2-4.天国の約束から、臨終の会話　('99.10.27)

映画「天国の約束」での、アル・パチーノと孫との臨終の会話です、
しばしおつきあいいただけませんか？


おじいちゃん

わしを眠らせないと約束したのに、まったくあてにならん連中だよ、
わしについていてくれ
目を閉じんように見張ってておくれ

いいよ

閉じたらぶってくれ

分かった

あまり強くぶつな、体が弱っているんだ

おじいちゃん

何だ？

死ぬのは人だけ？

犬や猫だって死ぬとも

意味が違う

つまり？

僕らの中にあるものは？

心や感情のことか？肉体とともに死ぬよ

違う、死ぬのは体だけだ

ジェンナーロ、お前はいつもわしに質問しておき、自分から答を言う、
まるでわしが質問をしたように

ごめん、心や感情も死ぬよ

なぜそう思う？死にかけのわしが言うからか？

そうじゃない

死ぬ時に涙はイヤだぞ

おじいちゃんの隣で寝ていい？

２５セントが心配だからか？

もう要らない。

要らない？、どうしてだ？、

もう必要ない

なぜ？なぜ必要ない？

もう欲しくないんだ。

おー、必要ないのか？それとも欲しくないのか？

同じだろ

まるで違うとも、 腹は食べ物が"必要"（Ｎｅｅｄ）だが
心は夢が"欲しい"（Ｗａｎｔ）んだ
大違いだ、どうした？夢が雲っちまったのか？
まだ１２歳だぞ、どんな雲より早く走れる
わしがお前の年には、そうだったぞ
わしはどうしてもアメリカに来たかった
みんなは言ったよ「よせ、不可能に決まっている。」
だがわしは来た
現代は哀しい世の中だよ、誰も夢を見ようとせず、すぐ不可能と決めつけ
求めようとしない、まるで不可能な何かを追い求めることが、愚かなように…

目を開けて、そういう約束だよ

もうひとつ最後の約束をしてくれ
どうだ？

いいよ

求めろ（Ｗａｎｔ）、求めろ（Ｗａｎｔ）…

何を？おじいちゃん、目を開けて、ぶつよ、おじいちゃん
強くぶつよ、おじいちゃん