2-3.フィフス・エレメントとルチア ('99.10.11)
最近観た映画で「フィフス・エレメント」がありますが、劇中宇宙人がアリアを
オペラハウスで歌うシーンがあるのですが、すばらしく美しい曲なのです。
この映画を観た方はずいぶん多いと思いますが、その曲がなんという曲なのか
を分かった方は少ないのではないかと思うのです。
といいますのは、近年クラシックファンは減少の一途をたどっており、
クラシックファンの中でもオペラが好きです、という変人?はさらに少ない、
そのうえあまりメジャーでない、ドニゼッティ作曲の歌劇「ランメルムーアのルチア」
をご存知の方は少ないのではないでしょうか?
例によってパンフレット¥600を買いまして隅々まで読みましたが、やはり
ルチアのことは書かれていません、ただ歌っていた歌手が先年亡くなった
マリア・カラスの再来といわれる程の歌唱力の持ち主「インヴァ・ムラ・チャコ」
だと書かれていたのみです、かくして多くの映画ファンは、かの名曲のことを
知らないままに、だんだんと記憶の深淵へと葬られてしまうのでしょう。
マリア・カラスのと、マリア・カラスでないものをビデオ録画してあります。
やはりマリア・カラスの方が何度聴いても感動します。
映画の感動も手伝って最近、何度もルチアを聴きなおしましたが、何度聴いても
すばらしい名曲です。
「フィフス・エレメント」も、まあ、ありきたりのSFという域を出ませんが、
この名曲のおかげで一段と光りを増しているように思います。
「ランメルムーアのルチア」は3幕、3時間程のオペラですが、オペラにしては
それほど長くありませんし、数あるオペラの中でも、美しさが凝縮されています。
ぜひ、おすすめしたいです。