それは試合開始早々のできごとだった。彼は1ON1を挑んだかと思った次の瞬間空高く舞い上がり、強烈なワンハンドスラムダンクを決めたのであった。彼の名はGerald Walker、先週末に千葉県富浦町にて行われたさざなみスプリングカップ'96 で優勝した、ピアスアローバジャースの選手である。
決勝戦は大和證券"HOT BLIZZARDS" とピアスアロー"BADGERS" の対戦となった。ピアスアローは#35ブライアン・ヘンドリックの豪快なダンクを合図に、怒涛のごとく大和證券に襲いかかった。ピアスの#33ブレント・ウィリアムスは大和のボールをスティールしたかと思うとそのままドリブルで持ち込み、ゴールが壊れそうなくらい思いきりリムにたたきこんだ他、3本のダンクで会場を沸かせた。ブライアンとブレントの2人は長いリーチを生かしたリバウンドでゴール下を完全に支配し、大和のシュートをまるでバレーボールのスパイクのようには炊き落とした。そして、冒頭の#32ジェラルド・ウォーカー、彼は大学バスケットボール界の歴史に残るダンクアーチストであり、1試合平均18点を稼ぎ、NCAAで歴代3位の平均スチール記録を持つ、全米でも有数の選手である。(大学時代の成績)
彼は自ら進んでダンクコンテストに名のり出てくれるほどの好成年であるが、コート上では野生の感とでもいうべき鋭さでボールを奪い、マイケルジョーダンばりのダンクで会場を大いに沸かせてくれた。ダンクコンテストでも他を寄せつけないパワーとテクニックで優勝したことは言うまでもない。
大和も#8武田の4本、#3中野の3本、#80渡辺の3本をはじめ合計12本の3ポイントシュートで追いすがるが、ピアス#23ジョン・パトリックが3ポイント4本を含む両チーム最多の22点を稼ぎ、試合を決定づけた。
大会MVPには、コートを縦横無尽に駆け回り、5本のダンクを決めて16点を稼いだ#35ブライアン・ヘンドリックが選ばれた。
結果は以下の通りです。
優勝 | ピアスアロー"バジャース" | (クラブチーム)初優勝! |
---|---|---|
2位 | 大和証券"ホットブリザーズ" | (日本リーグ1部) |
3位 | 丸紅 | (日本リーグ1部) |
4位 | 三井生命"ミックス" | (日本リーグ1部) |
5位 | 大日本印刷"イーグルス" | (関東実業団1部) |
6位 | 日立本社"ライジングサン" | (日本リーグ2部) |
予選1 | 予選2 | 決勝 | |||
優勝 | Gerald Walker | (ピアスアロー No.32) | 91点 | 93点 | 100点 |
---|---|---|---|---|---|
準優勝 | 鍵富善宏 | (丸紅 No.11) | 80点 | 100点 | 86点 |
John Patrick | (ピアスアロー No.23) | 100点 | 90点 | 76点 | |
菊地哲博 | (日立本社 No.5 ) | 76点 | 73点 | ||
中尾和登 | (日立本社 No.16) | 65点 | 79点 |
決勝 | 大和証券 | 65 | 32−50 33−45 | 95 | ピアスアロー |
---|---|---|---|---|---|
3決 | 三井生命 | 69 | 33−39 36−41 | 80 | 丸紅 |
5決 | 日立本社 | 63 | 31−41 32−39 | 80 | 大日本印刷 |
1回戦 | 日立本社 | 63 | 31−51 32−41 | 92 | ピアスアロー |
1回戦 | 丸紅 | 65 | 31−33 34−22 | 55 | 大日本印刷 |
2回戦 | 三井生命 | 65 | 23−48 42−29 | 77 | ピアスアロー |
2回戦 | 大和証券 | 58 | 28−27 30−22 | 49 | 丸紅 |
去る5月18日(土)、19日(日)に千葉県富浦町にてさざなみスプリングカップ’96という大会が行なわれ、オフシーズンに行なわれる大会とは思えないほど、白熱した熱戦が繰り広げられました。
三井生命は、ポイントガードのNo.10石原のリードパスが冴えまくり、No.7竹田、No.8馬見塚、No.15岡部らがインサイドを強力に支配、外からはMVPを授賞したNo.16石川、3ポイントコンテストで優勝したNo.6渡部のショットが気持ち良く決まり、No.12島袋はガッツ溢れるプレーでチームを盛り上げ、「今年の三井はひと味違う」といった印象を受けました。
結果は以下の通りです。
優勝 | 三井生命 "ミックス" | (日本リーグ1部) |
---|---|---|
2位 | 日立戸塚 "レパード" | (日本リーグ1部) |
3位 | 東芝 "レオ スパークルズ" | (日本リーグ1部) |
4位 | 日本航空 "JALラビッツ" | (日本リーグ2部) |
5位 | N E C "NECロケッツ" | (日本リーグ2部) |
6位 | 荏原製作所 "ハロービッキーズ" | (関東実業団リーグ1部) |
予選 | 決勝 | |||
優勝 | 渡部美代子 | (三井生命 No.6) | 15点 | 15点 |
---|---|---|---|---|
準優勝 | 向川恵子 | (NEC No.8) | 10点 | 10点 |
松田悠里 | ( 東芝 No.15) | 9点 | ||
大濱香織 | (日本航空 No.7 ) | 9点 | ||
大鴻久恵 | (日立戸塚 No.8 ) | 8点 | ||
石原尚子 | (荏原製作所 No.4 ) | 4点 |
決勝 | 三井生命 | 75 | 35−27 40−20 | 47 | 日立戸塚 |
---|---|---|---|---|---|
3決 | 東芝 | 62 | 27−34 35−19 | 53 | 日本航空 |
5決 | NEC | 75 | 34−28 41−29 | 57 | 荏原製作所 |
Aブロック | 東芝 | 75 | 39−28 36−26 | 54 | 荏原製作所 |
Aブロック | 三井生命 | 76 | 41−25 35−26 | 51 | 荏原製作所 |
Aブロック | 三井生命 | 73 | 39−24 34−29 | 53 | 東芝 |
Bブロック | 日本航空 | 87 | 35−16 52−28 | 44 | NEC |
Bブロック | 日立戸塚 | 72 | 33−31 39−29 | 60 | NEC |
Bブロック | 日立戸塚 | 69 | 29−34 40−26 | 60 | 日本航空 |