分かりません。謎は謎を呼んで迷宮入りとなりました。

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都議選立候補者の偉大なお言葉 (6.25)

東京都議会議員選挙が昨日(24日)、告示されました。 立候補届け出は午後5時に締め切り、220人が届け出を終えたそうであります。

各候補の宣伝カーがなにやら喚きながら走り回ったり、駅前で演説したりで白熱した、うるさい選挙期間となります。

私は静かに宇宙を眺めながら、優雅に物思いに耽るのが好きなんですが、それが破壊される期間でもあります。

候補者一人一人の話を聞いておりますと、内容はみな同じようなものであります。

「私は立派な人間で真面目です。しかし、他の候補者は悪い奴ばかりです。私は有能ですが、ほかはみな無能です。ですから、みなさん、私に清き一票をお願いします。皆様方が儲けるためなら、銀行強盗でも、ポン引きでも人殺しでもなんでもします。5000円ありがとうございました・・・!」

この5000円は”ご声援”のつもりだったと思います。いずれに致しましても飴玉を上げますから自分を当選させてください、と言うような内容をがなり立てているのであります。

まったく、人類として進化のあとが見られず、下品と愚かさと獣性を宝石で飾り立てたようなものです。鉢巻をし、”丸出珍犯爺”という名前の入ったタスキのスーツ姿は哀れでもあります。

こういうことは絶対に有り得ないことですが、もし、私が候補者なら次のように申し上げます。

「みなさ〜ん、ホンとの自分は自分で見えません。ホンとの自分を正確に見ることが出来るのは皆様方で〜す。ですから、皆様の判断でこの私に投票するかどうかを決めてください。大事な選挙ですから遠慮とか気兼ねはいりません。私が都議に相応しくなく、その手腕にも落ちる無能な者でしたらお願いです、絶対に入れないでください。そして、他の党であっても立派な候補者がおれば、その方に入れてください。私も応援します。明るい日本は明るい東京から、みなさ〜ん、立派な候補者を選んで日本を、いや、人類全体を幸せにしましょう!」

如何でしょうか? ・・・やっぱり変ですか? しかし、たまにはこんなことを言う候補者もいていいと思うのですが、今の段階では無理でしょうね?

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気分が出るのを待っていては駄目    2005・6・24 

私は気分が出るのを待ってなどいない。そんなことをしていたら何事も成就できない。心は働き出さねばならないことを知っているのだ。
(I don't wait for moods. You accomplish nothing if you do that. Your mind must know it has got to get down to work.)

これはアメリカの女流作家(作品の一つ=大地)の記述であります。いまの私に戒めとなる言葉であります。何事も些細なことは明日やればいい、明日があるじゃないか、という漫然とした心でおりますと、結局、何も出来ず、年とって後悔して死んでいくだけであります。

自分で言うのもなんですが、私は1000年に一人出るかでないかの頭のいい男なんです。しかし、この年になるまで労務者という立派な職業についている。人間それぞれはなにをやってもいいのですが、天が与えた使命というのを必ず一つは持っている。それを発揮しながら好きなことをやっておればいいのですが、使命を果たさなければ労務者という素晴らしい仕事を続けることは許されないのだ。

では、私の使命とは何か? それは、般若心経を丸暗記することである。しかし、超頭の良い私ですので、油断があって暗記しようとする気分が出ない。面倒くさいので、明日やればいい、と思いつつ、この年になってしまった。

歳月人を待たず、大河の流れと共に一日24時間が数千の束となって過去へ去っていってしまった。これ全て気分が出るのを待っていたからなんです。しかし、まだ遅くないのだ。 どんな些細なことでも今すぐやる、これをいまから徹底してやることに致します。

ん・・・? 嫁さんがキッスしてくれ、と言っています。気分が出ないので明日やることにする・・・・? いや、それはいけない。気分が出なくても今すぐやらねばならない、と誓ったばかりだ。

では、皆さん失礼して、「ブッチュウ・・・」  ぐわ〜〜〜、い、息が出来ない、た、たすけてくれ〜〜〜。

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宗教とは?   6月23日(木)

世界の宗教人口は以下の通りです。

キリスト教=19億6700万人、イスラム教=11億4700万人、仏教=3億5300万人、儒教、道教=3億6900万人

これらの数字を見ますと世界人口の半数以上はありがたーい信仰を持っている、ということになる。しかし、上記以外でも世界にはいろいろな信仰がありますので、言い換えれば何らかの形で人間各自はそれぞれの信仰を持っている、ということになります。

