はじめての

 

ろこ雲を 久しぶり見た

朝日をわずかに隠して

光が模様になって 透けていた

 

私は遠くの保育園から送られてきた

まごの写真がたくさん載ったカードに

驚き 感激して

園宛ての お礼のはがきを

ポストに入れようとしていた

 

「敬老の日」も 

「おじいちゃん、おばあちゃん」も

みんな金の鈴を振ったように

きらきらした楽しい言葉に聞こえる

 

去年までは 老いていく体と

萎えて行く気力を

揶揄する あてこすりに聞こえて

胸に冷たく沈めて 素知らぬ顔をしたのに

 

こういうことなんだね

まごの効能とは

 

高揚することばかりだ

 

POEM         選評