2-2.「タイタニック」考 ('99.05.25)
J.キャメロン監督はさすがです。ベン・ハーと並ぶアカデミー賞11部門受賞も納得です。
という数値が報告されています。
興行収入1位の件は多分に主演のL・デカプリオの少女受けによるものでしょう。
ぼくはL.ディカプリオの魅力は始めから度外視してたので作品の真価を観られたと思います。
主演男優女優賞は共に『恋愛小説家』に取られました。
L.ディカプリオにはギルバート・グレイプの頃から注目していましたが、
ノミネートもされなかったことは、今後おとなの役をこなしていく上で心配な事です。
ブラット・ピッドのように成長していけるか注目ですね。
音楽賞は "Celine・Dion" が文句無しに受賞しましたが、 "Celine" はなんと
エンディング・クレジットのスクロールのバックで歌っていたのです。
嘆かわしいことにエンディング・クレジットを最後まで観ていたのは、僕だけでした!
(P.S. 2008-07-21) ぼくのコメントを追記します。
映画館を出る時、なぜ "My Heart Will Go On" を聴いていないことに気付かなかった?
サウンド・トラックとしても音楽としても、映画と共に有名になったのに、なぜ?
たぶん、本当に映画を観た人は少なかったのではないか。
でなければ、見逃すのは不自然過ぎる、あまりにも不注意過ぎる、信じられない。
「観た」という事実を作りに映画館に足を運んだ、だけではないのか!?
どうか、本物、真実、本当に生きる、この世に生まれて現実を本当に生きる。
という努力をする喜びと、それによってもたらされる喜び、をお伝えしたい。
もし、それをご存知なら、聴かないでは帰れないでしょう。
些細なことのようですが、生き方の全てが現れています。
大切なものを大切にすること。何を大切にするか。を改めて思い出してほしい。
それが、私たちの生きるスタートであり目的だと、僕は思います。
(return.)
昨日の映画館は満員で入れなかった人もいた程でしたのに、
エンディング・クレジットのスクロールを見ながら、Celineを聴いてたのは
あほなぼくだけ?!
という嘆かわしい日本の現実です。
日本人はマライヤ・キャリー等には騒ぎますが、彼女はグラミー賞も
とったことが、未だないのです。
Celineはグラミーはもとよりアカデミーも美女と野獣や
"Sleepless Night In Seattle"でたしか、クライブ・グリフィンと共演して
とりましたよね。
Celineに失礼という以前にあの素晴らしい”My Heart Will Go On”を
タイタニックの最後に聴かないで帰るなんて、なんともったいない、
なんとその人にとって不幸な事かと思わずにはいられません。
感動するから映画を観るのかな、みんなが観るから目的意識もなく見栄で観るのかな
って思う。
ご承知の様にタイタニックの事件は事実ですからその関連でお話ししますと、
アイルランド(今は英国領)のベルファーストを出港してニューヨークに着く
600Kmほど手前で氷山に衝突して沈没したわけですが、その航海の料金は
1等870ポンド4,350ドル(現在価値で約50,000ドル、日本円で約575万円)
3等3〜6ポンド15〜30ドル(現在価値で約172〜345ドル、日本円で約2〜4万円)です。
それに関連して、等級別の生存率は
女性・子供 男 性 合 計 1等船客 94% 31% 60% 2等船客 81% 10% 44% 3等船客 47% 14% 25% 乗務員 87% 22% 24%
いつの世もお金が関係してくるようです。でもお金より大切なものがあること
をこの映画は教えてくれましたね。
3等船客が日本円で約2〜4万円でイギリスから
アメリカまで食事こみで行けたということは不思議なことですね。ぼくの想像で
すが当時の欧米は身分差別も激しかったが、その分社会的な保護システムが機能
していたのではないかと思います。
もうひとつ気になる事があります。女性・子供の生存率が等級別の差はありますが
全体的に確実に高いですね。
西欧の男性の弱者に対する対応の結果が現れていると思います。
皆さんちょっと想像していただけませんか?
乗客乗員が全て日本人だったら、この生存率の傾向はどうなったでしょうか?
推測しかできませんが、タイタニックの実績と同等かそれ以上など
期待できないでしょう。
日本人は思いやりや弱者へのいたわりが少ないようです。
お金よりも社会的地位よりも、生命よりも大切なものがあることを知らない人が、
日本人には多すぎます。
それを知らなければ、男性が生命を犠牲にして、女性・子供を救うことや、
真実や自由を守り勝ち取る為に、命をなげだしてでも行動することはできないでしょう。
この映画は、本当の幸せが、この世の生命を超えて存在していることを
教えていると思います。
戦争映画などで、西欧の指揮官は先頭になって突撃しますね。
日本の大将は、いちばん後方に居て、かかれー!っと采配を振りますね。
この文化の違いが生存率に影響を及ぼすと思います。
なにはともあれ、ぼくはJ・キャメロン監督のSF&スペクタクル的展開と、
ストーリーのすばらしさに感動しました。
ぼくは3時間15分のロードショーの中で3度泣かされました。
1度目は30分目頃のK・ウィンスレットの愛の告白シーン、例のプレビューで
使われた、船首に身を乗り出して両手を広げたあのシーンです。
あれはお金のための結婚を捨てて本当の愛、本当の自由を選んだシーンです。
2度目は後半の沈没の過程での愛の再告白と助け合うシーンです。
3度目は世界一高価というダイヤのペンダントを82年前に海底1,000mに眠る
L.ディカプリオに捧げて投げ捨てるシーンです。
101才まで生きた彼女の執念はこの時に結実したのでしょう。
延長に延長を重ねてロードショーを続けてきた名作ですから、
もし未だご覧になって、いませんでしたら急いでごらんになるか、
ビデオのリリースを待つか、あるいは
少女趣味だと思われるかは、それぞれだとは思います。
もし、もう一度、聴いてみたい。という方のためにリンクをしておきます。
http://bestcd2.blog97.fc2.com/blog-entry-463.html