ジャッキーの旅立ち |
||
ジャッキーが去年の夏、あの酷暑の中で頑張りとおし、ミラクルボーイ・ジャッキーと私が褒め称えながら書き続けた日記があります。今日、やっともう一度目を通すことが出来るようになりましたが、読んでいくうちに、本当に辛かったのだなあ、体調が良いとはいえ、それは頑張りの一語につきるものであること再確認しました。 むしろ私のために微笑みながら、一生懸命ここまで頑張ってくれていたのだと、心からそう思いました。
3月末ころから食欲は落ちています 4月にはいってからは鼻つまりと便秘に悩まされ、苦しい日々が始まっています。比較的安定した日もありましたが、一進一退という感じでした。私は気にしながらもそういうこともあるわ・・・でもまたきっと元気を取り戻す・・・ しかし大きく変化が見えてきたのは20日ころからです。食欲がなくなり、これまでの量の半分くらいに減っています。そしてそれからはみるみるうちに弱っています。 21日の日曜日から24日の水曜日までは、変則的にも食べてはいますが、その夜くらいからカステラを小指ほど食べただけ、25日は大発作で、血を吐いて鼻からも出血しました。 それからがくんと弱り、それでも身体を起こしてあげるとしばらくはきょとんとしていたりもしました。
明け方なんどもワンワンと起きたのも私に何かを言いたかったのかもしれません。しかし連日2〜3時間の睡眠でかなり私も疲れがたまっていたのでしょうか、そんなジャッキーの呼びかけをしっかりと受け止められず事務的にハイお水?おしっこでたの?さあ替えようね・・・そんなことばかりで彼の目をしっかり見てあげなかった。それが悔やまれてなりません。 亡くなる26日のお昼過ぎ、ワンワンというので起こしてあげると、一瞬、毛並みが金色のように輝き、目がきらきらと輝き、あー、ジャッチャン、これなら元気になる、そうだ、お肉を食べて元気だそう 私はまた目を覚ましたときのためにと、お肉やビオフェルミンを買いにでかけ、小一時間ほどで戻りました。いつもは当然寝ているであろう時間内に・・・そおっとリビングのドアを開けて中を見ると、向こうを向いて寝ているジャッキーの耳が動きます。頭も動きます。 急いで入ると、目に涙を一杯浮かべて苦しそうにしています。息も荒く、おそらく結構長くそうしていたとわかるものでした。私を苦しそうな目で訴えるように見ます。 タオルをめくってお尻を見るとまた下痢です。あら出ちゃったの、だいじょうぶよ、すぐにきれいにしてあげるからね、そう言いながら、お尻をきれいにしましたが、その後からまたすぐに下痢です。しかし、それは明らかに血便でした。 そのあともそのあとも血が出続けます。どうしよう・・・どうしたらいいのか・・・そう思うまもなく肩で、はあはあとすごい荒い息をして苦しみます。 そして片付けものなどをしていると、呼吸が周期的におかしくなり始めました。しゃっくりをするように、目を閉じながら繰り返します。あわてて上体を横に寝かせようとすると、首ががくんとしています。そうっと寝かせました。とたんに呼吸は弱くなり聞こえないほどです。思わず胸に耳を押し当てました。弱いけれど確かに鼓動は聞こえます。 手をにぎって、ジャッチャンもう苦しまないように、苦しまないように、それだけを願いました。 それでもしゃっくりのような呼吸をしています。身体や足をさすりました。ジャッチャンと呼びました。でももう時間の問題は明らかでした。だめだと思いました。 でもそのときはとにかくもう苦しまないで楽になってとそればかり願いました。 そのうち呼吸はさらに弱くなったと思ったら、いきなり前進の力をこめて、はーッ、はーッ、とすごい形相で息をすることを数回繰り返し、手足をぐーっとのばすことを繰り返し、がくっと力がぬけました。 心臓を触るともう音はしません。 でも苦しかったのでしょうか。目は開いたままです。口もあけたままです。 ジャッチャン・・ それしか言えませんでした。 でもまたあの苦しい発作を起こしたり、血便を出したり、苦しいことばかりなら、もうそれから解放されてよかったねと心からそう思いました。 5月14日の初めての発作から数えて11ヵ月経った頃でした。 それからどれくらいの時間そうしていたのか覚えていません。ジャッキーの体をなでながら手を握りながら部屋の中にいました。悲しみと共に不思議な安堵感もありました。初めて発作を起こしたときから高齢なのだから獣医へ連れて行ってむやみに検査などで負担をかけるようなことはしたくなかった。ジャッキーもきっと望まない。こうして私と一緒に過ごすことが一番の慰めであり、薬でもあると自負していたのです。そしてしっかりと死と向かい合い最期を見取ることが出来たことで私も納得できたのだと思うのです。ジャッキーが元気な頃は彼がこの世から居なくなるなんて考えもしなかったし、そんな日がいつかはくるとは知りながらも考えたくはなかった。でも、現実に彼の鼓動はもうきこえない。 翌日の午後荼毘に付すことにしました。 最後のお別れをして、家族との写真、お兄ちゃんにつぶされそうなほど抱きしめられてコタツで眠った写真、おばあちゃんの写真、それらとお花やぬいぐるみと、レディママが心をこめて作ってくださったドーナッツ枕と一緒に、さようならをしました。 2時間ほどでおほねになったジャッチャンは、あれほど悩まされたはずの歯も真っ白になって爪も真っ白になって焼かれてでてきました。丁寧につぼにおさめ犬歯と爪の一部は小さなボトルに入れていただき、いつもママと出かけられるようにしました。我侭を言ってレディママにそれをいれるカプセルをわざわざ寒川から買ってきていただき、お悔やみにきていただいたときにすぐに入れていただきました。今日もどこへ行くにも一緒です。 初めて一緒にいろんな所へ行かれます。 こうしてパソコンに向かっていてもときどきいつも彼が寝ていたほうを見てしまうのです。いくら写真を飾っても、好きだった形見を並べても、すべて色あせて見えるのです。 朝、涙から始まります。いくらでもぽたぽたと流れ落ちるものですね。 これまでジャッキーがしてくれたことの数々、どれほど大きな存在であったことか、どれほど支えてくれていたか。天使そのものでしたから・・・どなたも経験されることなのでしょうが、辛いです。淋し そして亡くなる数日前からの彼の呼びかけに適切に応えられなかった自分が悔やまれます。 ごめんね。これまで一年間こんなにいつも一緒にいたのにね。 ジャッチャン・・・ありがとう、ありがとう。虹の橋でお友達に会いましたか?みんなと仲良くしてもらってね。シャイなあなただから大丈夫かな・・・ ジャッチャン、大好きな可愛いジャッチャン。ママは心からお礼を言います。ありがとう。
小さいときからお留守番ができたジャッキー |