Dさん、貴重な経験談ありがとうございました。
服飾面でいかにシャチホコばったところで、モテる男性や異性を前にしてオドオドするようでは話になりません。脱オタの目的となるのは
、オドオドしたファッションオタクになることではなく、誰ともある程度のコミュニケーションがとれるようになる事でしょうから、様々な人達との出会いを面白いと思えるようになった事こそが、Dさんの“脱オタ”が完了した証と言えるかもしれません。もしコミュニケーションスキルの乏しいオタクのままだったら、こうはいかなかった事でしょう。彼ら彼女らを前にして、ドキドキキョロキョロといったところが関の山で、“おもしろいなぁ”なんて余裕をかましていられないんじゃないでしょうか。
子育てにおいてオタク趣味をどうするのか?どのぐらいの時期にどのぐらいの距離でオタク趣味と付き合うのが“無益というよりは有益”なのでしょうか?私個人は、まだどれぐらいまでが適切だという結論を出せずにいます――その子の素養やその子を巡る環境、オタク趣味の内容などによってまちまちでしょうし、何がどこで子供の為になるのかは見えにくいですから――しかし、小さい頃に過剰に遊びを制限され
(特にオタク趣味)、中学校以降にオタク趣味がブレイクした人達が、どこまでも深いオタク井戸に落ちがちな傾向は、私も認めるところです
(注:ただ、これは中学以降にオタク趣味に耽溺した事が問題の種ではなく、中学以前までに制約の多いorコミュニケーション上の不利を強いられた事が問題の種である可能性について十分検討しておかなければなりません)。
思春期までの抑圧や思春期前期の挫折→オタク趣味への耽溺という流れは、あまりにも多くのオタク達にみうけられる生育歴です。時代が流れて1980年代や1990年代の子供社会とは大分変わっているところはあるでしょうが、変わらない部分もある筈。同じ遠回りを子供にはさせたくないというDさんの気持ちが伝わってきます。
コンピュータ業界の話もそうですが、オタクを巡る状況は時代の流れとともに変化しています。小さい頃に
スーパーマリオや
ドラクエ123、
ZZガンダム(敢えてZガンダムにしていない理由はお察し)が入り口になり、その後
セーラームーンや
同級生2や
エヴァあたりでオタク魂を爆発させた世代も、もういい歳にさしかかっているわけで、今後は“子育てとオタク趣味”についての議論も要請されるようになってくるかもしれませんね。そういや、コミケでよくパパオタクとママオタクにコスプレさせられた
さくらちゃんや小狼くんなんかを見かけますが、こういった子供がディープなオタクになっていくのか、コミュニケーションスキルがどうなっていくのかも全く分かっていません。結婚した・出来たオタクに関しても、結婚しない・出来ないオタクに関しても、歳をとってどうなっていくのか検証したいところです。
※本報告は、Dさんのご厚意により、掲載させて頂きました。今後、Dさんの御意向によっては、予告なく変更・削除される場合があります。ご了承下さい。