これらの数字を見て言えることはなんでしょうか? 言いたくないのでありますが、宗教は人間性の向上に何の役にも立っていない、ということです。つまり、宗教は人間に肝心なことは何も教えていない、ということになります。

世界三大宗教をはじめ、いろいろな宗教が全世界の人々の心に浸透しているのですから、世の中は平和で豊になり、互い助け合いの明るい、勇んだ清らかな世界になっていてもおかしくない時代であるはずです。それが、現実はどうでしょうか?それぞれの宗教の正当性を主張して殺し合い、略奪し、人間の醜さを晒しているだけであります。

聖地エルサレム争奪戦が行われたり、聖戦と称して自爆テロが行われたり、自分の宗教の悪口を書いた、という理由でエレベーターの中で大学教授の首を切って殺したり、いやはや神のする事は恐ろしいことであります。

私は何が言いたいのか? ・・・訳が分からなくなってまいりましたが、15歳の少年が両親を殺害し、ガス爆発させたという悲惨な事件に心が痛んでいるのであります。父親はその少年を馬鹿にし続けた。母親はいつも死にたい、死にたいと口癖のように言った。

少年が精神的に異常化していくのは当然であります。そのような一家は他にも数多くあると思う。ということは異常化していく青少年が大勢出てくる、ということになります。もし、母親だけでも前向きの姿勢で、未来に希望を持って働き、少年をいつも励まし、思いやりの言葉をかけていたら、少年は救われていたはずです。

宗教とは心の闇路を彷徨う人々に希望の光を与える、というのがその最大の目的であるはずだ。世界が混乱し、自滅への路を確実に歩み続けている、ということは宗教が真実の教えをしていない、ということであります。一部の権力者、財閥、富豪の私利私欲のために利用され、一般大衆が無知で騙されやすい、ということも原因かもしれません。

いずれに致しましても宗教とは餌をばら撒く漁師のようなものかもしれません。最初はそうではなかったにせよ、なぜか宗教は最後にそうなってしまうものです。

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99%間違いない立派な人間   6月22日(水)

目覚めて窓を開けますと雨が降っております。今日の東京は午前中は雨という予報です。雨ですと外での仕事が出来ない。でありますから、今日は屋内の仕事、ということになる。本町置き場の整理整頓という単純作業が待っている。

単純作業ということは簡単なこと、ということになる。あなたを含め、世の中の人々は単純作業人を無能な部類に属する生き物として軽蔑し、馬鹿にし、虐待する傾向にある。しかし、それはいけない心の持ち方であります。どんな人でも人間性を尊重し、丁寧かつ、思いやりの言葉で接していきましょう。

無能人間を軽視するということ、それが人類の恐るべき悲劇を歴史上に築き上げてきたという事実、しかと知るべきであります。虐め抜かれて、冷逆な仕打ちを受けて育ち、そして運良く独裁者になった人間がどうなるか、ご存知かな? 自分がされたことを全体に吐き返すのであります。

歴史上の極悪独裁者を見ますと、古代ローマのカエサルから最近のヒットラー、スターリン、フセイン、アル・バシール、その他いろいろと数えればきりがありませんが、いずれもその幼少期は虐められ、冷たい世間の風に晒されて育っております。でありますから、大量虐殺を平気でやったり、口の中に石を詰め込んでその口を棍棒で殴ったりの拷問をしたりするのであります。

弱いもの、無能なものをいじめるということ、それがどんな恐ろしい事態を招くか、ということを全人類はしかと知るべきであります。このままですと核兵器を使った自爆テロが出てくる恐れがあります。なぜ、そうなったか? それは弱いものを虐め続けてきた、そして、無能人間を馬鹿にし続けてきた傲慢な人間があまりにも多すぎるからであります。

ということで、単純作業員の私ですが、世間の冷たい風にも、いじめにも、軽蔑にも負けず、今日も一日心正しく、寛大に、人類の心の完成を神に祈りつつ仕事に励んでまいります。

私は思うのですが、その単純な仕事を完璧に、本気になってやり遂げられる者こそ、複雑で高度な仕事を軽々とやってのけられる熟練者、立派な人間なのであります。ということは私は立派な人間ということになる・・・? うちの嫁さんがそう言っていますので、99%は間違いない、と思います。

では、皆さん、今日も一日ファイトイッパーツで行きましょう!

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